[116枚目]●ジュニア・ウェルズ『ユニヴァーサル・ロック』<Pヴァイン>(90)
♪ 第1回
♪ 第2回
※本文を書くに当たり、高地明さんのライナーノーツを大いに参考にしています。
3回に分けてご紹介してきた、ジュニア・ウェルズの、57年~63年の間に録音された<チーフ><プロフィール><USA>作品をまとめた<Pヴァイン>盤も今回で終わりとなる。最後は、61年~63年の<チーフ><USA>のものとなる。
(17)~(20)のメンバーは、第1回で紹介した(9)(10)と第2回で取り上げた(13)~(16)と同一メンバー(ここまでは60年録音)である。61年~62年の録音となっている。改めて書いておくと、サックスがドナルド・ハンキンスとジャレット・ギブソン、ピアノとオルガンがビッグ・ムース・ウォーカー、ギターがアール・フッカー、ベースはジャック・マイヤーズ、ドラムスがフレッド・ビロウである。
上記は<チーフ>だが、(21)~(25)は<USA>作品となる。尚(23)(24)は同一曲のテイク3とテイク4となっていて、音源を検索してもテイク別には拾い上げられなかった。メンバーは、ジャレット・ギブソン(テナーサックス)、ビリー・“ザ・キッド”・エマーソン(オルガン)、ラファイエット・リーク(ピアノ)、レイシー・ギブソン(ギター)、ジャック・マイヤーズ(ベース)、ギル・デイ(ドラムス)。
17. Junior Wells - Love Me
ベースとピアノがユニークなパターンで気分を高める中、ジュニアの雄々しい歌声が響く。曲の作者はジュニア・ウェルズ+メル・ロンドン。(15)「So Tired」のB面となる。
18. Junior Wells - It Hurts Me Too
エルモア・ジェイムズの曲として有名だが、同タイトルではタンパ・レッドのヴァージョンがその前に存在する。さらに「Sitting On Top Of The World」(ウォルター・ヴィンソン)とも近似性が指摘されている。この辺りは“共有財産”としてのブルース曲の姿が見えてくる。エルモア盤は彼の名前が作者としてクレジットされているが、録音時メル・ロンドンが歌詞を加えており、ジュニア盤はメル・ロンドンが作者となっている。 66年にはコンピレーション盤の『Chicago/The Blues/Today!』のVol.1や、バディ・ガイを従えた80年のアルバム『Pleading The Blues』でも取り上げている。後者のクレジットではタンパ・レッドが作者となっている。本盤のテイクは、エルモアに負けじとジュニアのヴォーカルが迫力満点。ピアノも力強い。ギターは個性的なフレーズを弾いている。シングルは(4)「Cha Cha Cha In Blue」の片面となる。
19. Junior Wells - I Need Me A Car
「Car」を吐き出すように歌うのがアクセントになっている。「車が欲しい」という日常生活を思わせる、ややコミカルな曲だ。作者はメル・ロンドン。(20)と共にシングル化。
20. Junior Wells - I Could Cry
<プロフィール>盤(3)の別ヴァージョンとなる。(3)よりモダンな感じ。緊張感がたまらない純シカゴ・ブルースだ。
21. Junior Wells - I'll Get You Too
(22)と一緒にシングル化。ウィリー・ディクソンと、ここでオルガンを弾いているビリー・エマーソンが<チェス>にて59年に発表している。尚(22)も2人の作品である。歌い出しは何となくオーティス・ラッシュ風。リズム&ブルース調の弾んだ曲だ。
22. Junior Wells - One Day (Every Goodbye Ain't Gone)
この曲もリズム&ブルースとして聴ける。ジュニアのヴォーカルもさほどディープではない。<チーフ>にも作品があるG.L.クロケットが65年に<4ブラザーズ>から「Every Good-Bye Ain't Gone」としてリリースしている。ここでの作曲者は<4ブラザーズ>の社主でもあるプロデューサー&ソングライターのジャック・ダニエルズ名義となっている。
23. 24. Junior Wells - When The Cat's Gone The Mice Play
「Messin' With The Kid」の名残りが強い曲。ウィリー・ディクソン+メル・ロンドン作。(23)はスタートで何度かやり直す場面も収録されている。どたらのテイクもハーモニカソロがたっぷり味わえる。(25)と一緒にシングル化。
25. Junior Wells - She's A Sweet One
ウィリー・ディクソン作。オーティス・ラッシュの「She's A Good 'Un」がベースになっている。ラッシュに負けず劣らずスタイリッシュに決まっている。
ジュニア・ウェルズは、この後65年<デルマーク>からリリースされた『Hoodoo Man Blues』でその地位を確固たるものにした。バディ・ガイを相棒に快進撃を続ける、その前夜として本盤にパックした作品群が存在するわけだ。しかし、その存在感は<デルマーク>以後と何ら変わりない。むしろ、ギターが主にアール・フッカーという事で違ったサウンドで楽しめるのはメリットである。そして、ハーモニカプレイだけでなく、ヴォーカルの濃さと迫力には改めて恐れ入った。








にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村



最近のコメント