Ike & Tina Turner

哀しきシャウト

●アイク&ティナ・ターナー『ザ・ソウル・オブ・アイク&ティナ』<Pヴァイン>(94)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/54C071026801

オリジナル・レーベルは<ケント/モダン>。録音年は正確に記録されていないが、64~65年が妥当らしい。感覚的にはリズム&ブルース~アーリー・ソウル。

私は、アイク&ティナは、アイク目線で捉える事が多い。アイク&ティナ・ターナーより、アイク・ターナー&キングス・オブ・リズムの音の方が、より好みだからだろう。持ってるアルバムも多いはず。

ジャンプ~リズム&ブルースが好きなせいもあるし、時折聴かせるブルース・フィーリング溢れるギターワークもお気に入りだ。本盤でも、彼の魅力は十分堪能出来る。

加えて、ティナ・ターナーの魅力も全開である。意見が分かれる所だろうが、私は、彼女の一番の持ち味は、吐き捨てるようなヴォーカルにあると思う。リズムの権化となり、短いテンポでハードにシャウトする。時には脳の血管が切れやしないかと心配になるほどの迫力に到る。

彼女自身も、さぞかし達成感に満たされたのではと思いきや、ティナはこの時期の曲を二度と聞きたくないそうだ。音楽の完成度に不満なのではない。実は、アイクのDVが最もキツかった頃らしい(鈴木啓志氏のライナーより。自伝に書いてあるそう)。まだ二人の歴史は始まったばかりに近いのに、この時期が一番キツかったとは・・・後々ティナが強くなったのかも知れないけれど。

そういう予備知識を得ると、ティナのシャウトが積もった鬱憤を晴らしているかのようにも聴こえる。皮肉なタイトルに思える「ウェディング」は、名曲「オール・アイ・クッド・ドゥ・ウォズ・クライ」を下敷きにした曲で、かつて愛し合った男性が別の女性と結婚するという苦悩・やるせなさを切々と歌い上げている。だが、暴君夫との結婚を取り消したいと嘆く、悲痛な叫びに思えるのだ。語りの部分が多く、まるで教会のサーモンを聴いているような強烈な訴求力である。果たして、ダンナにはどんな風に聴こえていただろうか・・・。

いずれにしても、曲構成や演奏力、ティナの歌唱、全てにおいて存分に愉しめるアルバムだ。ティナ・ターナーは全面否定だろうが、聴く者は異様な生々しさに惹き付けられる。それにしてもお聴かせしたい曲がユーチューブで拾えないのは残念!ティナの魔力か?

♪"Flee Flee Fla"
http://www.youtube.com/watch?v=zxiZaT2r9YY

♪"Am I A Fool In Love"
http://www.youtube.com/watch?v=QUWHcnECO0Y

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アイク・ターナーという音楽家、そして男

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http://www.youtube.com/watch?v=4KkMSkmx7sM&feature=related

アイク・ターナーは、後にアイク&ティナとして活躍した際はギタリストとして有名ですが、キングス・オブ・リズムではキーボード担当でした。

ボーカルは、彼と、サックス奏者のジャッキー・ブレンストンがやってましたが、サム・フィリップスの耳は満足出来なかったようです。

「ロケット88」は、ジャッキー・ブレンストン名義の物も有り、かつて<Pヴァイン>でLPが出され、私も持っていました。恥ずかしながらこのLPにキングス・オブ・リズムがフィーチャーされているかどうかは記憶に有りません。

アイク・ターナーに話を戻します。彼の場合何といってもアイク&ティナが有名です。

そこでの彼はティナの引き立て役に撤し、エネルギッシュに歌うティナの後ろで、痒い所に手が届くギターをキュンキュンと弾いている姿が印象的です。

アイク・ターナーは、プロデューサー的手腕に長けた人物と言えるでしょう・・・若くして大所帯バンドを引っ張っていた実力もさる事ながら、ティナ・ターナーの生かし方にも現われていると思います。

ティナ・ターナーは、朗々と歌う様なタイプではなく、ハスキー・ボイスを振り絞って歌います。
女性の方には申し訳ないですが、この手の声はどうしても「あえぎ声」「悶え声」を連想してしまいます。

ティナは顔の作りも派手で、スタイルも肉感的だったので、自ずと「エロ路線」に向かう事になります。レコードでは分かりませんが、ライブ映像を観て頂くと、納得行かれるかと思います。

黒人音楽には「ボーディー感覚」(卑猥感)を開放的に表現する伝統も有り、アイク&ティナもその伝統に則ったエンターテイナーだったと思います。

しかし、ティナ・ターナーはそれが嫌だったようですね。加えて私生活でも、アイク・ターナーの暴力癖に耐えかねて、夫婦生活に亀裂が走りました。

ティナ・ターナーはソロ活動で名を成しましたが、アイクは片翼を失った鳥の様に、凋落の一途を辿りました。

私はソロのティナも嫌いじゃ無いですが、アイク&ティナでの、汗をしどろにかきながら、リズムに合わせて腰を振り、マイクにしがみ付いて、アクメ的ボーカルを(アイクのギターに合わせながら)聴かせる彼女が好きでした。

それは性的リビドーを高めるというより、黒人音楽の素晴らしさ・大衆性を伝えるパフォーマンスでした。

それにしても、アイク・ターナーという男、自分自身のプロデュースは出来なかったようです。

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