biwa duo

琵琶デュオ・アゲイン

琵琶デュオさん達のライブを観たのは5年ぶりだ。5年間の違いは私なりに感じたのだが、考える内にそれは私の視点が変わった事もあるのかなと思えた。以前は琵琶の音色の玄妙さが耳から離れず、思いのスタート地点がそこだった。今回は両者の手の動きが見える席だったこともあり、撥の動きの激しさがまず印象に残った。ギターのストロークとは違う打楽器的な使い方なのかなと素人目には映ったし、さらに弦を擦ったりベンドさせたり(たぶん厳密に言うとそんな簡単な奏法ではないんだろうけど)といった細かいテクニックがプラスされた事による音の広がりが感じ取れた。しかも二人でやられるとアンサンブルとか優しい言葉は不似合で、格闘に近い迫力を感じた。しかも、語りや唄の部分に入ると、潮が引くような場面転換を見せ強弱の差が妙味だった。

ゴスペル、ジャズ、歌謡曲の要素を取り入れたと書くのは簡単だし、実際に組み込んでいかれたんだろうが、曲になったものを聴くと組み込んだのではなく、滲み出てきたというのが正解に思えるほど何の違和感もない。言葉の使い方がおかしいかも知れないがこれも「変わりゆく変わらぬもの...」ではないだろうか。

長篇の「雨夜の皇子」は二人の琵琶弾きの交流の場面で、これは琵琶デュオ誕生の起源の話のようにも思えた。意識されておられたんでしょうか。この作品もさまざまな要素が違和感なく並存している。

琵琶デュオさん達との再会に5年の間があったのも、運命というと大げさだが感じ取り方の微妙な違いを意識できる期間だったのかも知れない。最近気になっていた「土着」というキーワードも今回のライブでヒントを得た。さて、今度はいつお会いできるだろうか。いずれにしても、この次も新鮮な驚きが得られるだろうという確信がある。

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うたえやうたえ

Bi

●琵琶デュオ『琵琶デュオ』<江戸前>(13)

http://www.biwa-mizushimayuiko.com/cd%E8%B3%BC%E5%85%A5/

琵琶演奏家の後藤幸浩さんと水島結子さんのユニット。流派が違い、使われる琵琶も異なる。各々の特長がどう活かされているのか分析するのも面白いだろうが、私にはとても無理。また、琵琶演奏の歴史的背景や、演目に関する知識が有れば、本盤をより適切に“批評”する事は可能であるが、知識に拘るより前に、お二人の“意気”を感じ取り、創られた世界に浸った方が楽しさを満喫できる。

倍音効果による拡がりと、独特の“揺らぎ”を持つ琵琶の音色に、語り、歌、台詞が入れ替わり立ち替わり絡むと“和のグルーヴ”と名付けたくなるダイナミズムを生む。

“和のグルーヴ”とは、日本人に伝わりやすいグルーヴという意味で考えてみた。それは、七五調であったり、掛け声や合いの手のタイミングだったり、昔の日本語が持つリズムだったりする。日本の伝統芸能だから当たり前でしょという意見もあるだろう。確かに一理有り。ただ、琵琶デュオに関して言えば、現代の感覚がフィーチャーされた結果の“和のグルーヴ”だと思料する。だから現代人に伝わるのでは?・・・古典的な伝統芸能を知らない身としては、ここまでしか推測出来ない。

以下、各曲(演目?)毎の感想。

「信徳丸」は、継母に呪いをかけられ盲目となるが、愛の力で救われる話。ライナーを読めば筋は理解できる。しかし、いきなり、演奏・語りを聴き始めても、大方伝わる。あら筋が解るというより、物語の悲しさ、恐ろしさ、喜び、無常感が十分感じ取れるのだ。

間に「予告編」を挟み、大きく二段(2トラック)に分けてある。各々のクライマックスはやはり強く惹き付けられる。

前段の呪いの場面や、後段の、乙姫が愛しい信徳丸を探し回ったり、彼女の為に別れようとする信徳丸を、半ば強引に連れて行く場面等、琵琶の共演、語りや台詞のやり取りで、心がざわめく。

「信徳丸」以外の曲(演目?)は、ミキシングも含め「遊び」の部分を多くしたとの事。琵琶語り・演奏の伝統的な魅力を十分活用した上での革新だ。変わりゆく変わらぬもの。和のグルーヴ。

「うたえやうたえ」は、汎アジア的にも聴こえるし、「風流」を歌にしたようなイメージも湧く。ここで言う「うたえ」とは、詩情を抱けという意味ではなかろうか。

「うた」は歌とも詩とも書く。①「語り」と②「うた」はかなり近い位置にある。③文章(書き言葉)は、それから距離をおく。極端な話、文字がなくても①②は成り立つのだ。音楽や芸能の本質的ライブ性にも想いは至る。「語り」「うた」だからこそ、技巧以前のプリミティブな詩情が映える。幽玄的な琵琶の音も、詩情を掻き立てる一要素だ。

技巧の前に詩情あり。だから、ド素人にも伝わるのだ。もちろん、演奏家側から考えれば、詩情溢れるテクニシャンでなければ、通用しないだろう。

「平家蟹」や「月の舟」にも強い詩情を感じる。聴いていて、うたを愛でている自分を感じる。「五木の子守唄」は、よりフォークロア的で、しかもフリー・フォームだ。寝た子も起きる興奮度。

本盤の適切なレビューとはならなかったが、個人的に和のグルーヴや詩情について想いを巡らすキッカケを頂いた。

日本人なら誰しも、何かを感じるアルバムなのは確かだ。

♪"うたえやうたえ"

http://www.youtube.com/watch?v=gRVC4JYrVP0

♪"五木の子守唄"

http://www.youtube.com/watch?v=adVGlC27KxM

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ライブらしいライブ

昨日、琵琶演奏のライブを聴く。「古来の薩摩琵琶」と「鶴田流の薩摩琵琶」の2種類。古来薩摩は後藤幸浩さん、鶴田流は水島結子さんが演奏者。古来薩摩は自然に音を鳴らしても音がベンディングされてる感じで、説明されてた通りシタールの音に近い。このナチュラル・ベンディングの心地好さは、音譜の枠を超えるので、ブルースファン等は受け入れやすい音だ。

後藤さんが主導権を握っていたからかも知れないが、水島さんの鶴田流は、三味線に近い感覚で食い込んでくる。水島さんの声・語りも含め、小気味よい演奏だ。若い女性ならではのタイトさが真っ正直に出てる感じ。逆に、もし、水島さんが古来薩摩を弾かれたら蓮っ葉な色気みたいなのが出るんじゃないかと勝手に妄想。

後藤さんの「語り」の力強さに、薩摩琵琶の「あはれ」な音が重なり、さらに水島さんの締まった音色が絡むと、音楽・芸能が感情表現だと言う事がヒシヒシと伝わる。哀しみ・怒り・恨み・可笑し味といった感情が混ざり合って伝わってくる。この辺りもブルースや他の民族音楽と共通する感覚かなと思う。ブルースは録音された時点でブルースで無くなっているという人もいた。ブルースは人前で歌い、演奏されるのが真の姿という考え。ライブ性の高さの由縁だ。琵琶演奏・琵琶語りも、ライブこそ相応しい形なのかも知れない。

今回は、後半にもうひとつ楽器が加わった。アボリジニの楽器でディジリー。ユーカリの木が原材だ。棒高飛びが出来そうに長いホルン状のもの。音によって長さは違うそうだが、今回のは最も長い形。重低音を醸し出す。これを呼吸だけで演奏する。吹きようによってはヒューマン・ビートボックスのように聴こえる時もある。循環的に吹かれると、スペイシーな感覚さえ覚える。科学的な宇宙と、一人の人間の内的宇宙の繋がりにまで妄想が及ぶ。プリミティブな楽器ならではの素晴らしい部分だと思う。人間の呼吸が宇宙にまで至るのだ。

日本の楽器、オーストラリアの楽器という区別は全くナンセンス。演奏者3人の感情を交感するのに国籍は無関係。ディジリーの参加で琵琶演奏は激しさを増す部分もあるが、「もののあはれ」感覚は消されない。それぞれの魅力が存分に表現され、他の楽器や語りと混じり合う事で、新しい音空間が現れる。

ライブの素晴らしさは色々あるが、観客と同時進行である事と、音響の拡がり方とその受け止め方かと思う。CDはこちらの主観で聴いてしまう事が多いが、ライブは演者と観客が息を合わせるような部分もある。その点でも、今回のライブは素晴らしかった。

http://www.tanibito.com/goto.htm

http://www.biwa-mizushimayuiko.com/

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%B5%E7%90%B6

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B8%...

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