左眼の伝説
思い起こせば、私の衝撃的TLC体験はテレビ番組ででした。それまでは、聴かず嫌いとまでは言いませんが、アイドル的な部分ばかり気にしてレコードは持っていませんでした。しかしそのライブ番組でのエンターテイナー振りにすっかり魅せられました。
宇多田ヒカルの初ライブに、モニカとTLCがフィーチャーされるというもので、私はモニカを楽しみにしていました。しかし、思ったより感動しなかったモニカに対し、TLCのステージは、黒人音楽の基本的要素であるエンターテインメント性を具現化したような、楽しく熱いものでした。ラップ担当のリサも、切れ込み鋭く、動きも溌剌としていました。すっかり気に入った私は『ウォーターフォールズ』だったかアルバムを買いました。内容的には満足いくものだったんですが、あのライブの衝撃とはまた違うものでした。モニカが、録り直しが聴くアルバムで、気の済むまで歌のテクニックを発揮できるタイプなら、TLCは一撃で聴く者を圧倒し、夢中にさせる「ライブ・グループ」だといえるかも知れません。メンバーのT・ボズが、黒人に多い、鎌形赤血球貧血症という病に罹り、ライブが出来なくなった時点でTLCも終息に向かったのかも知れません。リサが不慮の事故で亡くなった時に、T・ボズが亡くなったのかと思ったぐらいですから、いずれにしても終わりは来てしまいました。

彼女は自分の事を「人間として完璧ではない」と言ってたそうですが、私生活も破天荒で、恋人のアメフト選手の家に放火したり、トラブルを招くこともしばしば有ったようです。もう少し自分を大切にして、結婚して子供でも出来たら、きっと素敵な大人の女性になったんじゃないだろうかと勝手に思ってしまいます。ミッシー・エリオット辺りとガッチリ組めばラッパー、アーティストとしても名は成せたと思います。残念ですね。

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