映画『永遠のモータウン』
http://www.standingintheshadowsofmotown.com/
http://www.youtube.com/watch?v=1I5uvqjOVOo
60年代に数々のヒット曲を生み出し、全世界的に黒人音楽の魅力を広めた<モータウン>。
その<モータウン>を、バックバンドの形で陰で支えていた、職人集団ファンク・ブラザーズの物語です。
映画の中でも言ってましたが、アーティストのすげ替えはできても、彼らの代理は有り得ない、というぐらいモータウン・サウンドに欠かせない存在です。
確かにモータウン・サウンドはパターン化され過ぎという見方もあります。しかし、そのパターン自体が強力で、まさに「ヤング・サウンド・オブ・アメリカ」のキャッチフレーズに相応しい、ビートが効いて覚えやすい曲群です。
創る側はマンネリ化せず、新しいサウンド(ある時はアフロ・キューバン、ある時はサイケデリック等々)を取り入れ、各人も、音の出し方やリズム、フレーズを工夫し、演奏に臨んでいます。
誰だったか、有名歌手の伴奏しか経験が無かったメンバーが最初に合流した時、別録りで演奏だけやっていて戸惑ったと言ってました。映画『Ray』にも出てきてましたが、歌との別録りが可能になった時代は、ファンク・ブラザーズにとっても演奏に集中できた一因になったかも知れませんね。
映画のゲスト出演者も楽しめました。一番印象に残ったのはミッシェル・ンデゲオチェロ。「ユー・リアリー・ガット・ア・ホールド・オン・ミー」を歌うんですが、ゆったりとしながらも魂がこもっており、静かな熱唱です。
ジェラルド・リヴァートはやはり生まれてくる時代を間違えている。あの頃のモータウン歌手そのもののノリでした。親譲りのダミ声がダンス曲だけでなく、バラードでも切ない感じで出せればもっと良いんだけど、まだまだやれる人だからここはこれで良しとしましょう。
いずれにしても、メンバーの人間的エピソードや世代を隔てたゲストとの会話から、音楽好きって良いなあとつくづく思いました。また、彼らは名前も覚えられていない存在かも知れませんが、皆、誇りとヒューマニティを持っている素晴らしい人達だと思いました。
ジェイムス・ジェマーソンという天才的ベーシストの後釜に白人ベーシストが入ってるんですが、ミッシェルが彼に人種絡みの質問をするんだけど、それに対する彼の返答、彼とミッシェルの所作に感動しました。これはさすがに書くのは止します。
音楽の好きな人、特に自分も演奏してるって人は是非観て下さい。
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