セルフ暑中見舞いとなったアマゾンの収穫(1)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3976632
ベテランらしい懐の深さと安定感に脱帽。熟成された歌声とは彼のような歌手への賛辞だろう。
例えば、トニ・トニ・トニの「シンキン・アバウト・ユー」をカバーしているが、オールド・モードが漂いつつも斬新で若々しい感覚に満たされているオリジナルに比べ、メロウな大人の歌という様相。トニーズが刺身なら、カールは山葵の効いた寿司のようなもの。しかし、グルーヴは息づいており、何とも言えない幸福感に包まれてゆく。トニ・トニ・トニの連中も、納得・感動のカバーではないだろうか?
他曲に耳を傾けると、冒頭はアーニー・アイズレーばりの粘つくギターが登場。カールは存在感を持って絡む。それも大上段ではなく自然と心に沁みる。
ファンキー・チューンもソツなくこなす。アイズリーズとボビー・ウォーマックを足して2で割ったような曲も。ウィリー・ハッチの「アイ・チューズ・ユー」(愛しのメアリー・Jがサンプリングしていた)も抑制が効いている。
声自体は渋い塩辛声なのだが、ハードシャウトやディープなブルース感覚に徹するというより、時に軽みさえ感じる粋なオヤジである。もちろん深みは湛えている。
考えてみれば、カールは昔からディープながらも弾力的な歌手だった。ソウル贔屓にもブルース贔屓にも通用する魅力があった。
たとえ時代は変わっても、自分の立ち位置を崩さず、しかも古臭くならないシンガーだ。いや、立ち位置が変わらないから古臭くならないのかな?
♪"Hell On My Hands"
http://www.youtube.com/watch?v=EV59UFJaeDM
※ところで、"Hell On My Hands"とは何かの言い回しでしょうか?ご存知の方教えて下さいませ。
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