時にはルーラルに・・・
現在の黒人音楽界にコッテリ系や朴訥系が全く存在しない訳ではないです。アーヴァンに対比される、ルーラル(田舎風)な音楽。そういったソウルやブルースの新録盤を提供している代表格は<マラコ>でしょうが、他にも精力的にリリースしているレーベルの一つに<エコー>(Ecko)があります。最近は<マラコ>より頑張ってるんじゃないでしょうか?
http://www.eckorecords.com/
http://www.jeffersonbluesmag.com/content/view/413/32/lang...
オリー・ナイチンゲイルといえばサザン・ソウルの求道者的イメージがありましたが、この盤のジャケ写は、同一人物かと見紛う変貌ぶり。バスタブの中、艶然と微笑む女性の脇で、ヤニ下がった表情でグラスを掲げるオリー。聴くのが怖い気もしましたが、内容は素晴らしかったです。大体<エコー>のサウンドは、ブルースやソウルのツボをよく捉えて、或る時はグッと引き締まり、或る時はジンワリ和ませてくれます。盤石です。今回、サイトの「ニュー・リリース」のコーナーから、いくつかユーチューブで検索しましたので是非聴いてみて下さい。
代表的なアーティストは、有名どころではルーファス・トーマス、バーバラ・カー、デニス・ラサール、リー・“ショット”・ウィリアムス、ビル・コデイ、カール・シムズ辺りでしょうか?しかし、名前が売れてない人も実力抜群のようです。
勿論、この手のサウンドはいくら練れていても時代遅れは否めません。オールドタイマー向けなのは確かですが、古臭いと一蹴するには勿体ない味わいがあります。
都会に住んで居らっしゃる方は、帰省して田舎の実家の畳に寝転がった時、安らいだ開放感を得られると思います。ルーラルな音楽というのは、そういう気分に合致するのではないでしょうか?あるいは、出張や旅行から自宅に帰って来た時、「ア~、やっぱり家が一番だ」と思う瞬間。何が一番なのかよく判らないけど「一番」なのです。それは動物的帰巣本能か、人間特有のセンチメンタリティーか判りませんが<エコー>の音世界は、そういった感情をチクチク刺激してくるのです。
もっとも、私が、ブルースを聴き込む事から黒人音楽の世界に入ったので、日頃現代R&Bを聴いていて、たまに旧いブルースやソウルに耳を傾けた瞬間に感じる“心地好さ”を絶対的に述べてしまったかも知れません。正直ピンと来られない方が多いでしょうが、まぁたまには好いでしょう・・・。
♪大御所デニス・ラサール姐。この人ほど一定のレベルを保ち続ける人も珍しいと思います。個人的には、ミリー・ジャクソン、アーマ・トーマス、グラディス・ナイト辺りと並べて“信頼”している女性アーティストです。
http://www.youtube.com/watch?v=hEtApgMcnV4
♪どこにでも居そうなオバチャン顔ですが、色っぽさが微妙に漂う歌声、ミズ・ジョディ。黒人女性シンガーに多く見られる逞しさ(一途さ)と艶っぽさのミクスチャーがDNAとして脈打っているのが理解出来ます。
http://www.youtube.com/watch?v=sCCjNduv2Lg
http://www.youtube.com/watch?v=nwLVvUO38MI
♪歌い口からも風貌からも真面目そうな雰囲気が漂うルーサー・ラッキィ。ちょっと真面目過ぎるかな?
http://www.youtube.com/watch?v=uzF2qDBCrGQ
♪正にルーラル感溢れるO・B・ブキャナ。心身に力が湧いてくるような気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=HwmhLl6qOPM
※<エコー>とは関係ないですが、最近は<CDS>というレーベルも凄いらしいです。
http://www.cdsrecords.com/
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