ライナーノーツを担当したデラニー&ボニー『ホーム』が2/28発売
ライナーノーツを担当したデラニー&ボニーの実質的ファースト・アルバム『ホーム』が2/28発売。リリース順では<エレクトラ>レコードから出た『The Original Delaney & Bonnie : Accept No Substitute』が最初になる。後にデレク&ザ・ドミノスを結成する“フレンズ”たちと作り上げたアルバムである。『ホーム』はそれ以前に<スタックス>で録音された一枚。<エレクトラ>盤との大きな違いは、定型的ソウル・サウンドであり、デラニー&ボニーの歌唱もソウル・デュオとして完成されている。
なぜ、発売が入れ替わったかと言うと社会状況が悪かった。ファースト・シングルの「It’s Been A Long Time Coming」がリリースされたのは、キング牧師が暗殺された1ヶ月後だった。人種の対立が激しかったタイミングで、デラニー&ボニーが当初黒人男女デュオかと思われていたのが、白人であるとばれると黒人向けのラジオ局が一切オンエアしなくなった。<スタックス>も腰が引けてアルバムの発売を一時保留にしたわけである。
“問題”となった最初のシングル盤。アル・ジャクソンJr.の叩き出すビートを中心とした熱々のサウンドに負けじとデラニー&ボニーも共に熱唱で応える。
これもデュオならではの迫力を満喫できる。終盤の、相互にシャウトする局面は特に気分が上がる。
ウィリアム・ベルの持ち歌。デラニーの渋いヴォーカルを演奏陣が雰囲気たっぷりに支える。
ジャニス・ジョプリンの劇唱が有名だが、オリジナルはアーマ・フランクリン。ボニーもアーマに寄せて緩急の妙を生かしている。ボニー流シャウトで締めるところは締める。
今回の<オールデイズ>盤のボーナス・トラック。シングルでは(1)のB面である。エディー・フロイドの曲(オリジナルは I Just… )。ゆったりとしたペースで気持ちが温かくなる。
いろいろと確執のあったデラニー&ボニーだが、このアルバムにおいては息がピッタリ合い、極上のソウル・アルバムを完成させている。
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