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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.107 (1)

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[116枚目]●ジュニア・ウェルズ『ユニヴァーサル・ロック』<Pヴァイン>(90)

 

※本文を書くに当たり、高地明さんのライナーノーツを大いに参考にしています。

 

バディ・ガイとの名コンビによる「Messin' With The Kid」などのファンキーなブルースでよく知られるジュニア・ウェルズ。本盤は、57年~63年の<チーフ><プロフィール><エイジ><USA>作品となる。パーソネルにはバディ・ガイの名前は無い(ジュニアの発言ではバディ参加の曲もあるとの事)。53年のデビュー・シングルから3枚をリリースした<ステイツ>に次ぐ作品となる。<チーフ><プロフィール><エイジ>の設立はメル・ロンドン。<USA>はポール・グラスが設立し<チェス>の向かい側にあったと言う。

 

ジュニア・ウェルズの、この時代までの経歴を書いておく。34年メンフィス生まれで、リトル・ジュニア・パーカーに憧れてハーモニカを手にし、10代になるとシカゴに移住した。50年代初頭に、デイヴ・マイヤーズ、ルイス・マイヤーズ、フレッド・ビロウのエイシズと活動を共にする。52年にはリトル・ウォルターの後任としてマディ・ウォーターズのバンドにも所属し、両方の活動をこなしていた。ヒット曲としては<プロフィール>時代の(5)「Little By Little」がR&Bチャートの23位に達したぐらいである(60年)。ちなみに(13)「Messin' With The Kid」<チーフ>も60年のリリースだがチャートには顔を出していない。

 

本盤は、80年に<Pヴァイン>がリリースしたLP『メッシン・ウィズ・ザ・ブルース』に追加した形になっている。尚、本盤と重なる曲は、LPの曲順に即して書くと(6)(5)(15)(25)(18)(16)(13)(8)(7)(20)(14)(23)だが、本盤では(23)(24)は同じタイトルのテイク3とテイク4になっているがLPはテイク記述無し。尚、当LPは翌年<フライライト>から同内容で出ている。

 

本アルバムは全25曲(内2曲は前述の通りテイク違い)なので今回のレビューは3回に分けて書いていく。収録場所は全てシカゴで、今回は57年~60年の分8曲をご紹介する。

 

(1)~(4)が57年の収録分。演奏陣はシル・ジョンソン(ギター)、デイヴ・マイヤーズ(ベース)、ウィリー・ディクソン(ベース)、ユージン・ラウンジ(ドラムス)。(1)(2)がシングルの表裏だが、(2)は61年に(14)と合わせて、また64年には<チーフ>から(6)と一緒にシングル化されている。(3)(4)はDiscogsでは58年<チーフ>盤でリリース(番号7008)されているが、CDに付いているディスコグラフィー(87年出版のマイク・レッドビターとニール・スレイヴンの『Blues Records 1943-1970』を参照したもの)には同番号盤は無く59年の<プロフィール>盤で記載されている。尚(4)は(18)と一緒に61年<チーフ>盤で、また曲名を「Cut My Toe Nail」と変えて、(5)を「I'm Losing You」と変え66年<ブライト・スター>からリリースしている。尚、同レーベルは<アトランティック>の配給。

 

(5)~(8)の演奏陣は、アール・フッカー(ギター)、ラファイエット・リーク(ピアノ)、デイヴ・マイヤーズ(ベース)、ウィリー・ディクソン(ベース)、ユージン・ラウンジ(ドラムス)。58年~60年の収録とされている。(5)(6)が60年発<プロフィール>盤。(5)は前段の最後に書いた通り<ブライト・スター>盤でも出ている。(6)は前段の2行目に書いた通り。(7)(8)は60年<プロフィール>盤。ジュニア・ウェルズは(7)(8)はフッカーではなくバディ・ガイがギターだと発言している。

 

1. Junior Wells – Two-Headed Woman

 

ギターとベースが印象的なリフを響かせる中、男っぽいヴォーカルを聴かせてくれる。解説に書かれている通り「Mojo Workin'」的でもある。レコード盤の作者表記はルシャス・ウィーヴァーだが、曲名でカバー曲と作者を検索するサイト『Second Hand Songs』ではウィリー・ディクソンとの共作になっている。また、Discogsではデイヴ・マイヤーズがシルと並んでギター担当となっている(次の曲も)。

 

2. Junior Wells - Lovey Dovey Lovey One

 

メル・ロンドン作。「Lovey Dovey」で「ラブラブな」という言い回しだそう。確かにスキップでもしているような曲調。ボブ・コリトアーなどがカバーしている。

 

3. Junior Wells - I Could Cry

 

正統シカゴ・ブルース。バックも安定しているが、ジュニアのヴォーカルの上手さも味わえる。オーティス・ラッシュやマジック・サム同様モダンな感覚も確かにある。ジュニア・ウェルズの作品。

 

4. Junior Wells - Cha Cha Cha In Blue

 

ダンサブルな曲調だが、ハーモニカはクールだ。ジュニアとウィリー・ディクソンの共作。

 

5. Junior Wells - Little By Little

 

メル・ロンドン作。ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ、ジミー・ジョンソン、ジョー・ルイス・ウォーカー、スーザン・テデスキ、グレッグ・オールマンなど 多くのカバー曲を生んでいる。ハープは吹いていないが、アール・フッカーの流れるようなギターが聴きどころとなっている。デュエットはウィリー・ディクソン。

 

6. Junior Wells - Come On In The House

 

力感のあるスローバラード。マジック・サムに似合いそうだ。ジュニア・ウェルズ作。

 

7. Junior Wells - You Don't Care

 

メル・ロンドン作。 ライナーノーツにある通り「Little By Little」を意識しているか。ウォーキン・ベースが頭に残る勢いのある曲。

 

8. Junior Wells - Prison Bars All Around Me

 

<ステイツ>時代の「So All Alone」が基本にあるらしい。深みのあるブルースである。ジュニア・ウェルズ作。

 

次回は(9)~(16)の予定。

 

 

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