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2020年8月

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.63

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[72枚目]●V.A.『ザ・スピリット・オブ・フィラデルフィア 3』<エクスパンション>(11)

 

 

ひさしぶりに聴いてみて、聴き憶えのある曲が多いなぁと感じた。よくよく考えたら、このCDで憶えたんだろう。相当数聴いたんだよなとしばし感慨に耽った。好編集盤として名高い当シリーズは、02年に第1弾、06年第2弾、本編が11年、そして16年に第4弾が出ている。発表年のサイクルに着目すると今年あたり、と期待したくなるが果たしてどうでしょう。編者及びライナーは<エクスパンション>の主宰ラルフ・ティー。あえて<フィラデルフィア・インターナショナル>作品を外しているが、幅広く紹介するという意味では功を奏しているかも。

 

 

①から王道フィリーの洗礼。渋みと力感のあるテナーを鉄壁の演奏陣が盛り立てる。ノーマン・ハリス絡みの<シグマ>録音。73年<フィリーグルーヴ>からのシングルも有名なようだが、discogsでは67年のシングルから上げられている。アルバムは85年に1枚。思わず踊り出したくなる②が続く。エクスタシー、パッション&ペインは、72年~77年にかけて活動。バーバラ・ロイはリードシンガーだけでなく、グループの設立者でビジネス面でも活躍したとの事。例の名盤アルバムは74年の作品。本曲も収録されている。③はソフトなヴォーカルだが、サビの「ドーン、アスク・ミー~」は思わず口ずさみたくなる。ジェイ&ザ・テクニクスは、人種混交のポップ系グループ。大人の女性らしい落ち着きを感じる④は、シャロン・ペイジ。十分にダンサブルでもある。ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツのメンバー時代もあった。テディ・ペンダーグラスとの絡みもあり。⑤は好きなタイプの曲だ。コクのある歌い口からバリトン系シャウトでグッと盛り上がる。後年判明した事だが、実は白人のベニー・マルドネスが正体。音楽キャリアをソングライターとして出発した彼は、この曲も作っているが(トロイ名義)、ブレンダ・リーやチャビー・チェッカーの曲を作っている。マルドネス名義では78年から活動し、「イントゥー・ザ・ナイト」というヒット曲があるらしい。

 

 

⑥は再び女性でクールダウン。ほどよい甘みが心地よい。シャロン・マクマハン本人の自作。ボビー・マーティンがアレンジ。64年から活動しており、07年に初アルバム、11年には<エクスパンション>から本曲が再リリースされている。それだけで終わらず、今年もシングルをリリースしている。作曲家としての経歴も多いようだ。⑦は、リードのよく通る声が雰囲気を高める。しかし、ストリングスの使い方やポロンと鳴るピアノなんか上手いなぁ。アレンジはヴィンス・モンタナ。ネットで調べても中々正体が判らない。某レコード店のリストでは5900円ほどの値が付いていた。⑧はテンポアップして女性グループ。リードはキュート声で、迫力主体ではないのでコーラスと合わせて愉しみたい。メンバーは、アリソン・ホッブズ(のちグイン)、カレン・デンプシー、フィリス・ネルソン(この人はたくさん作品を残している)。ヴィンス・モンタナ作編曲。⑨この曲も好きなタイプ。ファルセットかハイテナーか、高めの声がよく生かされている。ボビー・イーライ絡み。アルバムは73年~80年、<ジュウェル><コロムビア><キャピトル>から4作品。77年顔大写しのアルバム『キース・バロー』(同タイトルがもう一枚ある)に本曲は収録されている。生まれはシカゴで父親は公民権運動家の牧師。ブルー・マジック「ティーチ・ミー」の作者でもある。⑩バーバラ・メイソンの甘ったるい歌声は、切ないのだが元気が湧いてくる。<ナショナル・ジェネラル>は<ブッダ>の一つ手前に所属していたレーベル(配給はブッダのようだ)で、アルバムも一枚出ている(本曲は未収録)『イフ・ユー・ニュー・ヒム・ライク・アイ・ドゥ』。

 

 

⑪名前と違いインパクトはさほどないが完成度は高い。76年作のアルバムは購入済みだが、本曲が収録されているのは77年のアルバム『ザ・パック・イズ・バック』。⑫これも王道のイントロから美麗なファルセットという安定路線。アラン・フィドラー+バニー・シグラー作品。元はエレメンツでリードはマーク・アンソニー。⑬パワフルなシンガーなので、サザン・ソウル的感触も。ヴァージニア州ノーフォークの出身で、音楽キャリアのスタートが<デッカ>で、ウィリー・ミッチェルの<ロイヤル>スタジオと知るとやや納得。⑭ロニー・ダイソンは昔からどうもピンとこない。ソツが無さすぎる。ただ、歌の上手さは文句のない所。トム・ベルとリンダ・クリードの作品でトムのプロデュース。有名な73年盤アルバム『ワン・マン・バンド』にも収録。⑮出自がドゥーワップだと、スウィートな感覚やコーラスの温かみといった部分でフィリー・ソウルに繋がるのではないだろうか。59年のスタートから現在まで活動は続いている。⑯幅広く知られている存在としては、本盤内ではシスター・スレッジが最高だろう。79年のアルバム『ウィー・アー・ファミリー』が特に有名だが、本曲のリリースはその3年前となる。これにもその他のアルバムにも収録はされていない。ボビー・イーライ+レン・フィリップス作で、ボビーのプロデュース。彼女たちは現在も活動を続けており、20年にはデビー・スレッジによるニーナ・シモンのカバー・アルバムが発表されているようだ。⑰ラストを締めるのはメイジャー・ハリス。淡々と歌っているようで実に味わい深い。ボビー・イーライ+テリー・コリンズ作でボビーのプロデュース。

 

① Tapestry - It's Not The World That's Messed Up <キャピトル> (76)

 

② Ecstasy, Passion & Pain - I Wouldn't Give You Up <ルーレット> (74)

 

③ Jay & The Techniques - Don't Ask Me To Forget <ポリドール> (75)

 

④ Sharon Paige - New To You <ABC> (77)

 

⑤ Troy - And Tomorrow Means Another Day We're Apart <コロムビア> (72)

 

⑥ Sharon McMahan Get out of my life <コロムビア> (73)

 

⑦ Ghetto Children - I Just Gotta Find Someone To Love Me <コロムビア> (73)

 

⑧ Brown Sugar - I'm Going Through Changes Now <キャピトル> (76)

 

⑨ KEITH BARROW ---PRECIOUS <コロムビア> (76)

 

⑩ Barbara Mason - When You Look At Me <ナショナル・ジェネラル> (70)

 

⑪ Impact "I Thought You Would Like To Know" <ファンタジー> (77)

 

⑫ Moving Violation - Wild Goose Chase <アトランティック> (74)

 

⑬ DEBBIE TAYLOR - I HAVE LEARNED TO DO WITHOUT YOU <ポリドール> (73)

 

⑭ Ronnie Dyson - I Think I'll Tell Her <コロムビア> (73)

 

⑮ Little Anthony & The Imperials - Help Me Find A Way(To Say I Love You) <ユナイテッド・アーティスツ> (70)

 

⑯ Sister Sledge "Thank You For Today" <コティリオン> (76)

 

⑰ Major Harris - This Is What You Mean <WMOT> (76)

 

 

 

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.62

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[71枚目]●ザ・ニュー・ラモン・ドジャー・アルバム『ラブ&ビューティ』<インヴィクタス/Pヴァイン>(74/96)

 

 

※本文を書くに当たり、鈴木啓志さんのライナーを大いに参考にしています。

 

 

<モータウン>のライター・チームとして活躍したホーランド=ドジャー=ホーランドが、69年に<ホットワックス/インヴィクタス>を設立し、数々のソウル名盤を生み出したのは、今さら強調するまでもない。本盤の主役ラモン・ドジャーに焦点を当てると、73年74年に<ABC>より2枚アルバムを発表。その次に出されたのがこの作品である。ただし、ホーランド(ブライアンの方)=ドジャー名義の作品をコンパイルした物になる。ホーランド=ドジャーは72年~73年の間に<インヴィクタス>から6枚のシングルを発表している。つまりラモンが<ABC>作品を出す前の話。因みに63年の<モータウン>時代にもホーランド=ドジャー名義で1枚シングルを出している。ブライアンとラモンは同い年と言う事もあり(エディは2歳上)、ウマが合う部分も多いのかと。「ザ・ニュー・ラモン・ドジャー・アルバム」としているのは、そういう経緯が関係あるのかも知れないが、実質ラモンのヴォーカルが中心ではあるので、ラモン・ドジャーのアルバムと解釈されるのもやむを得ない所。いずれにしても内容は素晴らしいのでさほど拘る事でもないか。

 

 

何と言っても①が絶品である。ラモンは、声自体に微妙な"泣き"が入っているので切なさが増し、繰り返し聴きたくなる。②はややテンポが上がり、ストリングス・サウンドが彩る曲。このアルバム全体に言える事だが、曲の骨格がシッカリしているのでどんな手法で来られても乗りは保たれ、心に沁みる。更にテンポアップした③。ラモンは、ここぞという時に絞り上げると言うか、身を捩るような歌声を聴かせるが、例えばマーヴィン・ゲイみたいに突き抜けはしないので、却って曲の味付けになっているかと。④ストリングスの盛り上げが過剰にならず、裏で蠢くベース・パターンとの按配が素晴らしい。⑤痛快なノーザン・ダンサー。先に曲の骨格を云々したが、演奏陣のツボを心得たテクニックも当然含まれる。⑤のインストである⑥を聴くとその良さが浮き彫りになる。そういえば、本盤のインストの多さは、ラモンのヴォーカルが主体というより、サウンド全体に耳を傾けてほしいという意図があったと考えるのは邪推だろうか。但し解説に拠れば、シングル・ヴァージョンの方が全般的に上の段を行っているらしい。⑦もノーザンで続く。ややモータウンぽい。⑧はギターとピアノが目立つ。ピアノはたぶんブライアンかと。⑨はファンキー・タッチからサラリとめくるめく。尚、シングル盤はブライアン・ホーランドがヴォーカルを取っているとの事で探したら、よりメリハリが効いてファンキーだった。オマケとして貼っておく。

 

 

① Why Can't We Be Lovers

 

② Don't stop playing our song

 

③ If You Don't Want To Be In My Life

 

④ The picture will never change

 

⑤ Don't Leave Me

 

⑥ Don't Leave Me (Instrumental)

 

⑦ New Breed Kinda Woman

 

⑨ Slipping Away

 

●HOLLAND - DOZIER featuring BRIAN HOLLAND - Slipping away

 

 

 

 

 

 

 

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【創作】ボクのじいちゃん

Bokunoojiichan

 

『週刊ドリームライブラリ』さんの三題話に挑戦してみました。

 

お題は「生」「ウイルス」「入道雲」。

 

今日はじいちゃんとネット電話をする日だった。準備して、誰もいないけどじいちゃんの部屋が写ったのを確認して、ちょっと席を外した。戻ってきてパソコンの画面を見て驚いた。じいちゃんの顔がパソコンの画面からはみ出さんばかりに大写しになっていたんだ。
 
「やめてよ、じいちゃん!ビックリするじゃん」
「ハッハッハッ、ごめんごめん。マサオ、元気にやってたか?」
 
じいちゃんは時々こんないたずらをするんだ。
 
「元気だよー。じいちゃんも元気そうだね。あ、昼間から呑んでる!」
 
じいちゃんはお酒が好きで、生ビールのサーバーまで買っている。左手にジョッキを掴んでまずゴクゴクおいしそうに呑んだ。
 
「今日のツマミは何なの?」
「おぉ。じいちゃんが学校の先生をやってた時の生徒がな、千葉で落花生農家をやっとるんじゃ。送ってくれた。本場の落花生はうまいぞう。今度そっちにも送ってやるよ」
 
ポテトチップスの袋よりひと回り大きいビニール袋をじいちゃんは嬉しそうに振った。
 
「そっちのお皿は何なの?」
「これは婆さんが生協で買った生ハムじゃ。ほれほれ」
「それもおいしそうだね」
「うんうん」グビグビ。
 
「マサオも来年は中学生じゃのう。そろそろ生えてきたか?」
「え?」
「あ、いやいやなんでもない。今年はコロナで大変だなぁ」グビグビ。ポリポリ。
「コロナって言えば、ウイルスって生き物じゃないんだね」
「おぉ、そうらしいの。無生物って言うらしい。なんでも、生物の条件に少しだけ合わないらしい」グビグビ。パクパク。
「よくわかんないや」
「まあ、その条件だって人間が決めたんだろうから、果たしてどんなものかのう」グビグビ。「婆さーん、ビールお代わり!」
「はあい」
 
「マサオたちは夏休みはあるんか?」
「うん。短いけどね。でも、自由研究とかはあるんだよ。夏休み過ぎてもオーケーらしいけど」
「ははは。マサオは理科が苦手だからな。おーい、婆さんお代わりは?」
「はいはい」
「まったく、生返事ばかりじゃな。そういや、マサオ、この間ネットで面白いもの見つけたぞ」ばあちゃんがお待ちかねのお代わりを持ってきた。
「あ、ばあちゃん、ひさしぶり」
「マサオくん、早くこっちに遊びに来れたらいいね」
「うん、皆も会いたがってたよ」
「はいはい、ばあさん、ちょっと後にしてくれ。マサオ、入道雲って知ってるだろ?」
「積乱雲ね」
「こらこら、子供の方が正式名称で言うてどうする。生意気なやつめ、わっはっは」グビグビ。ポリパク。
「入道雲がどうしたの?」
「それが作れるらしいんじゃ。『入道雲 作り方』で検索してみ」グビグビ。
「でも、どうせ作れないよ」
「おいおい、まだ見もしない内から決めつけるなよ。いいか、マサオ、世の中色んな人間がいる。入道雲を簡単に作れるやつもいれば、どうしていいかわからないやつもいる。でも、その差を縮める事はできるんじゃ」グビグビグビグビ。パクパクポリポリ。グビッ。
「どういうこと?」
「諦めるのは簡単、努力は大変。だから皆、諦める方を選びがちじゃ。でもな、実力不足の人間も、勉強したり、やってみて失敗したり、或いは他人の助けを借りれば達成できる事もあるんじゃ」グービグビ。
「お前の友達で科学に詳しい子がおったじゃろ。わしも話しした事ある」
「あぁ、一生くんね」
「うん、相談してみるのも一つの手じゃ。それとな、わしはこの歳になって思うんだが、悔いのない人生はあり得ない。それでも悔いを無くそうとする事はできるんじゃ。それはな、毎日の生活の中で色んな問題が起きるじゃろ。それに真摯に、えーと真面目に取り組む事じゃ。わかってもいないのにわかったようなふりをする、生半可な態度が一番いかん」ポリポリ。グビグビ。
「マサオも少しは英語を知っとるじゃろ。ライフという英語があるな。あれは人生と生活と命という意味に共通している」グビッ。
「つまり、人生と生活、毎日の暮らしは一緒なんじゃ。人生を充実させようと思ったら、生活を充実させなきゃならん。毎日の出来事に自分なりに考えてしっかりと対応しなけりゃいかんのじゃ。もちろん、楽しい気分で前向きにな」
 
じいちゃんの言ってる事はわかりにくかったが、ボクの為に一生懸命なのは伝わった。
 
「あー、今日は良い感じで酔っ払ったな。はっはっはっ。マサオ、今日は終わりにしよう。またメールしてくれ。わしゃちょっと寝る」
「うん、またね」
 
じいちゃんとの会話を終えて、ボクは早速入道雲の作り方を検索してみた。
 
用意する物。ガラスのコップ、冷えた水、冷えた牛乳、ストロー、ライターもしくはロウソク……手順を読んでYouTube動画も観た。意外と簡単そうだが上手くいくかどうかちょっと自信がない。でも、なんだかとても楽しい気分だ。よしっ! まずは一生くんに電話しよう。
 
ボクはドタバタと階段を駆け下りた。そこでふと気が付いた。あ、牛乳あるかな? ボクは勢いよく台所に向かう。
 
「お母さーん、今牛乳ってある?」
 
(終わり)

 

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.61

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[70枚目]●マディ・ウォーターズ『アット・ニューポート1960』<チェス/MCA>(60/91)

 

 

※本文を書くに当たり、メアリー・キャサリン・アルディンのライナー及びオリジナル盤のジャック・トレイシーのライナーを大いに参考にしています。

 

 

私が持っているのは91年発売の日本盤で、モノラル音源のシングル等4曲がボーナス・トラックとして収録されている。因みに、今年リリースされた76年のボストンでのライブ盤に本盤がそっくり合体されている(ボーナス・トラック分はなし)。

 

 

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世界的に有名な音楽フェスティバルは数々あれど、1954年にスタートしたニューポート・ジャズ・フェスティバルは、アメリカで開催された初めての「野外音楽フェスティバル」だと言う。マディ親分が登場したのは、タイトル通り1960年の7月で、5ヶ月後にはアルバムとなってリリースされている。ブルースのライブ盤としても初めてと言われている。しかし、このステージの後フェスティバルは2年間休止の憂き目に遭う。マディ達ブルースマンが登場したのは日曜の午後。前日のレイ・チャールズのステージで飲んで騒ぐ一部の観衆が暴動化、当局の判断で、翌日の演奏は許可されたがフェスティバル中止の断が下された。ブルース部門のMCを務めた詩人のラングストン・ヒューズは、フェスティバルの終焉を覚悟し即興の詩を作成、オーティス・スパンが作曲し、本盤に「グッバイ・ニューポート・ブルース」として収録されている。

 

 

ステージの模様はTV番組で放映されており、今回YouTubeで見つけた動画もその時のものかと思う。ただ、CDと内容はだいぶ違う。さらにライナーではCD未収録の「キャットフィッシュ・ブルース(ローリン・ストーン)」がオープニングとなっているがYouTube動画は途中に入っている。さらに動画にはベティ・ジェネットとサミー・プライス、御大ジミー・ラッシング入りの「ミーン・ミストリーター~ゴーイン・トゥ・シカゴ」が入っている。ギターとフィドルは当日の出演者ブッチ・ケイジ&ウィリー・トーマスと思われる。「アイ・ガット・マイ・ブランド・オン・ユー」「ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー」「アイ・フィール・ソー・グッド」そして全員参加と言われる「グッバイ・ニューポート・ブルース」が動画には含まれていない。

 

 

ボーナス・トラックの4曲はステージの1ヶ月前に録音。「タイガー・イン・ユア・タンク」と「ミーネスト・ウーマン」が合わせシングルである。メンバーは、ボーナス・トラックも含め、ジェイムス・コットン(ハープ)、パット・ヘア(ギター)、オーティス・スパン(ピアノ)、アンドリュー・スティーブンソン(ベース)、フランシス・クレイ(ドラム)の面々。

 

 

『ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ』のリリースがステージの2年前。ブルース・ファンには知られた存在であるのは言うまでもない。しかし、ニューポートという土地柄で「ジャズ・フェスティバル」と冠されている中、ブルースの認知度、マディ・ウォーターズの認知度がどの程度のものか推測するしかないが、動画を観れば白人観衆が目立つ中、次第次第に盛り上がっていく様は、CDからでも十分伝わってくる。マディの声は張りがあり、サウンド全体の推進力は抜群だ。これから、ブルース界のボスにのし上がっていく勢いを感じる。

 

 

ボーナス・トラックのスタジオ録音は、より楽器の絡みが感じ取れ、完成度の高さはため息が出るほどだ。ジェイムス・コットンのハープなどもライブでは空気のように漂う感があるが、こちらはより味わい深い。「アイ・ガット・マイ・ブランド・オン・ユー」は、ライブでは乗りを表に出しているが、スタジオ版はテンポ緩めでよりブルース度が高い。

 

 

こぼれ話をひとつ。ジャケット写真ではセミアコギターを抱えているマディ。しかし、ステージはテレキャスターで務めた。実は撮影の段階で、ジョン・リー・フッカーのギターを借りたとの事。そっちが絵になると思ったのかな?(ウィキペディアより)。裏ジャケはテレキャス。

 

 

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Newport Jazz Festival 1960

 

 

i got my brand on you

 

 

I Got My Brand On You Bonus Track

 

 

hoochie coochie man Newport 1960

 

 

Baby, Please Don't Go

 

 

Soon Forgotten

 

 

Soon Forgotten (Mono Studio Version)

 

 

Tiger in Your Tank

 

 

Tiger in Your Tank(Bonus Track)

 

 

I Feel So Good

 

 

Got My Mojo Workin' (Newport 1960)

 

 

Got My Mojo Working, Part 2

 

 

Goodbye Newport Blues

 

 

Meanest Woman 45 RPM

 

 

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