レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.67
[76枚目]●V.A.『ロスト・ソウル・ダイナマイト・ヴォリューム・ワン』<タイタニック>(13)
CD-R商品。discogsで検索しても出て来ず、ディスクユニオンのサイトに紹介されていた。私も確かディスクユニオンで購入したと思う。やや音質が"浮いている"感じもするが、内容的にはまあまあ愉しめる。全て調べきれていないが、判る範囲で61年~72年の録音。60年代ソウルのコンピと言ってほぼ差し支えない。
①は、サム・クックの曲に「シェイク・ア・テイル・フェザー」を足したような軽快なアーリー・ソウル。実際、ジョージ・フリーマンは、サムの数多い"後継者"の一人とライナーに記載してある。②③は落ち着いたバラード。②のアート・グレイソンは、後に作曲家、プロデューサー、レーベル・オーナーとなる。ブルース系ギターと女性コーラスも効果的。③は微かに南部臭。④は少々気合い入り過ぎの感。⑤はアラン・トゥーサン曲。ニューオーリンズ・タッチが和む。⑥インプレッションズ風。ジミー・チャーチは、<ヴィヴィッド>からも出たウィリアム・ベル関連の<ピーチトゥリー>レーベルのコンピにも収録されている。本曲は<サウンドステージ7>作。⑦軽快なファンク。女性コーラスの絡みも楽し。終盤のオルガンも聴き応えあり。ビリー・マックは盲目のピアニストと紹介されているので、オルガンも彼のプレイか。⑧ゴスペル的展開。声の強弱が効いているので、迫力がしかと伝わる。
⑨ノーザン志向のリズムの刻みが印象的。⑩コクのある塩辛声による泣きのバラード。バックにパラゴンズ。⑪名前のごとくちょっとシャイな歌い方だが、キュートな声で丁寧ではある。ストリングスの展開と女性コーラスも耳に残る。⑫1曲目に登場のサム・クックフォロワーがここでも快唱。ソロモン・バークが歌っても似合いそうな曲。プロデューサーが、ベテランのルネ・ホールと記載してあり、サムのアレンジャーを務めたルネと思われる。⑬切々としたバラードだが、やや音が間延びしている感も。バトンルージュのバンド。⑭ストリングス舞う中、力感ある歌声が響く。⑮テンプスを連想するが、コーラスは粗い。⑯ゆったりめのファンク。ギターも活躍。
⑰サザン系。歌声に厚みや深みが足りないが雰囲気は悪くない。フォーク・シンガー、ジョシュ・ホワイトの娘。⑱ベン・E・キング「ヤング・ボーイ・ブルース」のガール版。原曲はドク・ポーマス(トーマス名義)+フィル・スペクターの作でプロデュースはヒューイ・P・モー。ベン・Eに比べれば、アッサリした印象。フェイド・アウトも唐突。⑲ぬるめのノーザン。⑳少々面白い女性コーラスが入るアーリー・ソウル・モード。ジーン・アリソンの兄弟。㉑ロックを感じる。あのブルースマンとは違うアール・ゲインズ。㉒甘茶系。トニー・オーウェンスは<グレイプヴァイン>にCDあり。㉓やや甘茶。ブルックリンのグループ。㉔タイトル通り、やや大仰に展開する。たまたま現代R&B歌手と同じ名前だが、これも関係なし。
① George Freeman – You Guessed it (63)
② Art Grayson - Be Ever Mine (66)
③ Matt Brown – A Man Without A Woman
④ Alfreda Brockington- Crushing Me (70)
⑥ Jimmy Church – You've Got Me (In The Palm Of Your Hands) (67)
⑦ Billy Mack – I Am A Son Of A Lover
⑨ Paul Martin - I've Got A New Love
⑩ Tommy Collins – Oh What I'd Give (67)
⑪ Jean Shy – I'll Belong To You (72)
⑫ George Freeman – Stop Now (There's Still Time) (70)
⑬ "Lil" Willie And The Rockin' Imperials – I'm The One (70)
⑭ Tommy Knight - There's No Pain (61)
⑮ C. Alexander And The Natural 3 – Pay Them No Mind (69)
⑯ Tyrone Harris – Ain't That Fun
⑱ Ramona Jones – Young Girl Blues (70)
⑲ Billy Frazier – Temptation (It's So Hard To Fight) (67)
⑳ Levert Allison – Can You Handle It (67)
㉑ Earl Gains – It's Worth Anything (66)
㉒ Tony Owens – Confessin' A Feeling (69)
㉓ King Davis House Rockers - We All Mistakes Sometimes (67)
㉔ Bobby Valentino – How Deep Is The Ocean (62)
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