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ジャッキー・ウィルソン

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●ジャッキー・ウィルソン『ザ・ヒストリー・オブ・ジャッキー・ウィルソン』<ブランズウィック/ウルトラヴァイヴ>(14/20)

 

※本文を書くに当たり、松尾潔さん×西寺郷太さんによる対談形式ライナー及び高橋道彦さんの曲解説を大いに参考にしています。14年に<ブランズウィック>シリーズでリリースされた盤が、20年<名盤1000円シリーズ>の一枚として出された物を所有。日本で初めて編まれたベスト盤。

 

"ミスター・ダイナマイト"の称号は伊達ではない。凄い迫力である。しかも、決めどころのみでシャウトするというより、声を出す全ての部分に圧力を感じるのだ。しかも、しなやかな力強さだ。曲によっては、ストリングス盛り盛りだったり、引っかかりの無い女性コーラスだったりする曲もあるが、ジャッキーの歌声の引力が強烈なので、一向に気にならない。③「チェイン・ギャング」の"ウッ""アッ"にしろ、やけに生々しく聴こえる。一般的に、モータウン/ノーザン調の曲が多いとされ、それは確かだが、ライナーにも書かれている通り、ジャッキーが居たから<モータウン>が誕生したという考えに沿った方が肯ける。ベリー・ゴーディーが書いた曲をジャッキーが表現する事で、ゴーディーも会得したものは有ったに違いない。少なくともノーザン系ソウルを語る上で外せない重要人物である事は間違いない。

 

飛翔的快感を覚える①、裏声のタイミングもバッチリだ。ファンク・ブラザーズの快演も特筆すべき。⑤~⑨や⑰辺りがノーザン乗りか。④はジャイヴ調のエルヴィス?⑦男性コーラスやオルガンの効果か、ゴスペルを感じる。それもそのはず、ディキシー・ハミングバーズのベース・シンガー、ジミー・ジョーンズが参加している。ジャッキーはハミングバーズのアイラ・タッカーの影響を受けているとか。"ミスター・ダイナマイト"のルーツ、ここにあったか。⑩⑪は落ち着いた曲調で多彩なシャウトが愉しめる。⑫⑬⑯辺りがポップス寄り。⑬「トライ・ア・リトル・テンダネス」もオーティス版というより、オリジナル寄り⑭⑮はリズム&ブルース的醍醐味を感じる。⑮の立ち上がりはJB的。⑱はラスト・アルバム内の一曲。迫力は抑えめだが静かなるダイナミズムで、非常に新鮮味を感じる。まだまだ、新境地へ向かっていたのではないかと思うと、切なさが増す。

 

① (Your Love Keeps Lifting Me) Higher And Higher

 

② LET'S LOVE AGAIN

 

③ Chain Gang

 

④ Reet Petite

 

⑤ That's Why (I Love You So)

 


⑥ Soul Galore

 

⑦ I Just Can't Help It

 

⑧ Whispers (Gettin' Louder)

 

⑨ Since You Showed Me How To Be Happy

 

⑩ No Pity

 

⑪ Doggin' Around

 

⑫ To Be Loved

 

⑬ Try A Little Tenderness

 

⑭ Lonely Teardrops

 

⑮ Baby Workout

 

⑯ This Love Is Real

 

⑰ I Get The Sweetest Feeling

 

⑱ It Only Happens When I Look At You

 

 

 

 

 

 

 

 

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