[57枚目]●レディシ『ピーセズ・オブ・ミー』<ヴァーヴ>(11)
http://diskunion.net/portal/ct/detail/51C110614002
経歴のはじまりは、自分の名前も冠した<LESUN>レーベルからヴァージョン違いも含め2枚。因みに「SUN」の方は、コンポーザー、プロデューサーとして名を成すサンドラ・マニングなる人物。この時期は、アーシーでジャジーなネオ・ソウル系、オーガニック・ソウル系ミュージシャンとして評価されていた。<ヴァーヴ>に移籍してからは、メリハリのある伸びやかな現代R&Bサウンドを展開している。
拙ブログの過去記事でも触れているので、先ずは貼り付けて置きます。
http://hajibura-se.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-978a.html
<ヴァーヴ>での第二弾となる本作は、ジャズ界・R&B界双方で活躍しているレックス・ライドアウトの協力も大きい。朗々というより、切羽詰まったような感じの歌い方を生かしたサウンド創りが成されている。特に⑥「ヘイト・ミー」以降は怒涛の勢いだ。「切ない迫力」とでも呼びたくなるようなレディシ・ワールドに、ただただ引き摺られる。
①「ピーセズ・オブ・ミー」は、序章の趣で、アルバムへの期待感が高まる。②~⑤は、悪くはないが後半に比べれば無難。④「ステイ・トゥギャザー」のデュエット相手ジャヒームも、熱気を孕む域まではいかない(曲調の縛りもあるだろうが)。私のお気に入りプロデューサー、ケイジー作品⑤「コーヒー」も今ひとつ。
だが、前述したように、そこから先の充実度が凄い。⑥「ヘイト・ミー」はタイトルからして重そうだが、曲調も緊張感があり、彼女なりのゴスペルと言えるかも。ギターのカッティングに心躍る⑦「シャット・アップ」。思わず口ずさみたくなるサビを持つ⑧「シャイン」。少しクリセット・ミッシェルを思わせる曲調に、彼女のヴォーカルの切迫感が存分に生きる⑨「アイ・ミス・ユー・ナウ」。オールディーズな出だしだが、やがて彼女の熱唱ペースに巻き込む⑩「BGTY」などなど何度でもリピートできる充実度である。
クリセット・ミッシェルの名を挙げたが、クリセットの場合は曲の構想が面白く、アルバム全体の統一感の中に自らの歌唱を組み入れていると思う。一方、レディシは極端に言えば曲は関係なく、彼女のヴォーカルの魅力にすべて収束される気がする。貴重で稀有なシンガーだ。
①Pieces Of Me
https://www.youtube.com/watch?v=McUj4t3TkPA
⑥Hate Me
https://www.youtube.com/watch?v=HMaC3qlLFbs
⑦Shut Up
https://www.youtube.com/watch?v=Rcy-F--9nGU
⑨I Miss You Now
https://www.youtube.com/watch?v=Pi6YxOFLYbc
⑪Raise Up
https://www.youtube.com/watch?v=Ilp2eL6FNEE
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