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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.108 (1)

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[117枚目] ● G.C.キャメロン『エンタイスト・エクスタシー』<ディスク・ユニオン>(09)

 

※本文を書くに当たり、林剛さんのライナーノーツを大いに参考にしています。

 

オリジナル盤は、G.C.自身のレーベル<オールド・スクール・レコーズ>からやはり09年に出ている。収録曲も、インプレッションズの「People Get Ready」以外は彼自身で作っている。G.C.の本盤に対する力の入れようが推測できる。尚、プロデュースは、自身と親友のバスター・マルベリーの2人で取り組んでいる。バスターは80年代後半から知られるドラマーで、アレサ・フランクリンやワイナンズのアルバムに関わっている。G.C.が参加する前のテンプテーションズ『Awesome』(01)で演奏やプロデュースも行っている。

 

G.C.の経歴を振り返ってみる。1945年ミシシッピ州マッコールクリーク生まれ。本名はジョージ・カーティス・キャメロン。10歳の頃デトロイトに移り、フィリップ・ウィンやデニス・エドワーズと親密になる。63年に海兵隊入りしてベトナム戦争に従軍、67年帰還。デニス・エドワーズ(当時はコントゥアーズに所属)のアドバイスでスピナーズのオーディション(ハーヴェイ・フークアやマーヴィン・ゲイも臨席)を受けてグループ入りした。また、その前には、シンシナティでブーツィーとキャットフィッシュのコリンズ兄弟を含むペースセッターズというバンドに所属していたらしい。

 

71年にスピナーズは<モータウン>を離れるが、G.C.はソロシンガーとして残った。<モータウン>では、シリータとのデュエット・アルバムを含め、77年までに4枚のアルバムを残した。その後<マラコ>などでアルバムを出した後、2000年に、脳卒中に罹ったジョン・エドワーズの代わりに再度スピナーズ入りした。しかし、03年にスピナーズを退き今度はテンプテーションズに加入した(07年まで)。その後、08年にはレゲエ・バンドのダブ・ネイションのアルバム制作を行ったり、フィリー・サウンドを取り上げた番組でスピナーズの曲を歌ったりもした。また、この年日本で行われたデニス・エドワーズが率いるテンプテーションズ(裏テンプス)のライブにも体調不良のアリ・オリ・ウッドソンの代役で参加している。また、G.C.のインタビューで一時的にジャクソン・サザネアーズでリードを取ったという発言があるが、詳細は調べきれなかった。ただ、若い頃からサザネアーズのフランク・ウィリアムズとは知己だったようだ。

 

そして、09年発の本盤にたどり着くわけである。テンプス在籍中から録音を始めていたとの事で、ソロアルバムへの想いが強かったのだろう。バリトン~テナー~ファルセットと使いこなし「6つの声を持つ男」と言われたG.C.を、いろんなグループが目を付けるのも判るが、彼としては自分の歌世界をじっくり作り上げたかったのだろう。

 

全15曲中、4曲は09年に『I Can Give You Love』というアルバムを出したシリアス(Sirieux)というコーラスグループに提供されている(曲名を微妙に変えている)。当グループはバスター・マルベリーが全面的にバックアップしている。その4曲とは(1)(2)(3)(7)である。

 

今回は、文章が長くなったので6曲だけご紹介とする。

 

1. Running Back For More

 

タイトでファンキーなサウンドの中、しゃがれ声のバリトン・ヴォイスでスタートし、途中からソフトなテナーやファルセットを漂わせる。

 

2. Give You Love I Can

 

アーバン・テイストな心地良いミッドテンポの曲。 ここでも声の表情がスムーズに変わる。

 

3. Hearts On Fire

 

主にファルセット使いだが、ファルセットひとつ取っても変化をつけて聴き飽きさせない。その上、たまにザラザラした声が入るのがまた魅力的である。

 

4. Please You Baby

 

ベース・ラインが支えつつも、マーヴィン・ゲイを思わせるような儚げなサウンドに合わせたヴォーカルだが、ひたすらブラックネスに満ちている。

 

5. Enticed Ecstasy

 

ロナルド・アイズレーを思わせるメロウなファルセットが光る。フュージョン風ギターが隠し味。 

 

6. So Close To You

 

これもAOR的な歌い口でロナルド・アイズレーを連想させる。

 

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