イントロダクション

このブログは、旧いブルースから現代のR&Bまで広く愛する男のブログです。1957年生まれ、熊本在住です。以下の言葉等をキーワードにしています。

●変わりゆく変わらぬもの by リロイ・ジョーンズ ●曲を聴くより人を聴く ●問題はツールじゃない、その使い方だ by マイルス・デイヴィス ●世の中には歌の上手い歌手と、歌い方の巧い歌手がいる by 阿久悠 ●世の中に真理はない。あるのは無数の解釈だけ by ニーチェ 

●表記の取決め・・・アルバム・書名は『』、シングルは「」、レーベル・出版社は<>、発表年は()で囲みます。

●所属SNS・・・Facebook , Twitter , mixi  , 読書メーター ,  本が好き! , 週刊ドリームライブラリ ,  ブクログ

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.57

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●[66枚目]V.A.『ソウルド・トゥギャザー』<アバウト・タイム/Pヴァイン>(91)

 

① BABY LET ME TURN YOU ON - WILLIE CLATON

② BE MY GIRL - JHARRIS

③ COME BACK TO ME - CHARLES

④ LET ME LOVE YOU TONITE - JIMMY NICHOLAS

⑤ IT MUST BE LOVE - FRANK ALSTIN

⑥ GIRL I WANNA SHARE MY WORLD - FRANK ALSTIN

⑦ CHAPTER 11 - JIMMY NICHOLAS

⑧ LOVE STORM - ME, HIM & HER

⑨ HOW LONG DOES IT TAKE - ME, HIM & HER

⑩ DREAM COME TRUE - JHARRIS

⑪ THIS IS MY DREAM - BARBARA MORRISON

⑫ DONE BEEN - KENNY PIERCE 

 

※本文を書くに当たり、高沢仁さんのライナーを大いに参考にしています。

 

ソウル・ミュージックは果たして消滅しているのだろうか?形態としてのソウルはR&Bと名前を変えたかも知れない。しかし、その「良心」は引き継がれている。本盤は、時代的には現代R&Bだろうが、感覚的にはやや手前。しかし、70年代のソウル・ミュージックとはやはり違う。しかし、違うと言って否定するものではない。ブルースもそうだが、ブラック・ミュージックは「良心」のリレー。曲内に息づく「良心」に我々は感銘するのだ。

 

本盤の原点は、イギリスの<アバウト・タイム>。主宰者のマイク・ワードが関連レーベルも含め、セレクトした一品だ。同名のイギリス盤とPヴァイン盤では曲名が違うが、Pヴァインによる編集ではないようだ。マイクが<アバウト・タイム>の前に主宰していたのは<タイムレス>。ソウル・ファンにはこちらの方が馴染みがあるかと。本盤の冒頭で登場するウィリー・クレイトンのデビュー作『フォーエヴァー』(これもPヴァイン経由で話題となった)を生んでいる。トミー・テイト盤などもよく知られている。<アバウト・タイム>はコンピレーションが多いようで、単独ではロニー・マクネア盤などがリストにあった。マイク・ワードの他の仕事では南部に根付く<ジュアナ>や<ウェイロ>がある。

 

残念な事に本盤全体のデータがネットで拾えず、ライナー頼りの文となる。1曲目は前述したウィリー・クレイトン。ソフトな歌い口ながら渋み・深みがあぶり出しのように現れる。②⑩はジャーリス。本名ジョニー・ハリス。Discogsに拠れば本盤2曲のシングルと他曲を含めた12inchしか記録は無い。②ではせつなげな歌い方だが芯がある。⑩は雄大に歌い込む③はチャールズ。本名チャールズ・E・ダグラスⅢ。ライナーには独<TRP>からアルバムが出ると。調べたら92年に『グランド・ケイマン・ナイツ』がリリースされている。それを見て判ったがグローバー・ワシントンJrが本曲に参加しているようだ。個人的には低音域のモッチャリ声が気になるが苦にはならない。④⑦がジミー・ニコラス。彼もDiscogsで調べた所、12inch2枚のデータしかない。音域の幅の広さを感じる。コクのある中音部からよく伸びる高音部までお見事。⑦のほうがよりダイナミック。

 

⑤⑥のフランク・アルスティン。彼も、<アバウト・タイム>以外には英<ムーヴ>に12inchがある程度。ライナーで述べられているように、テディ・ペンダーグラス系。テディよりはテンダーな歌唱だ。⑤はかなりの人気曲のようだ。12inchはYouTubeに上がっておらず、シングル・ヴァージョンを貼り付けておく。⑧⑨は、「ザ・バンド」並みに意表を突いたユニット名のミー、ヒム&ハー。⑧では、めくるめく高音にハードタッチのシンガーが上手く絡む。ウェインとテリーのアーノルド兄弟と、マイケル・モリスというスタジオ・ミュージシャンのグループ。バック・ミュージシャンとして活躍しており、ウェインはジャクソンズ『ヴィクトリー』内の1曲を創っている。⑨はニュージャック・スイング風。⑪のバーバラ・モリソンは、今年の誕生日がくれば71歳。現在もジャズ歌手として活動を続けている。70年代後半から10年ほどはジョニー・オーティス・オーケストラに参加していたとの事。何とも言えない爽快感がある。ラストのスロー・ファンクはケニー・ピアース。ボビー・ブランド『カム・フライ・ウィズ・ミー』内の「ラブ・トゥ・シー・ユー・スマイル」の作者でもある。ちょっと女性シンガーに聴こえる瞬間もある。コーラスの女性連も可愛らしい。

 

Baby Let Me Turn You On - Willie Clayton

 

JHARRIS : BE MY GIRL

 

Charles - Come Back To Me

 

Jimmy Nicholas - Let Me Love You Tonite

 

Frank Alstin - It Must Be Love 45's

 

Me, Him & Her - Love Storm

 

Kenny Pierce ‎– Done Been

 

 

 

 

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ヒトのオスは飼わないの?

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●米原万理著『ヒトのオスは飼わないの?』<文春文庫>(05/初版01)


 


タイトルと言い、南伸坊さんの表紙イラストと言い、軽妙でユーモラスなエッセイ集を連想する。確かにそうなのだが、稀代の名文筆家はそれで終わらない。深い感情移入と洞察力、思考力、表現力で読む者の手を止めさせない。



ペットとして飼われる犬や猫は、どのようにして飼い主や人間に馴染むのか。自分の居場所だと確信したらどういう風に態度が変わるのか。他の犬猫から教わる事でどのように成長していくのか。新しいペットが登場したらどのような思いを抱き、行動するのか。


時に可愛らしく、時に哀感をにじませ、時に感心させる。愛情がしかと通じたり、逆に動物たちの思惑に沿えなかったり、硬い言い方をすれば動物行動学のテキストとも言える。


ハラハラドキドキの展開、悲しい展開、ちょっとミステリアスな展開もあり、またしても米原節に時を忘れた。彼女の作品に親しめば親しむほど、彼女がこの世に居ない淋しさが募る。


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アナーバー・ブルース・フェステイバル1969

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『BSR』誌2019年12月号(通算150号)。エルモア・ジェイムズ特集の他に、19年にリリースされた『アナーバー・ブルース・フェスティバル1969』<サード・マン/BSMF> にまつわるストーリーも紹介されていた。兄ジョンと共にフェスティバルの実現に向け奔走したジム・フィッシェルの談話を、息子パーカーが文章化したもの。

 

資金集めから、ブルースマンへの連絡方法の入手、そしてライブ会場へ足繁く通い自分たちの目や耳で判断もした出演者たち。レジェンドから活躍中のブルースマン、そして未来を担うであろうブルースマンと多岐にわたる24名を選んだ。フェスティバル当日の熱演の様子から、寛ぐブルースマン達の素顔まで伝わり、当時の観客を羨むばかり。大トリのサン・ハウス登場のシーンなど鳥肌ものだ。

 

2枚組LPを2セットと、2枚組CD1セットで<サード・タイム>から、日本盤も<BSMF>経由で出ている。そういえば、アナーバーって以前はアン・アーバーって言ってたな。

 

Ann Arbor Blues Festival 1969, Vol. 1

 

Ann Arbor Blues Festival 1969, Vol. 2

 

 

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.56

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[65枚目]●ボビー・ラッシュ『アイ・エイント・スタッディン・ユー』<アージェント!/イチバン>(91)

 

78年の初アルバムから昨年発表の一枚まで、常に一定のレベルを保持しているボビー・ラッシュ御大の91年作。<ラジャム>から<イチバン>に移っての第一作である。打ち込み主体のリズムキープにシンセ系のサウンドという、私が苦手とするパターン。ボビー・ラッシュお得意の乗りの良さは生かされているが、いなたさはやや弱いと言わざるを得ない。

 

①「アイ・エイント・スタッディン・ユー」は、インディーズ・ソウル(最近の言い方ではサザン・ソウル=ブルース)的。⑥「ユー・メイク・ミー・フィール・ソー・グッド」も同様のタイプ。②「ユー、ユー、ユー(ノウ・ホワット・トゥ・ドゥ)」⑦「マネー・ハニー」は、音への言葉の乗せ方が良い。②では、アルバム内唯一のハーププレイを少し。③「ハンド・ジャイヴ」もアップテンポだが、ロックっぽい。あまり詳しくないが、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとかMTV華やかなりし頃のロックサウンドに近くないだろうか。④「ブルース・シンガー」は、これだけ取り上げると薄味だが、アルバムの流れで聴くとクールダウン効果を醸している。私のようなタイプからすると⑤「サンキュー(フォー・ホワット・ユー・ダン)」が一番はまる。涼やかなピアノが印象的。ピアノと言えば、ラストの「タイム・トゥ・ヒット・ザ・ロード・アゲイン」でも活躍。あえて言うなら、この曲が最も原初的ブルースに近いかも。

 

I Ain't Studdin' You

 

You,You,You(Know What You Done)

 

Hand Jive

 

Blues Singer

 

Thank You (For What You Done)

 

Time To Hit The Road Again

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.55

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[64枚目]●ニュー・バース『ラブ・ポーション』<ワーナー>(76)

 

※本文を書くに当たり、鈴木啓志さんのライナーを大いに参考にしています。

 

ニュー・バースと言えば、77年の『ビホールド・ザ・マイティ・アーミー』が有名。本盤は、その一年前<ワーナー>移籍後の初アルバムとなる。私が持っているのは、14年"1000R&Bベスト・コレクション"シリーズの1枚。彼らのアルバム・デビューは、70年<RCAヴィクター>の『ザ・ニュー・バース』。編集盤を除くと本作は通算9枚目となる。因みにシングルは69年が初。アルバムとしては82年までリリースしている。ケンタッキー州ルイヴィル~デトロイトが活動拠点。ライナーによれば、結成にはハーヴィ・フークアとフィリップ・ミッチェルが関与。更に、ウィキペディアやdiscogsには、フークアと同じ元<モータウン>のヴァーノン・ブロックとメンバーのトニー・チャーチルも設立時の主な人物として名前が上げられている。

 

ライナーでも強調されているように、テナーのレズリー・ウィルソン(兄)とファルセットのメルヴィン・ウィルソン(弟)、紅一点のロンディ・ウィギンスのヴォーカル力が素晴らしく、併せて、演奏だけでなくコーラスワークも大したものである。グループの変遷をかいつまむと、ヴォーカル3人が所属していたナイト・ライターズから、ウィルソン兄弟は、アン・ボーガンとのトリオ、ラブ、ピース&ハピネスを経由してのニュー・バース結成となる。解散後の動きとしては、レズリーは87年に12インチを発表しているようだ。メルヴィンはギタリストとしての仕事が多かったようで、ロンディもゲスト・ヴォーカルとしてちらほらという感じだ。しかし、あれこれ調べてみると79年には、ロンディの代わりに別の女性シンガーが加わるものの、82年にカムバック。ただ、その後の動きは判らない。さらに、どの辺からか不明だが、レズリーとメルヴィンを中心に(正に新生)ニュー・バースが誕生。04年に『ライフタイム』なるアルバムをリリースしている。活動は現在も続いているようで、HPによると今年のツアーの告知もなされている。HPには女性シンガーも写っているのだが、それがロンディかどうかまでは判らず。『ライフタイム』のクレジットにはロンディの名前は無い。

 

アルバムの内容。レズリーの歌声は少年の様にも聴こえ、独特のメリスマ唱法とここぞと言う時の切迫感が魅力。メルヴィンのファルセットはよく抑制が効いていて、曲の流れに入る時など心地よい。これはサウンド創りの上手さでもあるのだろうけど。ロンディは、レズリーの影響か?コロコロこぶしが回る。キュートなハイトーンで、メルヴィンとスッと入れ替わる所などごく自然でソウルフルだ。1曲目の「フォーリン・イン・ラブ」からレズリーの世界全開。アルバム全体に言えるが現代R&Bに直結するような感覚もある。レズリーの歌い方自体現代的に思える。断言はできないが、サンプリング使用も結構あるのではないか。聴かせる歌は2曲目も続く。「ウィー・アー・オール・ゴッズ・チルドレン」。コーラスがゴスペルクワイヤー的でもある。「アイ・ネヴァー・フェルト・ジス・ウェイ・ビフォー」や「スロー・ドライヴィング」はミディアム~スローのファンクで、さりげないグルーヴ感覚に溢れている。「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」は原曲のイメージに囚われるせいか、当初は大仰な歌い方にさえ聴こえたが、慣れればレズリーの丁寧な歌い込みに引き込まれる。ラストの「シュア・シング」は、前述したが、ロンディとメルヴィンの絶妙な繋ぎに聴き惚れる。コーラスも温かい。

 

Fallin' in Love

 

We Are All God's Children

 

I Never Felt This Way Before

 

Hurry Hurry

 

Slow Driving

 

The Long And Winding Road

 

Sure Thing

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.54

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[63枚目]●ウィリー・ディクソン『アイ・アム・ザ・ブルース』<ソニー/コロムビア/レガシー>(69/93)

 

シカゴ・ブルースの立役者の一人、ウィリー・ディクソンのセルフ・カバー盤。私が持っているリイシューCDは、<ルーツン・ブルース・シリーズ>の<コンテンポラリー・ブルース・マスターズ>の一枚。マディ物が3曲、ウルフが4曲、オーティス・ラッシュ1曲、ジョニー・リヴァース1曲の構成である。いくら自分の作品とは言え、迫力が売り物のマディやウルフ、情念の人オーティス・ラッシュなど、「圧が強いブルースマン」が最終的に完成させ多くのブルース・ファンに膾炙している曲群である。難しい取り組みのようにも思えるが、杞憂である事をアッサリと証明している。曲が主体というより、ウィリー・ディクソンというブルースマンの魅力が生かされている一枚となっている。優れたコンポーザーでプロデューサーでもあるウィリーは、自分自身も見事にプロデュースしているのだ。バンドは「シカゴ・オールスターズ」。長年の相棒、ピアノのメンフィス・スリムの他、ギターがジョニー・シャインズ、ハープがウォルター・"シェイキー"・ホートン、ドラムがクリフトン・ジェイムス。ベースの他、ヴォーカルもウィリーだ。

 

ウィリー・ディクソンは、1915年、ミシシッピ州ヴィックスバーグ(ジャクソンから真西に65㎞)生まれ。37年、プロボクサーとしてイリノイ州のチャンピオンに輝いたのを機にシカゴ暮らしの身となる。ミュージシャンに転向し、ザ・ビッグ・スリー・トリオを結成(最初のシングルはロゼッタ・ハワードの伴奏で47年)。51年のトリオ解散後に<チェス>レコードで働き、54年「フーチー・クーチー・マン」のヒットで名を上げる。56年には<コブラ>最初のシングル「アイ・キャント・クイット・ユー・ベイビー」をヒットさせている。ミュージシャンとしては、本盤以前のアルバムは、58年から<ヴァーヴ><フォークウェイズ>などから、メンフィス・スリムやピート・シーガーとの録音がある。本盤以後にもアルバムは編集盤も含め、積極的にリリースされている。84年にはブルース界全体の振興を目指し、<ブルース・ヘヴン・ファウンデーション >を設立。92年に亡くなるが、93年には遺族が<チェス>レコードの建物を買い取り、同ファウンデーションの本部としている。

 

ウルフの「バック・ドア・マン」でスタート。ウルフほどの浪花節声ではないが、ナチュラルな塩辛声はそこそこの迫力がある。盤全体に言えるが、ジョニー・シャインズのギターは、ゆったりめのスライド中心。ビッグ・ウォルターのハープも漂うような味わいを醸す事が多い。サウンドを締めているのはタイトなドラムと、ウィリー本人のベース、それにメンフィス・スリムのピアノのクッキリとした連弾も際立っている。ピアノのフィーチャー度が高いと、粋な感じの演出にも繋がるのではないだろうか。ザ・ビッグ・スリー・トリオのリズム&ブルース/ジャンプ・ブルース感覚を想起もする。「アイ・キャント・クイット・ユー・ベイビー」も本家のようなディープさより、バンドトータルとしてのサウンドの心地良さが味となっている。「ザ・セヴンス・サン」「アイ・エイント・スーパースティシャス」(本家よりテンポアップ)と乗りの良い曲では、特にそういったバンドサウンドが充実した盛り上がりを見せ、思わず拍子を取ってしまう。もちろん「スプーンフル」「ユー・シュック・ミー」「ザ・リトル・レッド・ルースター」「ザ・セイム・シング」のようなミディアム~スロー・テンポでもサウンドは冴えている。「アイム・ユア・フーチー・クーチー・マン」は、マディの暑苦しさから離れ、快適なブルースに仕上げている。

 

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Back door man

 

I can't quit you, baby

 

The Seventh Son

 

Spoonful

 

I Ain't Superstitious

 

You Shook Me

 

I'm Your Hoochie Coochie Man

 

The Little Red Rooster

 

The Same Thing

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.53

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[62枚目]●ブルー・マジック/メイジャー・ハリス/マージー・ジョセフ『ライブ!』<アトランティック/コレクタブルズ>(76/06)

 

オリジナルは<アトランティック>だが、正確には傘下レーベルの<WMOT>が制作している(LPはWMOT名義)。<WMOT>(We Men Of Talentの略)は、73年フィラデルフィアでアラン・ルーベンスとスティーブ・バーンスタインによって設立。ブルー・マジックの代表作「サイドショウ」を含む1stや、メイジャー・ハリス「ラブ・ウォント(Won't)・レット・ミー・ウェイト」(名作『マイ・ウェイ』所収)などが代表的な作品としてWikipediaには上げられている。他には、バーバラ・メイソン、インパクト、ファット・ラリーズ・バンド、ヘヴン・アンド・アースなどを手掛けて84年まで続いている。尚、スティーブは85年<オムニ>レーベルを立ち上げている。

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ライブが収録されたのは75年。ニュージャージー州チェリー・ヒルにある『ラテン・カジノ』というナイトクラブ。名前からしてゴージャスな場所のようだ。ただ調べてみると残念な事に78年に閉鎖されている。ミックス編集はシグマ・サウンド・スタジオ。プロデュースはノーマン・ハリスとなっている。

 

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参加歌手全員によるオージェイズの「アイ・ラブ・ミュージック」でスタート。続いてマージー・ジョセフが3曲披露。日本のハイ・ファイ・セットでも有名な「フィーリングス」、ポール・マッカートニー作品の「マイ・ラブ」、そして「ライディン・ハイ」。後2曲は74年のアルバム『スウィート・サレンダー』に収録されている。"ミシシッピのアレサ"と呼ばれる(本人的には嫌じゃないかと思うが)実力十分なマージーだが、選曲のせいもあり、ソウル・フィーリングを感じにくい。また、アルバム全体に言える事だが、オーケストラが迫力あり過ぎて、歌を堪能する寄り添い方ではないなとちょっと思う。

 

しかし、マージーがメイジャー・ハリスを呼び、「ユア・スペシャル・パート・オブ・ミー」(ダイアナ・ロス&マーヴィン・ゲイ)をデュエットすると、途端にソウル濃度が増す。ライブの1年前に『マイ・ウェイ』を発表しているメイジャー、会場の反応も良い。ナイトクラブというと、整然とした拍手のイメージだが、時折歓声や指笛も聞かれ、ある程度の盛り上がりも感じ取れる。1曲目はライブと同年にシングル発売された(76年『ジェラシー』所収)「アイ・ガット・オーバー・ラブ」。続く2曲は『マイ・ウェイ』に入っている「ラヴィング・ユー・イズ・メロウ」「ラヴ・ウォント・レット・ミー・ウエイト」である。マージーとのデュエットの後にメイジャーを盛り立てている女性シンガーは、ヴァレリー・ブラウンとウィラ・ピータース。ヴァレリーはおそらく、フィラデルフィアのファンク系グループ、ピープルズ・チョイスのメンバー。但し、71~73年の在籍だそうで、彼らのアルバムデビューは75年からのようなので、音盤に声を残しているのは本盤だけかも知れない。ウィラ・ピータースもdiscogsで調べても本盤しか出てこない。

 

本ライブに於けるメイン・アクトはブルー・マジックで、ディスク1の終盤からディスク2丸々彼らのパフォーマンスとなる。メドレーで終わり、メドレーで始まっている。ディスク1は乗りの良い曲が並ぶ。重なる声から突き抜ける、テッド・ミルズのファルセットが特に素晴らしい。「豪快なファルセット」という表現を許してもらえるなら、正にここでのテッドだ。一方ディスク2でのメドレーは、バラード系で攻めてくる。75年時点で3作出しているブルー・マジックだが本ライブ曲は、1stと3rdからセレクトされている。メドレー以外の曲も含めて自分たち以外の作品は、最初のメドレー内の「ユア・マイ・ファースト、マイ・ラスト、マイ・エブリシング」がバリー・ホワイト作品。次のメドレー内の「トライ・トゥー・リメンバー」がトム・ジョーンズらの作曲でブラザーズ・フォーやキングストン・トリオが取り上げている。他、6曲目の「バッド・ラック」がマクファーデン&ホワイトヘッド作のハロルド・メルヴィン&ブルーノーツの曲。マージー・ジョセフとのコラボで取り上げている「アイム・ゴナ・メイク・ユー・ラブ・ミー」はマデリーン・ベルの<フィリップス>作品のようだ。ラストの「ファニー・ガイ、ファニー・ガール、ファニー・ラブ」は調べきれなかった。この最後の2曲は、歓声も拍手も聞こえず、どうも不思議だが、ドラミングの感じは一致していると思う。マージーとのコラボで言えば、5曲目の「ホワッツ・カム・オーヴァー・ミー」が特に素晴らしい。マージーに被るテッドのファルセットは、絶品中の絶品である。各曲、快適に飛ばすブルー・マジックだが、やはり「サイド・ショウ」の始まりと終わりは特に熱狂的だ。演奏的にどうのこうのという事も書いたが、結局フィリー・ソウルの粋が味わえるアルバムではある。

 

Margie Joseph My Love

 

Major Harris and Margie Joseph You're a Special Part of Me

 

Major Harris I Got over Love

 

Major Harris Love Won't Let Me Wait

 

Blue Magic Medley: Spell / You're My First, My Last, My Everything & We're on the Right Track

 

Blue Magic Chasing Rainbows

 

Blue Magic Sideshow

 

Blue Magic and Margie Joseph What's Come over Me

 

Blue Magic and Margie Joseph I'm Gonna Make You Love Me

 

 

 

 

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『BSR』誌151号(2月号)モータウン特集

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モータウンのレコードガイドを61年から67年と区切ったのは、モータウン・サウンドのエキスを抽出した形になっているかと。以前から好きなマーヴェレッツやヴァンデラスのアルバムも、改めて整理がついた。


中河伸俊さんの『Food For Real Life』拡大版は、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの「アイ・セカンド・ザット・エモーション」。タイトルの思わぬ成り立ち、「セカンド」の意味合い等とても面白かった。スモーキーの他の作品にも触れられて、彼の作詞のセンスが窺えた。



『語りたい逸品』中田亮さんご紹介の、話題のJBライブ盤、小出斉さんご紹介のピードモント・ブルース集、ともに面白そう。


佐々木秀俊さん+高橋誠さん『ゴスペル・トレイン』で取り上げられた、初耳のユタ・スミス。何と背中に大きな白い翼を付け、初めてエレキ・ギターを使用したという説教師。興味が尽きない。


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ICHIさんの『チタリン・サーキット最前線』。T.J.フッカー・テイラーとの「ブルース」に関する対話から、自らの経験と合わせて紡がれる、ブルースの変遷や、ビジネスとしての音楽活動への思いがよく伝わった。


付録CDは個人的にはそうでもない。せいぜい、アイケッツ。


 


Rev Utah Smith - Two wings


 


The Ikettes I'm So Thankful


 


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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.52

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[61枚目]●ミリー・ジャクソン『コート・アップ』<スプリング>(74)

 

寅さん映画の名場面のひとつに、甥の満男が「人は何の為に生きてるの?」という質問をし、寅さんが応える場面がある。正確な記憶ではないが「生きてる内に何度か幸せだなあと感じる瞬間があるだろ、その為に生きてるんじゃないの」という感じの返事だった。このやり取りを転用して、ソウル・ファンは何故ソウル・ミュージックに感動するかを考えてみた。グルーヴに乗って聴いている内にゾクッとする瞬間がある、それを味わいたいが為に聴いている・・・と思うのだ。豪快なシャウト、声の裏返り、ギターの切り込み、ドラムのフィル・インetc...。楽曲自体の魅力も勿論あるのだが、一瞬の美しさ、コクが何よりの魅力ではないだろうか。ソウルに限った魅力ではないかも知れないが、少なくとも私はそういう部分が何とも言えず好きだ。

 

妙な前文を書いたが、ミリー姐さんの本盤を聴いて益々その感を強くした。組曲形式で、曲同士が繋がっているのも一因かも知れない。わあこれこれ、これが堪らない!という瞬間の集積のようなアルバムなのだ。ソウル・ミュージックかくあるべし、ソウルらしいソウル・アルバムだ。

 

ミリー・ジャクソンは、70年<MGM>でシングル1枚リリースした後、72年、関連の<スプリング>から初アルバムを発表。そこからは稀代のソウル・シンガー、エンターテイナーとして歩み続ける。本盤は<ワーナー>発のサントラを挟み5枚目のアルバムとなる。私が持っているのは04年に『ミリー・ジャクソン』『イット・ハーツ・ソー・グッド』『フィーリン・ビッチ』と合わせいずれもボーナス・トラック込みで再発された一枚である。英文ライナーの為、正確には読めないが、ミリーに惚れ込んだブラッド・シャピロが、彼女の魅力を生かせる音創りを念頭に彼女と共にプロデュースしている。演奏はスワンパーズが担い、鉄壁である。

 

冒頭は、ルーサー・イングラムの「イフ・ラヴィング・イズ・ユー・ロング」という超有名曲。素人考えではやりにくいんじゃないかと思ったりするが、ミリーが、固定されたイメージに引きずられるわけがない。淡々と歌っているようでも力強い。その為聴く者に力感が蓄積され、ここぞという時のシャウトで開放される。正にゾクッとする瞬間だ。間に「ザ・ラップ」という曲を挟み2部構成の形ではあるが、前述した通り、自然に繋がっている。「曲順」という発想が言い当ててないが便宜上の4曲目「オール・アイ・ウォント・イズ・ア・ファイティング・チャンス」はファンキーな立ち上がりから、ミリーの呼びかけに応える別の女性とのやり取りが特に印象的だ。次は一転落ち着いた曲調の「アイム・タイアード・オブ・ハイディング」(フィリップ・ミッチェル作)。「イフ・ラヴィング・ユー~」の感覚も。ストリングスやピアノが美しい。

 

LPならB面1曲目となる「イッツ・オール・オーバー・シャウティング」は再びファンキーに攻める。ホーン陣のキレやタイミングもお見事。そしてまたゆったりペース。これもフィリップ・ミッチェル作「ソー・イージー・ゴーイング・ソー・ハード・カミング・バック」。ファンキー一辺倒ではないミリーの哀切感が沁みる。続くボビー・ウォーマック作品の「アイム・スルー・トライング・トゥー・プルーヴ・マイ・ラブ・トゥー・ユー」は、LPではラス前となり大団円への導入部にも思える。そして「サマー(ザ・ファースト・タイム)」で静かに盛り上がり本編は終了。

 

ボーナス・トラックは"オルタネイト・ライブ・ヴォーカル"と題された3曲。"ライブ"と言ってもライブ演奏ではなく「デモ・テイク」のような感じ。まず「アイム・タイアード~」と「アイム・スルー~」だが、一聴十分リリースできるレベルと思ったが、本編を聴き返すと、より繊細で魂が込められていると感じる。ミリーの歌手としてのレベルの高さを知る所となる。

 

「フィール・ライク・メイキング・ラブ」は、76年作「フリー・アンド・イン・ラブ」内の1曲。これも公式に出ている方が迫力があるような。最後は同じ「フリー・アンド~」に収録の「ア・ハウス・フォー・セール」のカラオケ?これはスワンパーズの演奏力の素晴らしさを伝えているような物。インストとは言えかなりの聴き応えあり。

 

ミリー・ジャクソンは、過激なジャケットや猥談だらけのライブなどの印象から、ビッチの代表格に上げられる。しかし、切々としたバラードではつつましい女性らしさを感じる面もある。自分を生かす道も心得ている人だし、曲を創るというより、ソウル・フィーリングを生み出すクリエイターである。そして何より聴く者に力や幸福感をもたらす。さらに、飾り気がなく等身大で歌いかけたり語りかけたりしてくれる。グレイトなソウル・シスター、ソウル・マザーである。

 

(If Loving You Is Wrong) I Don't Want to Be Right~The Rap

 

"All I Want Is A Fighting Chance"

 

I'm Tired Of Hiding

 

It's All Over But the Shouting

 

So Easy Going, So Hard Coming Back

 

I'm Through Trying to Prove My Love to You

 

SUMMER (THE FIRST TIME)

 

 

 

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黒人差別とアメリカ公民権運動

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●ジェームス・М・バーダマン著『黒人差別とアメリカ公民権運動』<集英社新書>(07)

https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html…

黒人音楽を趣味とする私は、黒人文化や人種差別問題等に関しても気にはなっている。ジム・クロウ法、ローザ・パークス、バス・ボイコット、NAACP、キング牧師、KKK、アーカンソー州リトルロック、シット・イン、フリーダム・ライド、ジェイムズ・メレディス、ウィー・シャル・オーヴァーカム、アラバマ州バーミングハム、教会爆破、ケネディー大統領暗殺、長く暑い夏、ワシントン大行進、ミシシッピ・バーニング、マルコムX、アラバマ州セルマ・・・などなど知識としては捉えていた。


しかし、本書を読んで、各事柄の把握が不十分なのを痛感した。もちろん一読して完璧に把握できたとは言い難いが、丁寧に描かれている事でより深く理解できたのは事実だ。「名もなき人々の戦いの記録」と副題にあるように、大局的な、歴史的政治的流れを背景にしながらも、一般の社会人や学生の言動を主体に描かれている為リアリティーを感じたのも一因だろう。

さらに、各事案のあらましは、学術的考察というよりストーリーテリングの感触で語られる。その為映画のような衝撃を伴う。闘争というより戦争であり、悪役の底意地の悪さは、フィクションでは逆にやり過ぎと言われそうな非情さを生み出している。

これらが実際に起きた事であると改めて気づくと、怖ろしさとやるせなさに包まれる。人種差別についてはある程度改善されてはいるものの、日本でも話題になっているヘイト問題などを合わせて考えると人間の醜い部分を見せつけられ、逆に、光明が見える箇所では人間の果てしなき勇敢さも感じる。

 

 

 

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