Mary J. Blige

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.59

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[68枚目]●メアリー・J・ブライジ『グロウイング・ペインズ』<メイトリアーク/ゲフィン>(07)

 

※本文を書くに当たり、川口真紀さんのライナーを大いに参考にしています。

 

リミックス・アルバムを除き、ライブ盤を加えて数えると9枚目の作品となる。メアリーのインタビューを織り交ぜたライナーノーツには、本盤リリースの背景が述べられている。05年の前作『ザ・ブレイクスルー』やシングル「ビー・ウィザウト・ユー」が輝かしい記録を立て、グラミー賞はじめ各賞を受賞、それまでも十分活躍していたメアリーだが、正に"ブレイクスルー(躍進、現状突破)"な成果を収めた。その次作として"グロウイング・ペインズ(成長に伴う痛み)"とする所が、いかにもストイックな彼女らしい。音楽に対して頑固なまで真面目に取り組むのがメアリーらしさだと思う。真面目やらストイックやらといった言葉を使うと内省的に閉じこもるイメージに繋がりがちだが、基本的にオープンなのが彼女。楽しくリスナーに元気を与える姿勢が、パフォーマンスを含めメアリーには存在する。

 

オールド・ソウル・ファンの間では何と言っても『シェア・マイ・ワールド』とライブ盤『トゥアー』がよく話題に上る。後はせいぜい1stだろう。その後はロック寄りの感覚もあり、興味が薄れる人もいるかも知れないが、基本的にリズム感覚は変わらず、私なんぞはあまりロックがどうのこうのというのはさほど気にならない。と言いつつも、メアリーに限らずそもそも現代R&B諸作品から離れているのも事実である。17年の最新作も試聴したけどヘッドホンを早々と置いてしまった。たぶん、何回か聴けば気に入るとは思うが、他の買いたい物を優先してしまう昨今だ。

 

メアリーの作品で好きな部分は、優れたリズム感と徹底的に歌い切る歌唱の2点が大きい。本盤も久しぶりに聴き、メアリーならではの音世界を堪能出来た。ウィキペディアで各アルバムの全米売り上げを見てみると『ザ・ブレイクスルー』が310万枚なのに比べ、本盤は164万枚と数字は下がっているが、内容は決して落ちてはいないと思う。ボーナストラックを含め20曲、2枚組を聴いたかのような充実感はある。蛇足だが、アルバム的には『シェア・マイ・ワールド』が406万枚と最高。逆に本盤の次の『ストロンガー・ウィズ・イーチ・ティアー』からガクッと落ちている。CDの売り上げ全体が芳しくない面もあるだろうが、グロウイングよりペインズが先立つ結果となっている。彼女の姿勢自体は変わらないと思うが・・・。

 

全般的に曲間を繋ぎ、前述したリズム感覚がヴィヴィッドで最初から最後まで愉しませてくれる。タメの効いたリズムがメアリー・ワールドへ誘う①。②はタイミングよく切り込むリュダクリスのラップを交え、メアリーもラップと歌唱の中間をたゆたう。後半、音が前に出てラップが裏に回る所も好きだ。1stシングルの③は、ザ・ドリームも関わる抜群の乗りを持つ曲。サビの「ファイン、ファイン、ファイン、ファイン、ファイン、ファイン、ウー」の繰り返しが耳に残る。④⑤⑥⑦と抑えめの曲が続くが一定のグルーヴは保たれている。⑤はじわじわと盛り上がり、メアリーの歌唱が一層愉しめる。アッシャーをフィーチャーした⑦は落ち着いた展開。パーティー感のある⑧は、ファレル・ウイリアムス絡み(あの話題作発表の7年前)。リズムがよく組み合わされている。⑨とかロックサウンド寄りかも知れないが、メアリーらしさが勝っている。⑩は女性への応援歌。時々語りになるが、サウンドへの乗せ方は流石だ。ミリー・ジャクソンの域。⑪しなやかで力強い歌唱を特に感じる曲。⑫終盤につれ盛り上がる。⑬完璧な人間なんていないわよ、というこれも応援歌。延々とシャウト。⑭⑮も後半に高まる。淡々とした⑯と続き、オリジナルのラスト曲⑰はぐんとスケール・アップ。メアリー自身が自分の成長の証たる曲と自負している。⑱⑲&⑨はUKと日本盤のボーナストラック。⑳は日本のみのボートラ。⑱は、音楽センスの塊トッド・ラングレンの「ハロー・イッツ・ミー」のカバー。同じく音楽センスの塊メアリーは、サラッとながらソウルフルに仕上げている。⑲はイヴ参加。声の交差が印象的。⑳は、ニュージャック・スイングのような跳ねるリズムが微妙に加わっている。更にメアリー2人が競っているかのようなヴォーカル・アレンジ。これがラスト曲でも十分成り立つ。

 

最後にプロデューサー情報を。①④セロン・オーティス、②デジオン(Dejoin新人の抜擢)、③⑦⑩⑰⑲⑳トリッキー・スチュワート、⑤⑮ブライアン・マイケル・コックス、⑥アンドレ・ハリス&ヴァイダル・デイヴィス、⑧ネプチューンズ、⑨ブルック・リン、⑪⑫スターゲイト、⑬チャック・ハーモニー、⑭エリック・ハドソン、⑯サイエンス、⑱マーク・ロンソン、以上。トリッキー・スチュワートが特に光っている。

 

改めて聴くと、メアリーはやっぱり良いね。近作が3年前と言うのはやはり寂しい。また意欲作に挑んでほしいものだ。

 

※全然関係ないが、レコード棚を順番に辿っているこの企画、後1枚で、向かって左の端から右の端に到達する。取り出しやすいように2、3枚分空けているので端から端まで約70枚といった所。また気持ちを新たに徹底して取り組もうと思います。良かったら今後とも読んで下さい。

 

① Work That

 

② Grown Woman

 

③ Just Fine

 

④ Feel Like A Woman

 

⑤ Stay Down

 

⑥ Hurt Again

 

⑦ Shake Down

 

⑧ Til The Morning

 

⑨ Nowhere Fast

 

⑩ Roses

 

⑪ Fade Away

 

⑫ What Love Is

 

⑬ Work In Progress (Growing Pains)

 

⑭ Talk to Me

 

⑮ If You Love Me?

 

⑯ Smoke

 

⑰ Come To Me (PEACE)

 

⑱ Hello It's Me

 

⑲ Mirror

 

⑳ Sleep Walkin'

 

 

 

 

 

 

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メアリー流ブルースとゴスペルも

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●メアリー・J・ブライジ『シンク・ライク・ア・マン・トゥー』<エピック>(14)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/1006288466
...
メアリーの新作は映画のサントラ盤となった。ジャケットの表裏内部、何処にも彼女の写真がないのは淋しい限り。

  前作もクリスマス・アルバムだったので、『マイ・ライフ・パートⅡ』から考えると間が空いている印象は否めない。私の気持ちの間も完全には埋まっていない。あの力作と比べると、今作はメアリー基準ではフツーである。

キャッチーな1曲目はシャラマーのカバー。70年代ディスコ風のサウンドも匂わせ、ダンサブルだ。その後も、前半はお得意のリズム戦法が冴える。

♪ "A Night To Remember"
https://www.youtube.com/watch?v=hvopYAsIhCg

♪Shalamar "A Night To Remember"
https://www.youtube.com/watch?v=guB_jQkCzCo

「アイ・ウォント・ユー」が山場だ。メアリー流ブルースとでも名付けたい渋みが滲み出ている。この曲とラストの「プロポーズ」が対になっているかのよう。狂おしいほどの情念に対し、満ち足りた幸福感が聴く者を浄化する。効果音のクラッピングも優しい。メアリー流ゴスペルとも言えるだろう。

♪ "I Want You"
https://www.youtube.com/watch?v=bNJ8VkdCgug

♪ "Propose"
https://www.youtube.com/watch?v=8e4PT5kRIw0

次作への期待が高まるばかりだ。
もっと見る

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すべてはメアリーのために、メアリーはすべてのために

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●メアリー・J・ブライジ『My Life II...The Journey Continues (Act 1)』<ゲフィン>(11)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/4236409

いやいやいや、なんとも楽しくてしょうがない。車で聴く事がほとんどなので、「あのオッサン、何ニヤケてんだ」と、思われていたかも知れない。いつにもまして、このアルバム、充実度が高いのだ。「イントロ」を含めて全18曲なのだが、まるで2枚組のアルバムを聴き通したかのような満足感に包まれる。

雑な分け方(私がね)だが、3~5曲ぐらいの割合で装いが変わる。最初のブロックは、抜群のリズム感とヒップホップ感覚を楽しめる。やや初期に戻った感じ。ラップの使い方もメアリーらしい。シャカ・カーンの「エイント・ノーバディ」はユーロビート直前ともいえるダンスチューンに仕上がっている。この辺の曲群は、前々から強調している所だが、「リズムに乗っている」というより「リズムを歌っている」メアリーを楽しめる。

続くブロックは「絶唱型」ともいえるブロック。メアリーの入魂唱法にグイグイのめり込む。これも彼女の音楽史に一貫している魅力だ。ここでの話題はビヨンセの参加か。面白い事にビヨンセが「メアリー化」している。ビヨンセも入魂型の人だが、ここでは競り合うというより「Wメアリー」として一体化している印象だ。

続いて、SSW系というか、カントリーソングの系統も感じる静かな音世界のブロック。冬の朝の清澄さを思い起こす。メアリーが敬愛しているシンガーの一人、ニーナ・シモンに通じる孤高さもチラリ(音的な話ではなくて)。

ラストのブロックは、現在進行形というか近未来形のメアリー。私が現代のトレンドを把握し切れてないので、トンチンカンかも知れないが、面白く興味深い「音イジリ」の世界だ。ここでもリズムと一体化しているので、オールドソウルファンも難なく乗れる。ラストの曲は、レゲエのような、レゲエから何かを抜いたような、未体験の物だが、その意外性が痛快だ。リズム・パターンというのは、現代と昔で違うだろうが、ブラックネスの虜になっているリスナーに共通している「ブラック的リズムの根本」は確かに存在するし、メアリーはそれを体現できる貴重なミュージシャンだ。

黒人音楽史だけでなく、世の中のあらゆる音楽的要素を個人的魅力に吸収して、メアリーが旅を続けるのなら、どこまでもお供をする価値は十二分にある。

♪"AIN'T NOBODY"
http://www.youtube.com/watch?v=i5RKmShGAwk

♪"love a woman (ft Beyonce)"
http://www.youtube.com/watch?v=XG0n1htPki0

♪"Someone To Love Me (Naked) "
http://www.youtube.com/watch?v=yOGTb9yDsR0&ob=av2e

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声霊

2月11日(木)建国記念の日。強烈な雨。仕事休みで良かった。

●昨夜は会社関係の送別会。宴会も久しぶりだった。今日はぐったり目。

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●メアリー・J・ブライジの新作レビューを書いた所、ネット友達の方からコメントを頂いた。ブルース曲「カラー」を聴いて“生声”の素晴らしさが感じ取れたとの事。大いに頷いたが、考えてみると、オートチューン等のトレンド的音創りに身を置いても、生声使いの素晴らしさが有るから彼女はひと味違うのだと気付いた。これまではメアリーの現代感覚とオールド感覚の折衷具合に耳が向かう事が多かったかも知れない。改めてシンガーの部分に焦点を当ててみると、聴く者の心に思いが届く奥の深いシンガーだ。「言霊」ならぬ「声霊」みたいなものをメアリーは持っている。勿論彼女だけに備わっているものではないけれど。彼女の場合は、歌のテクニックに長けていないからこそ却って原初的なパワーを感じるようにも思う。得てして欠点がその人の味になったりする(欠点という訳でもないけど)。

●本日の一曲

http://www.youtube.com/watch?v=UKARlyqfa2Y

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メアリー・J・ブライジ『ストロンガー・ウィズ・イーチ・ティアー』

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随分前の話ですが、R・ケリーの試聴記で一点書き忘れていました。全体的に男らしく逞しいブラックネスを感じる旨書きましたが、オートチューンの取り入れ方にも激しい勢いを感じました。通常ヴォーカルを“補正”するような形で用いられる事が多いオートチューンを、主体となるヴォーカルのアクセントとして“活用”している印象でした。とてもカッコ好かったです。

実はメアリーの新作にも同じような印象を持ちました。彼女の場合、これまでの作品もトレンドな音を“吸収”し、メアリーらしさの一部として活用する姿勢が目立っていました。勿論どんなアーティストもオリジナリティーは持っていますが、彼女の場合はその個性が際立っており、その為に、人気のオートチューンを使ってもひと味違う感じを受けるのではないかと思います。

アルバムの序盤にオートチューン使いは目立ち、一挙に音世界に引き摺り込まれる感じです。

1stシングルの「アイ・アム」(6曲目)まで来るとお馴染みの曲調になり、浮き気味だった腰が落ち着きます。

ラップの使い方も相変わらず私好み。メアリーならではのサウンドに心地好く絡みます。

それにしても、今回驚いたのはラストの「カラー」。この1曲をR&Bファンに限らず是非ともゆっくり聴いて頂きたいと思います。話題の映画『プレシャス』にフィーチャーされているそうです。曲調はストレートなブルース。彼女がここまで濃いブルースを歌うのは記憶がありません。R&Bのバラードでも「入魂唱法」を駆使する彼女ですが、感情を絞り出すように歌う為には優れたバランス感覚が無ければ暑苦しくなって聴く者の心に届きません。ウザくなります。バランス感覚はリズム感に繋がると思います。メアリーが「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」と呼ばれているのは卓越したリズム感有ってのものだと思います(もちろんそれだけではない)。

ブルースというのは曲調がシンプルなだけに、力が入りすぎてもダメだし弱くても冴えないものになります。メアリーのリズム感、バランス感覚が「カラー」を傑出したブルース曲に仕上げています。この辺のヒップホップとブルース両方に通じる魅力をメアリーを通して感じてもらえたらと思うのです。彼女には豊かな声量はないですが、このバランス感覚がある限り、どんなジャンルでも感動させ得るシンガーで居続ける事ができると思います。

♪内容
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3707804

♪サイト
http://www.mjblige.com/

♪「ザ・ワン」
http://www.youtube.com/watch?v=mPGoO1GewtM

♪「アイ・アム」
http://www.youtube.com/watch?v=HOGmtnChKec

♪「アイ・ラブ・ユー(イエス・アイ・ドゥ)」このシンコペーションが堪りません
http://www.youtube.com/watch?v=Qd_2jisLfE8

♪「カラー」ラファエル・サディークのプロデュース
http://www.youtube.com/watch?v=U_77oYJRIBs

♪映画『プレシャス』のサイト
http://www.weareallprecious.com/

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メアリー・Jはメアリー・J

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『メアリー』という自分の名前だけのアルバムを創った後、2001年の作品。『メアリー』は自分の顔のキズを見えるようなジャケ写も話題となりました。

その後に出たこのアルバムは「ドラマはもういらない」とタイトルに謳い、シリアス路線の深化か?と思うもののジャケ写は一転して厚化粧。インナースリーヴもセミヌードのようなショットも有ったりして、ちょっとビックリ。但しこの人の場合あんまりエロチックにはならないです。眼が「真剣」なんですよね。

「化粧」を女性の「戦闘態勢」と解釈するなら、再び彼女は強い女性として立ち上がったと考えるべきなんでしょうか?・・・これは考えすぎでしょう。ひとつ気分を変えたかったんじゃないかな?

しかし、どんなスタイルを取ろうともメアリー・Jの「女らしさ」「力強さ」「生真面目さ」はデヴュー以来続いています。

①ラブ・・・じゃっかん、大仰な始まりだけどメアリーの貫禄が滲み出ています。L・O・V・Eとアクセントをつけ、一文字ずつ声を上げてますが心地よいリキの入り方。

②ファミリー・アフェア③スティール・アウェイ・・・有名な曲のタイトルと同名な曲が続くので、おっ?と思いますが良い意味で異質です。両方ともクッキリしたトラックでバックの音は太いんだけど、全然メアリーのヴォーカルの邪魔になっていない。彼女のヴォーカル力もあるでしょうけど。自在に漂っています。③はネプチューンズ絡み。
http://www.youtube.com/watch?v=bxCS-Pa2YyA

④クレイジー・ゲイムス・・・派手さはないが、メアリーのヴォーカルが堪能できます。

②③④と新し目の音が続いた後、

⑤PMS・・・冒頭のブルースギターはレニー・クラヴィッツ。適度に粘って格好良い。歌はじっくりと歌い上げます。底辺にアル・グリーンをサンプリングし、プロデューサーのチャッキー・トンプソン同様アルバムで毎回のように登場する、往年のソウルナンバーに関する「リスペクト」をストレートに出してる曲です。こういう時はメアリーはいたって静かに歌います。彼女自身が陶酔するかのように・・・。

⑥ノー・モア・ドラマ・・・タイトル曲でひとつの頂点に達している感じ。ジャム&ルイス。「ドラマはもうたくさん」と言いながらドラマチックな曲です。大仰ではないですけど。他の曲でもそうですが、メアリー自身の歌声が複数でバックコーラスを努める中、中心のメアリーがこぶしを利かせるのが何ともいえない魅力。この辺が「セルフ・プロデュース能力」に長けると私が思う所です。
http://www.youtube.com/watch?v=BZ9uCiPBIWc

⑦キープ・イット・ムーヴィング・・・ヘヴィーなヒップホップ曲をやってもソウル魂を感じる。結局、彼女の前ではどういうパターンで来ようと彼女のオリジナリティーが勝るという事でしょう。声を張り上げる部分でちょっと「アフリカ的」になったりして面白い。

⑧デスティニー・・・結局『ノー・モア・ドラマ』って前作の『メアリー』路線の延長とも言える。しかし、考えてみれば、どのアルバムにしろメアリーの「入魂ぶり」は共通しているようです。決して妥協しない精神は美しい。インタヴューとか観てもかなりこの人真面目な人なんだと思います。この比較的「小曲」でもメアリーが沁み込んでゆく。ニーナ・シモンがサンプリングされているそうですが、パラパラっと鳴ってるピアノかな。そういえばニーナ・シモンもメアリーの様な独特な「こぶし」を持った歌手ですね。

⑨ホウェア・アイヴ・ビーン・・・シンプルな中、アクセントはイヴのラップ。毎度の事ながらメアリーのラッパーの使い方も上手い。入り方・抜け方が決まってます。

⑩ビューティフル・デイ・・・メアリーの弟が創った曲だそうです。⑦⑧⑨と、この辺りの曲はずっとつながっている感じ。流し続けて心地よいものがあります。悪く言うと「中だるみ」?いやいや、私はメアリーの声を聴いているだけで満足です。ここではさりげないスキャット部とかリズムの乗り方が抜群で「ヒップホップソウルの女王」という称号を思い出します。

⑪ダンス・フォー・ミー・・・ポリスのサンプリング。しかし、エルトン・ジョンを使った時と同じで、総合的にメアリーJの音楽になっている。
http://www.youtube.com/watch?v=VnXdC2WTHFM

⑫フライング・アウェイ・・・しっとりと来ました。タイトルは「ゴー・トゥー・ヘヴン」というゴスペル的概念につながるらしいです(泉山真奈美さんのライナーより)。メアリー節絶好調。

⑬ネヴァー・ビーン・・・ミッシー・エリオット提供の曲ですが、メアリーに違和感無し。メアリーの歌声は強さと切なさを同時に感じる時がありますが、この曲は特にそんな感じがします。ミッシーほどの感覚の持ち主だけにその辺は分かるんでしょう。「メアリーの曲」として創ったんでしょう。

⑭2U・・・しっとり路線が続きます。泉山さんも書いておられるけど、多重録音のメアリーが一段と良い・・・ホント妥協しない人だ。

⑮イン・ザ・ミーン・タイム・・・少しリズムを取り戻したかと思いきや、静かな雰囲気は引き摺ってます。心地良いミディアム曲です。少おしスティーヴィーを思い出します。

⑯フォーエヴァー・ノー・モア・・・詩の朗読です。ちょっと早口だけどこれも計算か?いや、彼女に「計算」は無いはず。真摯な姿勢は伝わります。メアリー節を堪能した頭を冷却してくれる。

⑰テスティモニー・・・オリジナルアルバムでは最後の曲。彼女にしては淡々と歌い続けます。盛り上がらずに終わるのも味が有ります。私はこういう終わり方好きです。

⑱ガール・フロム・イエスタデイ・・・日本盤のみのボーナストラック。えらくジャズ調。これをもしオリジナルアルバムに入れるなら、タイトル曲の後ぐらいの、しっとり系のはじまり辺りに入ると良いかな?とも思ったけど、これはやっぱり入れない方が良いみたいです。

泉山さんが、タイトル曲の解説で「ジャム&ルイスもこんな感じでやれるんだ」と書かれてますが、メアリーの前では感覚が変わってしまうのかも知れません。メアリーは常にメアリーです。「メアリー・J・ブライジ」という自分を表現するために彼女は音楽に携わっているんでしょう。私生活で色々有るようです。彼女は哀しい眼をしているという人もいます。「ブルース」という言葉を私は敢えて使いません。「ブルース」では片付けられないものがあるのです。

彼女の音楽を言い表すのに最も適した言葉は「ああ、また彼女らしいアルバム創ったね」の一言に尽きます。

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リスペクトする事でリスペクトされる

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99年の作品『メアリー』です。それまでサングラスなどで顔のキズを隠していたメアリーが、はっきりとアルバム・ジャケットにそのキズを見せています。「メアリー・Jという人間を有りのままに見せる」という決意にも見てとれます。

自分自身を見つめ直すからといって、自分一人でアルバムを創り上げた訳ではなく、むしろ今までよりも多くのゲストの手を借りているようです。しかし、その素晴らしいアーティスト達との関わりの中で、メアリー独特の感覚は健在で、むしろゲスト達のエキスを吸収して一回り大きくなったような気さえします。「自己を確立するには他人の存在が重要」という証明か?・・・いやいや、そんな簡単な理屈ではないでしょうが、いずれにしても色々なアーティストをリスペクトしている、彼女の姿勢自体とその姿勢が音楽に現れている事に、そして彼女のオリジナリティーとして開花している事実に、多くのアーティストや聴き手がリスペクトを捧げているんだと思います。

①オール・ザット・キャン・アイ・セイ・・・柔らかいベースにきれいな音をちりばめて、やがてメアリーのかすれ声が低く聴こえてくる・・・ローリン・ヒルが創った曲での立ち上がり。サビの部分で複数のメアリーが唸りあうけど頂点に達する前に2曲目へ。

②セクシー(フィーチャリング・Jadakiss)・・・淡々とした曲。しかし、決して印象は薄くないメアリーらしい曲創り。

③ディープ・インサイド(フィーチャリング・エルトン・ジョン)・・・冒頭我々の世代には懐かしいエルトンの「ベニー&ジェッツ」のイントロのピアノをサンプリング、と思いきや本人を呼んで弾かせる徹底振り。以前テレビで観たライブでこの曲を一曲目に持ってきて、ステージ後方の階段を下りて登場してくる時、ややよたり気味で、しかし、リズムに乗りながら下りてくるのを観て思わずにんまり。何とも言えず「素直さ」みたいなのを感じました。
http://www.youtube.com/watch?v=lHdB8UPRnHM

④ビューティフル・ワンズ・・・エルトンどころか今度はアール・クルーの手を借ります。サンプリングと本人の演奏。更にセシル・ワードという人がデュエット。しかし、メアリー節は健在。サビでコブシがころころ回ります。

⑤アイム・イン・ラブ・・・何やらポップスとジャズの中間の様な曲。彼女の世界には有るんですが、彼女が本領を発揮するタイプの曲ではないような気もします。でも一生懸命丁寧に歌っています。はっきり言ってこのアルバム辺りまではそんなに歌が上手くなく、「熱の込もる部分」だけを私も気に入って聴いていたんですが、現段階での最新作『ラブ&ライフ』ではかなり上手くなってます。この曲辺りはその芽が見てとれなくもないです。

⑥アズ(デュエット・ウィズ・ジョージ・マイケル)・・・このアルバム、実に多彩なゲストが居るんですが、ここではジョージ・マイケル登場。熱唱がスティーヴィー・ワンダー作のこの曲を盛り上げます。メアリーは遠慮がちに絡んでいますが、時々アレサみたいな声を出す部分も有り、「歌が上手くない」という私の暴論を軽くいなしてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=k6Za7zdUHOY

⑦タイム・・・スティーヴィーの「パスタイム・パラダイス」とアル・グリーンの2曲を使い、プロデュースは盟友チャッキー・トンプソン。「パスタイム・パラダイス」は「ギャングスタ・パラダイス」のヒントにもなっており、この曲もじゃっかん「ギャングスタ・・・」ぽい所が有ります。しかし、彼女独特のクールな感覚で仕上げられています。

⑧メモリーズ・・・ソウルショック&カーリンという名前は聞き覚えが有りますが、私は勉強不足でよく知らないチームがプロデュース。メアリーとも初絡みです。解説によると今までのプロデュース曲の感じでは無いとの事。メアリー・Jの音楽を把握した上での好プロデュースなんでしょう。

⑨オールモスト・ゴーン(インタールード)・・・レイラ・ハザウェイの作曲・プロデュース。

⑩ドント・ウエスト・ユア・タイム(デュエット・ウィズ・アレサ・フランクリン)・・・大物アレサとのデュエットという豪華版。実は最近のアレサに私はさほど期待しておらず、往時の声のふくよかさ、シャウトのしなやかさは戻るまいと思ってました。確かに以前の余裕は無いです。しかし、面白い事にメアリー風な歌い方になっておりサビのやりとりは大盛り上がりでは有りませんが、聴き物です。つられてしまったか?ベイビーフェイスのプロデュース。

⑪ノット・ルッキン(デュエット・ウィズ・K-Ci・ヘイリー)ゴスペル風な最初の一声に始まり、ひたすら熱を込め歌い続けるK-Ci。メアリーの一声はいつもに増してクール。しかし、進むにつれて「メアリー節」炸裂。K-Ciも日頃二人組みで歌っているせいか、フォローする部分、絡む部分のやり繰りが上手い。曲の前半をK-Ciが盛り上げ、後半はメアリー主で、彼が後方に回ったという感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=8sSJnkRFbx4

⑫ユア・チャイルド・・・ジェラルド・アイザックという若手がプロデュース。現代R&Bにありがちなバラードだけど、メアリーは実に楽しそうに歌っている感じがします。唸らぬままかと思ったが、後半軽く唸っちゃいました。

⑬ノー・ハッピー・ホリデイズ・・・これも味の有るバラード。ドラマティックス風効果音もチラッと登場。
http://www.youtube.com/watch?v=9lkc5NCkzOk

⑭ラブ・アイ・ネヴァー・ハッド・・・ジャム&ルイスのプロデュース。ややダイナミックな曲。女王は負けていません。

⑮ギヴ・ミー・ユー(フィーチャリング・エリック・クラプトン)・・・ストリングスでまったりと明ける曲。クラプトンのギターがどこで入るかと待っていた所、曲自体がクラプトンがやりそうな枯れた感じ。作曲はバラードに定評のあるダイアン・ウォーレンです。ギターはあくまで遠慮勝ちに盛り立てます。クラプトンの他にポール・パスコという人も入っています。曲自体はアルバムの終焉にふさわしい。

⑯レット・ノー・マン・プット・アサンダー・・・やや旧い感じのファンク・ビートというかディスコに近い。ファースト・チョイスという女性グループのものがオリジナルだそうです。こういう曲でのメアリーの歌いっぷりも好き。こういう曲をもっと取り入れても面白いと思いつつ、ぐいぐいと「メアリー節」に引き込まれて行くのでした。

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彼女の声をなぞるように・・・

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94年作『マイ・ライフ』。「ヒップホップ・ソウル・クイーン」の称号の通り、新しい音と旧い音をうまくつないでいる感じ。彼女の前に旧いタイプの歌手がいて、彼女の後に新しいタイプの歌手がいるとも言えるかも知れません。そういう意味では黒人音楽の歴史上重要アルバムでしょう。チャッキー・トンプソンの功績も大。私が持っているのは輸入盤です。

①イントロの後、

②メアリー・ジェーン(オール・ナイト・ロング)・・・ボトムがしっかりしていながら柔らかなサウンドの中、実に気持ちよく漂うメアリー。スキャットの後ろでサビを歌うところなんぞグッときます。不朽の名作。
http://www.youtube.com/watch?v=XWP9LWeE0-I

③ユー・ブリング・ミー・ジョイ・・・昔ながらのファンキーサウンド。こうして聴いてみると、このアルバム最近の物に比べれば旧いですね。それだけ我々世代には聴き易いサウンドと言えるかも・・・。

④マーヴィン・インタールード・・・40秒で次曲につながります。

⑤アイム・ジ・オンリー・ウーマン・・・今に比べれば歌唱が大人しめなのも、旧いサウンドに合っているような気がします。ドラマチックな側面を持つこの曲とか今だったらもっと入れ込んで歌いそうです。

⑥K・マレー・インタールード・・・24秒。キース・マレイです。

⑦マイ・ライフ・・・アルバムタイトル曲も落ち着いた感じ。このアルバム全体にジャジーな感覚も有りますね。彼女のかすれ声がソウル歌手というよりジャズ歌手のように聴こえる「瞬間」も有ります。

⑧ユー・ガッタ・ビリーヴ・・・フェイス・エヴァンスとK-Ci&JoJoが参加。しかし、ガンガンに絡むという感じではないです。サビの部分など得意の「入れ込み唱法」が聴けますが、それでも後年よりは大人しめ。

⑨アイ・ネヴァー・ウォナ・リヴ・ウィズ・ユー・・・基本的に丁寧に歌う人では有るんですよね。歌唱力としてはランクは下がるかも知れないけど、「フレーズや一音に込める力」は引き付けるものが有ります。この曲でもユッタリした中、音を縁取りしていくような丁寧さを感じます。

⑩アイム・ゴーイン・ダウン・・・気持ちを切り替えるようなイントロ。ちょっとサザンソウル系の感覚さえ感じます。それでいて新しい。興味深い曲です。ギターの入り方、ストリングスの使い方とかも過去へのリスペクトを感じます。メアリーの「こぶし」も一層リキが入ります。メロディアスな曲では無いけど、彼女の歌唱を楽しめます。この曲地味だけど好きだなあ。
http://www.youtube.com/watch?v=OrW-x6LVThs

⑪マイ・ライフ・インタールード・・・1分15秒。

⑫ビー・ウィズ・ユー・・・また、ジャジーな感じかと思いきや、引き締まったドラムが入り、ヒップホップ感も漂います。このアルバムはほとんどチャッキー・トンプソンのプロデュースですが、この人の感覚にもオールドスクーラーとして注目すべきものがあります。

⑬メアリーズ・ジョイント・・・バックグラウンド・ヴォーカルにラトーニャ・J・ブライジと有るのは身内でしょうか?

⑭ドント・ゴー・・・重た目のドラムの後、心地よくたゆたう感覚といえば良いでしょうか?・・・このアルバム全体にそれは有るんですが。

⑮アイ・ラブ・ユー・・・軽やかなピアノの中、ベースの弾みも心地良くアルバムの中ではダンサブル。しかし、つくづくメアリー・J・ブライジという歌手は惚れ込まないと聴きづらいんじゃないだろうか。逆に惚れ込んだら溜め息さえ聴き込んでしまう魅力が有ります。

⑯ノー・ワン・エルス・・・終盤にふさわしい盛り上がりを見せる曲。メアリーのヴォーカルも一段と心地良く広がります。

⑰ビー・ハッピー・・・チョッパーもまぶしいオールドファンク仕上げ。ショーン・“パフィー”・コムズのプロデュースです。

後のアルバムでは、自分の声を重ねたり、ゲストを招いたりしているのを考えるとこのアルバムは自分の基本的ヴォーカル力だけで成り立たせており、メアリー・Jの基本を聴かせてくれたといえるかも知れません。『ノー・モア・ドラマ』や『メアリー』が料理なら、『マイ・ライフ』は食材そのものと言えば良いでしょうか?但し、料理も食材の味がそのまま色濃く残る物ですけどね。

もう一点。本ブログの途中に、彼女のヴォーカルが音を縁取るように丁寧であるみたいな事を書きましたが、聴く側としては彼女のヴォーカルの細かい所まで(溜め息や唸りのレベルまで)なぞりながら聴いてるんだよなあ、と思った次第です。これだけのめり込める歌手はそうは居ません。

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ナチュラル・ソウル

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http://www.youtube.com/watch?v=08p_c4NGor0

http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=1104017&style=music&cart=286134309&BAB=E

97年作の『シェア・マイ・ワールド』をご紹介します。ここで一旦彼女のアルバムを年代順に書いておきましょう。リミックス物や編集盤は割愛します。

92年『ホワッツ・ザ・411?』。94年『マイ・ライフ』。97年本作。98年『トゥアー』。99年『メアリー』。01年『ノー・モア・ドラマ』。03年『ラブ&ライフ』となります。本作は前作からの時間の開きや前作のヒットを考えると注目の一枚だったと思います。そこに繰り出してきたのは、至って落ち着いた感じの彼女らしいアルバムでした。

このアルバム割りと目立たない方ですが、私好きです。ヴォーカルも入れ込む場面は少な目ですが、全体的に落ち着いた感じがしてジックリ創ったんだろうなあという気がします。ジャケは、オープンカーの座席に座り、目の表情が読み取れないフェンディのサングラスを掛け無表情で鎮座しているメアリー。大体において彼女のアルバムのトーンは静かで、人肌がそのまま発火するような「盛り上がり」を感じますが、そのムードを表している様な派手さのないジャケ写です。『メアリー』のジャケも好きだけどこれも好き。「フェンディ」がブランド名じゃなくて、何か重要な「暗示」の言葉にでも思える厳かともいえる雰囲気が有ります。

①イントロ

②アイ・キャン・ラブ・ユー・・・ソウル・バラードで立ち上がります。リル・キムがラップで参加。聴く側が暖まってきた所に抜群の間で切り込みます。ロドニー・ジャーキンスのプロデュース。アレサ的ともいえる高音部を中心に高まりを見せます。

③ラブ・イズ・オール・ウィー・ニード・・・ジャム&ルイス作のキャッチーな曲。後ろで控えめに漂うようなラップを聴かせるのはナズ。切り込み方も自然。メアリーのアルバムに絡むラップはどれもカッコイイ。プロデューサーは別に居ても、メアリー天性のリズム感を元に自らサウンドを構成しているような所も見受けられます。プロデューサーの操り人形ではなく、「彼女ならではのサウンド」をプロデューサーも大事にしている感じがします。後ろでドラマティックス風の効果音を気付くか気付かないぐらいに流すのも良いです。この辺はジャム&ルイスかな?

④ラウンド&ラウンド・・・前曲に続いてクリアな縁取りを持った曲。トラックマスターズです。ひとつのパターンがずっと続くのが心地良い仕掛けです。

⑤シェア・マイ・ワールド(インタールード)

⑥シェア・マイ・ワールド・・・タイトル曲は、静か目のメロディアスな立ち上がり。ロドニー・ジャーキンスはホント落ち着いた感じの音創りをします。オールドファン向けの一人でしょうか?

⑦セブン・デイズ・・・これも又静かな「ブルース調」とも言える曲。しかし、私はこのアルバムの中でこの曲が一番好きです。淡々とした調子で歌うメアリーの哀しみが深く伝わり、聴く者も感情が高ぶります。終わりの方で流麗なギターを奏でるのはジョージ・ベンソン。

⑧イッツ・オン・・・R・ケリーをフィーチャー。彼のしなやかなヴォーカルで曲は始まります。メアリーも実に丁寧に歌い始めます。

⑨サンキュー・ロード(インタールード)・・・とうとうゴスペル来ちゃったか?

⑩ミッシング・ユー・・・サザンソウル的な立ち上がり。誰かと思いきやベイビーフェイス作でした。バックにシャニース(元気か?)が参加。ベースにネイザン・イースト。後半じんわりとゴスペル的になります。

⑪エヴリシング・・・来ました!彼女の代表曲といえる「入魂」の一曲。スタイリスティックスの名曲に想を得たというか両方交じり合ったような曲です。いっそ彼らにバックを歌わせたら良かったのに、とも思いますが、この曲スタイリスティックスの甘さと違い、ビターな味わいがあります。ジャム&ルイス良い仕事してます。

⑫キープ・ユア・ハンド・・・間を置かずに続けます。流している曲のようでアルバム全体を考えるとこれと次の曲辺りの「位置関係」が肯けます。

⑬キャント・ゲット・ユー・オフ・マイ・マインド・・・ラップにザ・ロックスが参加。ロドニーもイントロでラップ&歌で絡んでいるそうです。ゆったりとしたリズム・パターンが麻薬的。

⑭ゲット・トゥー・ノウ・ユー・ベター・・・・メアリー自身のヴォーカルを重ね、厚みを創っています。70年代ソウルのバックサウンドの感覚も有るなあ、と思い始めたところでスティーヴィー・ワンダーのフレーズを入れる所もニクイ。

⑮サーチング・・・不勉強で知りませんでしたがロイ・エアーズの「サーチング」と言う曲をサンプリングし、彼自身も演奏に参加しています。

⑯アワ・ラブ・・・ロイ・エアーズの後はジェイムス・エムトゥーメイですかい。何か白人ぽい歌い出しでメロディーも爽やか路線にやや傾いてます。しかし、丁寧に歌っており、何ともいえない感触が有ります。高音部の歌い方もいつもとちょっと違う。でもこれも良いです。アルバムの終わりかけにふさわしい曲です。

⑰ノット・ゴーイン・クライ・・・再びベイビーフェイス登場。タイトル部分を歌うメロディーがいかにも彼らしい。前後の曲とのつながりも良いですね。この歌も中々滋味が有ります。後半明るく開けていく感じも泣けてきます。このアルバム全体を振り返ってみると、前半にクッキリとしたリズムや緩めのラップとの絡み等でダウナーな感覚が有り、後半涙腺刺激路線に向かったとも言えるかな?メアリーの心理の流れを直に手で触れたような、生々しさが有ります。聴き終えてジャケ写をもう一度眺めると、魅力的な彼女が浮かび上がってきます。

⑱(ユー・メイク・フィール・ライク・ア)ナチュラル・ウーマン・・・大名曲ですが、不必要に盛り上げず、アレサのヴァージョンのようなふわっとした感覚を出しているようです。「ナチュラル・ウーマン」というタイトル。これがこのアルバムの答えかも知れません。

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彼女はブラックホール

♪「イフ・ユー・リーヴ」
http://jp.youtube.com/watch?v=s691tXk-Pso

♪PV・・・最初Youtubeにも出てましたが削除されたようです。
http://www.musicvideocast.com/2008/10/musiq-soulchild-ft-mary-j-blige-if-u-leave-video.html

ソウルチャイルドの声は柔らかくて甘いので、メアリーの尖った声に合いそうだなとも思ったのですが、聴いてみたらメアリーが強いですね。ソウルチャイルドが「露払い」程度に思えるほどメアリーの独壇場になっちゃってます。相変わらずリキ入り過ぎなのです。この曲だけメアリーのアルバム内の曲かと思ってしまいます。PVでもラストはメアリーの方が堂々と立ち去るところがなんとも・・・。

まあ、考えてみればメアリーはデュエット向きの歌手ではないですね。人に合わせて歌う事はもちろん出来るんでしょうけど、それだと却ってメアリーらしさが感じ取れなくなってしまう気がします。ある意味「孤高」の歌手ですね。 メアリーが彼女らしさを出しながらデュオるには同系統の女性歌手か、男だったらハードシャウタータイプかなと考えてたら、K-ci・ヘイリーを思い出しました。この「元彼」というか「昔の男」ぐらい荒々しいと彼女の入魂度に見合うようです。しかし、改めて聴いてみると、この頃は彼女の方があまり歌が上手くなくどちらかといえばリズム曲に本領を発揮していましたんで、逆にK-ciを立てている感じです。ルックスもヒップホップ姉ちゃんといういでたちで、ソウルチャイルドのPVに出てくる「大人の女」然とした部分は出てません。そうねえ、最近のメアリーと絡めばK-ciもまた元気を取り戻すかも・・・。

♪ライブ映像
http://jp.youtube.com/watch?v=H2t1tHiYDXs

♪CDのロング・ヴァージョン
http://jp.youtube.com/watch?v=71Ziv4ycqXY

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