愚直なソウル・シンガー
●クレイ・ハモンド『ピース・オブ・ハート~ザ・ベスト・オブ・ケント&ロン・レコーディングス』<ケント/ロン/Pヴァイン>(11)
http://diskunion.net/portal/ct/detail/54C110511703
67年~70年の録音。数多存在するサム・クック直系シンガーの一人。たしかに、サムっぽい歌い回しは感じ取れる。但し、テンダーなだけでなく、適度な声のザラつきが、アーシーなアクセントになっている。
加えて、今回改めて惹き付けられたのは、ハイトーンの部分。軽く裏返した声は、美麗に収束はしない。それだけに、テクニックの駆使以前に、感情の自然な噴出に思える。聴こえてくるたびに気持ちがゾワゾワし、暫くはハイトーン中毒状態だった。声質は違うがテッド・テイラーを想起した。
曲も、ポップス味を感じるものから、ディープ・ソウル、純黒ブルース、ゴスペル調と、多彩にこなしている。終盤のデモ録音は、伴奏が少ないだけに、彼の歌声が浮き彫りになり、これはこれで味わいがある。
本盤とは無関係だが、後には「インディー・ソウル」の先駆け的な<イヴジム>の立ち上げにも関係した功績もある。根っからソウル・ミュージックが好きな人なのだろう。サム・クックに似てくるのも無理のない話だ。
♪"Take Your Time"
http://www.youtube.com/watch?v=HQFs5AMkbq0
♪"Do Right Woman"
http://www.youtube.com/watch?v=lP47abyHPvo
♪"I'm Gonna Be Sweeter"
http://www.youtube.com/watch?v=TF9qmDV0jU8
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