レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.85
[94枚目]●ミリー・ジャクソン『ヤング・マン、オールダー・ウーマン』<ジャイヴ>(91)
ミリー・ジャクソンが<ジャイヴ>に移籍して4作目にして最後のアルバム。1つ前の89年作『バック・トゥ・ザ・シ*ト!』は、強烈なジャケットも加味した有名盤。今のところ最後のチャート・イン作品である(R&Bチャート69位)。どうしても<スプリング>期に比べると<ジャイヴ>時代は分が悪いが、軽視してはもったいない。何せ、歌唱表現が素晴らしいのは変わらず。一定の成果は出ていると思う。尚、LPとCDでは曲は一緒だが曲順が異なっている。日本盤もあるがボーナス・トラックは無し。
①「ヤング・マン」役はノーウッド・ヤング。現在はフュージョン系バンドと思われるピーセズ・オブ・ア・ドリームに一時所属。現代R&B界で言えばルーサー・ヴァンドロスのような王道系シンガーだ。ソツの無い歌い方でミリーのフォローに徹している。②は比較的淡々としている。③は軽快な打ち込みサウンドでスタートするアップ曲。ハスキー・ヴォイスのシャウトが冴えている。YouTubeに無し。④は<スプリング>の2nd『イット・ハーツ・ソー・グッド』でも取り上げていたベティ・ライトの作品。切なさが滲むミッドスローだ。ベティ本人は歌っていないのだろうか?⑤も落ち着いたスロー。じわじわ盛り上がり、胸に迫るものがある。
⑥もYouTubeに出て来ず。ミリーが歌っているから聴ける類の曲。⑦トークで始まるが、これも大きな変動の無い曲。⑧大らかに展開するバラード。⑨更にダイナミックなバラードが続く。心を揺すぶられる劇場型歌唱だ。⑩パーティー・ソングではあるが、彼女が歌うと深みを感じる。
買って損はないアルバム。
<スプリング>版
⑦ When Are You Gonna Tell Your Woman (About Me)?
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