« 2020年8月 | トップページ | 2020年10月 »

2020年9月

中古本とCDの収穫

●鶴屋デパートの古書籍即売会へ。まず目についたのは高地明さんの『ブルース決定盤』。音楽の友社<ON BOOKS>シリーズの一冊で94年発行の物。持っていたかも知れないが、100円だったし・・・。


 


51mpu6xsbnl_sx314_bo1204203200_


 


●一通り見終わる頃に見つけたのが、アンソニー・ヘイルバットの『ゴスペル・サウンド』。元値は4300円とお高めなので中々手が伸びなかった一冊。表カバーなしで一部曲がりクセがついているが、500円という超安値。読むのに支障は無いので良い買い物となった。


 


4_20200926182301


 


●気分が乗ったところで蔦屋書店へ移動し、CD2枚購入。以前保留していたアーネット・コブ『ファンキー・バット』と、ビル・ドゲット・フィーチャリング・エディ・ロックジョウ・デイヴィス&エディ・クリーンヘッド・ヴィンソン『同タイトル』という臭み溢れそうなセレクトとなった。


 


Xat1245731051


1008053881


 


 

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

久々遠出の収穫

51okznxsysl_sl160_


51c4khzochl_sl160_


 


ひさしぶりに鳥栖プレミアムアウトレットへ。コロナ収束気味の4連休でもあり、人出も多かった。香蘭社の食器などを購入。各店舗も、活性化を試みてか全体的に低価格だったような気がする。スニーカーとかも安かったが最近買ったばかりなので見送った。


 


昼食は、資さんうどん鳥栖真木店。肉うどんとかしわおにぎり。ヨメさんのぼた餅も分けてもらう。美味しかったけど食い過ぎ。


 


ゆめタウン久留米店へ。私の目的はタワーレコード。ブルース・コーナーの場所が変わり、量も減ったかな?その分ジャズが広がった感があるが、手は伸びず。結局、<ウルトラヴァイヴ>の<名盤1000円シリーズ>からジャッキー・ウィルソン『ヒストリー・オブ・ジャッキー・ウィルソン』、<ソニー>の<ギター・レジェンド・シリーズ>からマイク・ブルームフィールド『永遠のフィルモア・ウェスト』を購入。


 


 

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.64

R1058476515003921274638jpeg

 

 

[73枚目]●ポール・ゲイトン『チェス・キング・オブ・ニュー・オーリンズ』<MCA/ユニヴァーサル>(89/14)

 

 

※本文を書くに当たり、文屋章さんのライナー(94年に一度リリースされた時の筆)及び、ビリー・ヴェラさんによるオリジナル・アルバムのライナー(邦訳・坂口紀三和さん)を大いに参考にしています。尚、ビリーさんはポールの友人でもあり、アルバムに使用したシングル盤の提供者でもある。

 

 

 

54年~59年に渡り<チェッカー><アーゴ><アンナ>に録音された作品を89年に<チェス>名義でLP、<MCA>名義でCDとしてリリース。更に14年、3曲ボーナスが追加され、日本<ユニヴァーサル>のシリーズ「チェス・ベストコレクション1000」の1枚としてリリースされている。私が持っているのはそれ。私は、黒人音楽を聴き始めの頃、ルイ・ジョーダン等ジャンプ・ブルース系の音楽によく親しんでいたので、ジャンピン・サウンドは今でも大好物である。本盤の内容もその範疇にある。素晴らしいテクニックに裏打ちされた痛快至極な曲集である。

 

 

ポール・ゲイトンは、20年、ルイジアナ州ケントウッドに生まれる。両親は教会で歌い、母親はリトル・ブラザー・モンゴメリーの妹、祖父はバイオリン弾きで、ジュークボックスを置いた酒場を経営するという環境で育つ。30年代半ばにミシシッピ州ジャクソンでプロの道に進み、47年からはニュー・オーリンズに落ち着く。ニュージャージー在<デラックス>レーベルのタレント・スカウトで契約。女性シンガー、アニー・ローリー(ダイナ・ワシントンがフェイヴァリット・シンガーに上げている)をフィーチャーした「シンス・アイ・フェル・フォー・ユー」を皮切りにヒット曲を連発する。<デラックス>は、デイヴ・バーソロミューやスマイリー・ルイスとも契約し、ニュー・オーリンズ・ジャンプ・ブルースの魅力を広めたとも言えるだろう。しかし、49年には経営危機に陥り、<キング>に買い取られる。その際設立者のブラウン兄弟は別の協力者を得て<リーガル>を設立。ポール・ゲイトンに限って手放さず<リーガル>へ連れて行った。ここでも、ラリー・ダーネルをシンガーとした「フォー・ユー・マイ・ラブ」を始め、ヒット作は続く。しかし、残念な事に51年には破綻し<オーケー>へ移籍。ここでの「カウ・カウ・ブルース」が、ポールが放った最後のヒット曲となる。一方、この時代のニュー・オーリンズR&Bの代表格として名前がまず上がるデイヴ・バーソロミューは、<インペリアル>を舞台に、ファッツ・ドミノやスマイリー・ルイスらと共にヒットを量産する。ニュー・オーリンズ・サウンド全体を纏め上げたデイヴの功績は偉大だが、決してポールもそれに劣らない。本盤を通して聴けばそのサウンドの底抜けの明るさ、安定感、疾走感、リズムの粘り、絶妙な楽器同士の絡みに感心しきりである。本盤の舞台<チェス>においては、クラレンス・ヘンリー、シュガー・ボーイ・クロフォード、ボビー・チャールズらをプロデュースし、<チェス>のニュー・オーリンズ勢を世に知らしめた功績もある。

 

 

全ての曲ではないが、演奏メンバーは、ヴォーカルとピアノがポール、テナー・サックスがリー・アレン、バリトン・サックスがアルヴィン・"レッド"・タイラー、ベースがフランク・フィールド、ギターがエドガー・ブランチャード、そしてドラムがアール・パーマーという布陣だ。録音はほとんどがニュー・オーリンズにて。どの曲でどの楽器が表に出てきても、裏で支えても聴き応えあり。何度でも楽しめる。

 

 

①弾むリズムを止めた所でギターが切り込みヴォーカルが始まる。何ともカッコイイ!②少しテンポを落とし、ピアノを中心に、サックスも雰囲気を高める。③ジャンプ・ブルースの影を感じる。④タイトルは「ナーバス・ブギー」だが全く屈託が無い。リズムの刻みが心地良いドラムは、チャールズ・"ハングリー"・ウイリアムス。⑤<リーガル>時代、ラリー・ダーネル歌でヒットした「フォー・ユー・マイ・ラブ」をセルフカバー。エキゾチックに仕上げている。ドラムのリズム感、ギターのソロ・フレージング等最高!⑥臭み極まるサックスが主体のモッタリした曲調。ユーモア(ジャイヴ感)も十分。⑦正に曲自体が「ラウンド・アンド・ラウンド」している。ぐるんぐるん。⑧フルートとウクレレを使った癒しの1曲。タイトル通り、木陰でウトウトしながら自然の風に涼んでいるような。⑨まったりリズムの中、時々上がる「奇声」やギターが印象的。⑩特にピアノが楽しさを演出。⑪⑫の<アンナ>録音はやたら粘っこい。⑪のヴォーカル?はビリー・デイヴィス。⑫は⑪の低音部を増幅したような妖しさに満ちている。⑬これもサックス主体⑭女性シンガー、マートル・ジョーンズをフィーチャー。真っ直ぐな歌い方をする人で、典型的リズム&ブルース。⑮ラストはT.V.スリム名義のオマケ。リトル・リチャードにも通じそうな軽快なロックンロール・ブルースだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

① You Better Believe It <チェッカー> (56)

 

② Mother Roux <チェッカー> (56)

 

③ Down Boy (54)

 

④ Nervous Boogie <アーゴ> (57)

 

⑤ For You My Love <チェス> (57)

 

⑥ The Sweeper <アーゴ> (57)

 

⑦ THE MUSIC GOES ROUND AND ROUND <アーゴ> (56)

 

⑧ Windy <アーゴ> (57)

 

⑨ Get It <チェッカー> (54)

 

⑩ Tickle Toe <アーゴ> (57)

 

⑪ Hot Cross Buns <アンナ> (59)

 

⑫ The Hunch <アンナ> (59)

 

⑬ Driving Home Part 2 <アーゴ>

 

⑭ Right to Love You (56)

 

⑮ T. V. Slim ..... Flatfoot Sam <チェッカー> (57)

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

鷲田清一著『二枚腰のすすめ』

509853


 


●鷲田清一著『二枚腰のすすめ』<世界思想社・教養みらい選書>(20)


 


悩む人は気持ちが行き詰っている。ネガティブな思考は硬化する一方で、中々軟らかくならない。ああでもないこうでもない、あちらでもないこちらでもない、と出口へのキッカケさえつかめず堂々巡りの状態に苦しんでいる。

読者としては、気分的に叱咤激励してあげたいところだが、鷲田さんは実にしなやかに言葉をかけておられる。穏やかな筆致なのだが、悩みへの共感の思いは伝わるし、的確な指摘も読み取れる。そっと肩を抱きながらも背中を押しているような、優しさと力強さを感じる。

よく登場するアドバイスの一つに「周りに目を向けなさい」というのがある。自分の頭の中だけで解決しようとすると本来目を向けるべきものに気付かない。自分がやりたい事の何が他人の為になるのかという考えや、自分にストレスを与える存在の立場になってみるとか…考えの角度や方向を変えてみる事で、行動に移せる面はあるかも知れない。

悩みのタネの逆パターンを考えてみるというのも、相談者の目のウロコをはがす手立てになりそうだ。これがいわゆる「二枚腰」の基本的なスタイルだ。物事には二面性があり、相談事の行く末を案じ過ぎて煮詰まっている相談者に別の可能性を披露している。

ひとつの問題の原因をひとつに固定してしまっている相談者には、人生の流れには好不調のリズムがあり、「不運続き」というのは自分がそう思ってしまっているからと仰る。これもまた物事の二面性を語っている。

鷲田さんは、相談への「回答」より相談に「乗る」という姿勢で臨んだ。実は、相談する側も悩み事に「乗る」姿勢が必要ではないかと。自分はどうすべきかに頭が向かい過ぎ、実は悩み事に正対していない、悩み事を深く考察していない場合もある。自ら悩みに「乗る」事が行動に繋がるのではないかと思う。鷲田さんも、「あなたはまだ何もしていない内から悩んでいる」と指摘されている場面もあった。

さて、読んでいて他人事に思えない悩みもあれば、努力すれば案外簡単じゃないかと思うものもある。ドシッと重いものもある。これも考えてみれば私の興味の向く方向や、考察の甘さがもたらすものだろう。全ての悩みには「乗り切れてない」からだろう。

誰しも自分の人生に完璧に乗っている人はいないのではないか。少しでも自分らしく「乗る」為に我々は生きているのだろう。


 


 

にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

« 2020年8月 | トップページ | 2020年10月 »