レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.113 (3)
[122枚目] ● R.Kelly 『Chocolate Factory』<Jive>(03)
最後になる今回は(11)~(17)をお送りする。今回分の関係ミュージシャンは、ミックス・エンジニアのトニー・マセラティが(11)(12)、キーボードのロドニー・イーストが(11)(12)(15)~(17)、オーケストラ・アレンジと指揮のポール・ライザーが(13)、ロナルド・アイズリーが(15)、ビッグ・ティガーが(16)、ファット・ジョーが(17)となっている。
永遠の愛を謳っているが、微かな翳りも感じてしまう。ロマンチックに受け取れないのは余計な意識が働くからだろうか。度々入るコーラスが涼風のようだ。
パーカッションがフィーチャーされているが、あまり派手ではなくサウンドの基盤となってマーヴィン・ゲイ的グルーヴの完成につなげている。
13. Step In the Name of Love - Remix
全体的に明るいムードが漂い、多幸感さえ感じる。メロウなダンスビートというよりヤングアダルト向きなサウンド。終盤はソウルフルなヴォーカルを聴かせる。
水滴のようなSEなどを効果的に使ったヒップホップ系バラードでスタートするが、ギターソロを境にロック的サウンド中心となり烈しさを増していく。
ロナルドは、歌手というよりほとんど役者として“出演”しているドラマ仕立ての曲。
アラブやインドの音楽からレゲエまで取り入れて、ワールド・ミュージック感覚もある曲。当時は、ティンバランドあたりもインド的なサウンドを使っていたそうだ。(17)もそうだが、正統派のR&Bから目先が変わって受け入れられたのかも知れない。
こちらはレゲエ感覚が濃い。当時はレゲエ・シーンでもインド映画(ボリウッド)のダンス音楽風のサウンドをボリウッド・リディムと呼び流行したそうだ。ティンバランドやボリウッド・リディムについてはAIから得た知識であり、私自身は正確に把握していない。
アルバム全体を総括すると、「メロウなダンス・ミュージック」といった路線に落ち着きそうだ。それがR.ケリーらしさであり、本盤でも彼らしさは発揮されている。語りも交じる甘い歌声、リズムに乗ったラップ、さらにはゴスペル的なシャウトがダンス・サウンドを崩すことなく盛り上げる。考えれば考えるほど惜しい人材であった。
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