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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.106

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[115枚目]●オハイオ・プレイヤーズ『モア・ファンキー・ソウル・パーティ』<キャニオン・インターナショナル>(88)

 

※本文を書くに当たり、鈴木啓志さんのライナーノーツを大いに参考にしています。

 

<ポニー・キャニオン>系のレーベルから出された「コレクターズ・チョイス2000」シリーズの1枚。Discogsによれば当シリーズは本盤を含めて4枚しか出ていない。ここでのメンバーは、クラレンス・サッチェル(サックス、トランペット、ギター)、ダッチ・ロビンソン(ヴォーカル)、グレゴリー・アレン・ウェブスター(ドラムス)、リロイ・“シュガーフット”・ボナー(ギター、ヴォーカル)、マーシャル・ジョーンズ(ベース、ステージではターバン姿)、ラルフ・“ピー・ウィー”・ミドルブルックス(トランペット、トロンボーン)の6名。尚、担当楽器は本盤で必ずしも演奏しているとは限らない。また、オハイオ・プレイヤーズの前身であるオハイオ・アンタッチャブルズに所属していたのは、クラレンス、マーシャル、ラルフの3人となる。鈴木さんによれば<トリップ>盤から加えられているのがダッチとDiscogsには名前のないボビー・フィアーズなる人物(ヴォーカルで、ザ・ピップスのメンバーだったとも言われている)。他にトロンボーンのマーヴィン・ピアーズとトランペットのブルース・ナピアーも加わっているとされている。鈴木さんの聴き分けによれば、ヴォーカルはリロイ、ダッチ、ボビーの3名の他、オハイオ・アンタッチャブルズのメンバーだったジョー・ハリス(後のアンディスピューティッド・トゥルースを結成)が加わっていると考えられるそうだ。各曲のヴォーカル担当をライナーノーツに記載されているが、各曲紹介の部分に記載する。尚、未発表とされている(16)(17)の2曲は、ヴォーカル・演奏ともオハイオ・プレイヤーズらしくない、別グループではないかと述べられているが、とりあえずそのまま入れておくとの事である。

 

オハイオ・プレイヤーズのいわゆる「代表作」は、70年代の<ウェストバウンド><マーキュリー>に集中しているが、本盤はそれ以前の<タンジェリン><コンパス><キャピトル>期を編集したものである。<コンパス>のハウスバンド時代にオハイオ・プレイヤーズと名を変えたようである。尚、Discogsによれば<タンジェリン>から出ているシングル盤の曲は本盤には含まれていない。鈴木さんのライナーによると72年に<トリップ>からリリースされているコンピ盤『First Impressions』から<キャピトル>以外は選出されているそうでそこには<タンジェリン>のシングル2曲は収録されている(「A Thing Called Love」「Neighbors」)。<キャピトル>期は69年のアルバム『Observations In Time』に収録されている曲である。まとめておくと(1)(2)(3)(4)(5)(6)(15)が<キャピトル>以前、(3)(4)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)が<キャピトル>期となる。(3)(4)はどちらでもリリースされているとの事だ。

 

 

1. The Ohio Players - Trespassin'

 

ヴォーカル・演奏とも一体となりグルーヴを作り上げている。(6)と一緒にシングル化。R&Bチャートの50位以内に入っている。ヴォーカルはダッチあるいはボビー。

 

2. The Ohio Players - It's A Crying Shame

 

高揚を生むベースラインにキレの良いホーンセクションが鮮やかだ。本盤には入っていない「I've Got To Hold On」と共にシングル化。ヴォーカルはダッチ及びリロイ。

 

3. The Ohio Players - Over The Rainbow

 

スタンダード曲を情感たっぷりに歌い上げる。(4)と共にシングル化。ヴォーカルはダッチ。

 

4. The Ohio Players - Find Someone To Love

 

ベースとギターが作る基本パターンにドラムが絡み永遠に続くようなグルーヴだ。

 

5. The Ohio Players - A Little Soul Party

 

60年代ソウルの焼き直しのような 情熱ほとばしる一曲。ヴォーカルはリロイ。

 

6. The Ohio Players - You Don't Mean It

 

激しいパーカッションで始まるなど勢いのある曲だが、なぜかここのヴォーカル(リロイ)は優しすぎる。

 

7. The Ohio Players - Here Today And Gone Tomorrow

 

(11)と共にシングル化。ソウルフルなヴォーカルはダッチ。

 

8. The Ohio Players - Mother-In-Law

 

アーニー・ケイ・ドゥのオリジナルと同じ曲とは思えない低音を響かせたディープなファンク。ヴォーカルはダッチ及びジョー。 

 

9. The Ohio Players - Stop Lying to Yourself

 

ヴォーカルはジョー。ファンクというよりジャンピン・ソウルと呼びたい。<ウェストバウンド>や<マーキュリー>時代のクールさとはまた違うアーシーさがこの時代はより見受けられる気がする。時代の違いもあるだろうが。

 

10. The Ohio Players – Cold Cold World

 

ヴォーカルはリロイ。 ジョニー・テイラーが歌いそうなブルーズン・ソウル。

 

11. The Ohio Players - Bad Bargain

 

これもまた60年代ソウルのムードに満ちている。ヴォーカルはダッチ及びジョー。 

 

12. The Ohio Players - The Man That I Am

 

ヴォーカルはダッチ。以下(14)までダッチ。汗がほとばしるような熱量のあるソウル。ピアノとベースがバランスを保っている感じ。

 

13. The Ohio Players - Street Party

 

(12)同様スピード感を味わえる曲。 

 

14. The Ohio Players - Lonely Street

 

愁いのある曲を丁寧に歌っている。

 

15. The Ohio Players - Tell Me Why

 

ヴォーカルはリロイ。ホーンセクションも含め、バンドの一体感を駆使し突進する爽快なナンバーだ。

 

16. The Ohio Players - Bad High

 

バックビートが生きているクールなファンク。 

 

17. The Ohio Players - You To Me Are Everything

 

(16)もそうだが、鈴木さんのコメントのように感覚的には他の曲と違和感がある。ライナーノーツで触れられているように、他の曲に比べスッキリしている印象。元曲はイギリスのソウル・グループ、リアル・シングが76年にリリースしたもので、アメリカでもR&Bチャートの28位に入っている。

 

アルバム全体において、ファンキー・タッチというより熱き60年代ソウル(もちろん共通する部分は多々ある)のフィーリングを強く感じた。この時代のオハイオ・プレイヤーズに触れるのも興趣深いものがある。各メンバーのその後はあまり拾えなかったが、ダッチ・ロビンソンは<ウェストバウンド>に移る際グループを脱退してソロ・デビュー、後にはプロデューサーとして活躍し、2013年にR&B殿堂入りを果たしている。リロイは晩年までシュガーフッツ・オハイオ・プレイヤーズ名義でライブ活動を続けていたが、ダッチの殿堂入りと同じ2013年に69歳で亡くなっている。

 

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