濃厚な何か
●ロイド・プライス『ロイド・プライス』<スペシャルティ/Pヴァイン>(93?)
52年~おそらく56年の録音。
懐かしいジャケットに再会した。三十数年前、黒人音楽を聴き始めた頃に購入した一枚だ(CDはその拡大版)。キッカケは、ガイドブックの最初の方に掲げられていたというのが一つ。彼がどういうミュージシャンか知らず、ニューオーリンズ音楽に関する知識もなかった。<ヴィヴィッド>が<スペシャルティ>をリリースしていた時期で、手に入れやすかったのもあるだろう。“とにかく買ってみよう”で手を出した。
力強く直線的なヴォーカルと、適度にゆるく温かみがあり、洒落たサウンドを聴かせる演奏陣。もちろん当時は細かい分析など出来ず、浮き浮きした気分を味わいながらも、濃厚な何かが存在するのを朧気ながら感じるぐらいだった。理屈をこねる前にまずは楽しんだ。「ロウディ・ミス・クロウディ」は、当時の脳内循環曲の一つとなっていた。
改めて聴くと、その後興味が拡がってゆく黒人音楽の世界の縮図みたいなものも感じる。リズム&ブルース、ジャンプ・ミュージック、ロックンロール等々、さまざまなジャンルへの繋がり聴き取れる。これが「濃厚な何か」の正体なのだろう。曲のパターンは似たタイプが多いが、飽きずに聴けるのは「濃厚な何か」があるからだ。
後に実業家として成功するロイド・プライス。エネルギッシュなのは歌唱だけではなかったようだ。
♪ "Lawdy Miss Clawdy"
https://www.youtube.com/watch?v=nQZVufJfcG0
♪"Restless Heart"
https://www.youtube.com/watch?v=BbKTe9xH-sk
♪"TELL ME PRETTY BABY"
https://www.youtube.com/watch?v=wnIU5OBVbF4
♪"Lord, Lord, Amen!"
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント