Muddy Waters

転がる石に苔はつかない

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人間生きていれば、何らかの「苔」が付着するのは已むを得ない事で、むしろ、苔も含めた人生の方が深みがあると以前から思っていた。「転がる石に苔はつかない」という諺が良い意味で解釈されているのに、実は違和感があったのだ。よく、ローリング・ストーンズの、新しい感覚を取り入れながら突き進む音楽道にも使ったりする。しかし、彼らも苔むしながら転がり続けているので存在感があるのが正確なところではないか。

と、思っていたら、実はこの諺、英米で解釈が違うらしい。イギリスではころころ商売替えをしてはうまくいかないとか、腰が落ち着かない人物を非難したような意味らしい。日本も「君が代」の歌詞のように「苔のむすまで」存在する事を讃えている。一方、アメリカは冒頭に掲げたようにチャレンジする事の大切さという意味で使っている。「苔」の解釈が逆の意味になっている。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1114979726

マディ・ウォーターズの「ローリング・ストーン」やテンプテーションズの「パパ・ワズ・ア・ローリング・ストーン」は、どちらも浮気な男、家庭を顧みない父親を歌っているようだ。生きていく上での辛苦と、平凡な、ささやかな幸せの積み重ね、両方合わせたものが「苔」ではないかと思う。

Muddy Waters - Rolling Stone(Catfish Blues)

https://www.youtube.com/watch?v=bnsw4sySaxw

The Temptations- "Papa Was A Rollin' Stone"

https://www.youtube.com/watch?v=eZNkM0CI46g

Muddy

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.28

Mu


[36枚目] ●マディ・ウォーターズ『ザ・ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ』<チェス/MCA>(55/87)

http://diskunion.net/portal/ct/detail/XATL-00000388

問答無用の一枚だ。シカゴ・ブルース界の大ボス、マディ・ウォーターズの代表作中の代表作、傑作中の傑作である。オリジナル・ジャケットは、チョコレート色の肌と漆黒の空間の組み合わせが、マディの虚ろに見える表情を生かしている。本盤は、複数のジャンルのミュージシャンを取り上げたシリーズの一枚で、モノクロ写真に変わっている。オリジナルが持つディープさには届かない。

シカゴ・ブルースは、楽器をアンプリファイドし、腕達者なメンバーでバンドを構成した事で、田舎のブルースを都会的なサウンドに変えた。もちろん全く違うものを生み出した訳ではなく、田舎の感覚は残り、それが味わいになっている。 48年~54年の作品を集めた本盤も、そんな空気に満ちている。泥臭さをまとわりつかせたまま、次の時代を見据える過渡期的なアルバムとも言える。いや、考えてみればマディは最後の最後まで泥臭かった。そこが、レジェンド中のレジェンドとして敬愛されている由縁かも知れない。

①ピアノ、ハープ、ベースによるお馴染みのイントロを聴くだけで胸が躍る。唾が飛んで来そうな生々しいマディのヴォーカル。立ち込める霧のようなリトル・ウォルターのハープ。色恋というより、マディ達とリスナーの、ブルース精神の交歓を謳っている気がする。アルバム全体的にだが、サウンドが、濃い闇の中を漂っている雰囲気。マディはブルースについて、「音符と音符の間の溝を表現するもの」と言った。フィーリングと言えばそれまでだが、独特の深みは楽譜を追いかけて生まれるものとは異質であるというのは、素人でもわかる。1曲目からすんなりとその音世界へ入る。

②などで聴かれるマディのゴツいスライドは絶品。

③⑤の50年録音辺りはトラッドに攻めている。雄々しさより哀感モード。豪快な代表曲の裏地みたいなものだ。

④表現される蜂の羽音は、おどろおどろしく聴こえる。刺されたらブルース毒が回るだろう。

⑥私はこういった曲好き。ビートは跳ねているが腰がしっかり座っている。フレッド・ビロウのドラミング、またもやリトル・ウォルターのハープ絶妙。

⑦マディ・ブルースの完成形ではないだろうか。何度聴いてもドラマチックだ。単純に血が騒ぐ。

⑧⑪は、リトル・ウォルターとレナード・チェスのバス・ドラムのみのバックという変わった構成だが、マディのスライドが余計際立つ感じ。

⑨⑩のゆったりした感じも味わいがある。⑩はマディのヴォーカルとスライドの粘着度が2割増し。ハープも粘りまくる。

⑫は最も旧い48年録音だが、マディ・ブルースのプロトタイプに思える。ビッグ・クロフォードのベースのみのバックなのだが、フルバンド演奏並みの迫力がある。ベースが相当頑張ってはいるが。

①I Just Want to Make Love to You・・・ややベース音弱し

https://www.youtube.com/watch?v=PrXH4YXKlCM

④Honey Bee https://www.youtube.com/watch?v=0GPNKRlQkvs

⑥I'm Ready

https://www.youtube.com/watch?v=VrKHz94rGpk

⑦Hoochie Coochie

https://www.youtube.com/watch?v=p-Ua1kqcmaY

⑩Standing Around Crying

https://www.youtube.com/watch?v=cD4TsOTyIw4

⑫I Can't Be Satisfied

https://www.youtube.com/watch?v=vTgwDknZlkA

 

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風格と情熱とエンターテインメント

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●マディ・ウォーターズ『アット・ニューポート1960』<チェス/MCA>(01)

http://ongakumeter.com/m/B000059T1V

LP時代から定評のあるライブ盤に、同じメンバーでその一ヶ月前に収録されたスタジオライブ4曲をプラスしたもの。

ニューポート・ジャズ・フェスティバルは、野外フェスの草分け的存在で、マディにとっても名誉な舞台であっただろう。演奏・歌唱とも安定した内容で、観客の盛り上がりも十分伝わってくる。成功裡に終わったライブといえる。

ところが、ボーナス・テイクのスタジオ・ライブを聴くと、ニューポートより溌剌とした印象を受ける。特に3曲がカブるので比較しやすい。音響の関係もあるかも知れないが、熱の帯び方はスタジオの方が強い(因みに個人的ベストワンはニューポートでは演ってない「ミーネスト・ウーマン」)。

しかし、ニューポートがつまらない訳ではない。それぞれに魅力的なのだ。尚、ニューポートの方は映像もあるので、それを観たら感想も変わるかも。

とりあえず、CDだけで判断。メンバー一人ずつ見てみよう。

マディの声は、太いが、甘くて円やかなので、迫力を表に出せるのはもちろん、味わい深く歌い上げる事も出来る。ニューポートに於ける余裕綽々のパフォーマンスが実証している。スタジオの方は、前述した通り迫力が凄い。あのデカい顔が眼前に迫ってくるような痛快さだ。思わず笑いがこみ上げてくる。

ニューポートでは、ブルースに馴染みの薄い観客に基本枠を伝えたかったのでは。スタジオ物は、セッション感覚で、自分たちが先ずブルースを愉しんでいる様子が伝わってくる。

ギターのパット・ヘアも、ニューポートでは余り目立たず、スタジオの方がフレーズも光っている。ライブでは御大がギターを抱えていたのも原因かも。

ハープのジェイムズ・コットン。ニューポートでは“通奏低音”のように、分厚くゆったりと吹いている。スタジオの方が、やはり縦横無尽にブロウしている。

ほとんど変化がないのは、ピアノのオーティス・スパン。音粒の転がりが、曲に表情を与えている。いつものスパンだ。

スパンと言えば、咄嗟に作詩作曲されて、ヴォーカルを取った「グッバイ・ニューポート・ブルース」は出色の出来。

経緯が面白いので、この曲についてもう少し。54年に、アメリカで初めて行われた野外音楽フェスティバルだったニューポート・ジャズ・フェスティバル。だが、この年は大学生や観光客が暴徒化し、警察当局から中止を求められた。協議の結果、最終日の「ブルース」のみ許可されたのだ。そして、マディが最終アクトだった。

当日、MCを務めていた黒人詩人のラングストン・ヒューズは、フェスティバル中止の報(それから2年間開催されなかった)を受け、即興で作詩し、スパンに渡したのだ。マディがすぐに曲を付け、曰く付きのフェスティバルの、幕を閉じる曲となったのだ。

最後に、アルバムの内容とは関係ないが苦言をひとつ。原文ライナーの訳がおかしい。英語の発音に忠実に書かれてるのかも知れないが、ニナ・シモーネとかゲリー・ムリガンとかちょっとムリガン・・・失礼、違和感あり過ぎ。極めつけはラングストン・ヒュー。最初は脱字かと思ったら、あんまり何度もヒューヒュー言うので、気持ちにすきま風が入り込み、哀しい気分になった。こういうの、結構大事です。ちゃんと専門家にチェックしてもらいましょうよ。

♪ "I got my brand on you"
http://www.youtube.com/watch?v=5TlB7yBMLRQ

♪"Tiger In Your Tank"
http://www.youtube.com/watch?v=kn28bBxXtNU

♪"Meanest Woman"
http://www.youtube.com/watch?v=UFhrqA1JPAA

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ブルースを教えてやろう

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●マディ・ウォーターズ&ローリング・ストーンズ『ライブ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ1981』<ワード>(12)DVD+2CD

http://ongakumeter.com/m/B00865S3L4

音楽雑誌やネット上で、既に多くの人が絶賛している。確かに素晴らしい。80年代に入ってのマディ、しかも亡くなる2年前の状態だが、全く衰えなど感じさせない。本ライブの数ヶ月後に病気が判明したらしいので、体調も万全という訳にはいかなかったのではと思うのだが。

声の深みと艶、太くて勢いのあるスライド、余裕綽々ながらも誠実に務めるステージング。どんなウルサがたのブルースファンでも、予備知識無しに観たり聴いたりしたら、予想が良い方向に裏切られたと口を揃えるはず。

この2年前には来日公演が行われており、酷評だったらしい。何かがマディを変えたのか?データも検討せずに敢えて推察するなら、シカゴ黒人街のライブハウスという“場所”が少なからず影響しているように思う。

バンドメンバーに紹介され、客席の一番近い位置からのっそりと登場するマディ。コッチ(黒人街)で演奏するのは久しぶりだと言いつつ「本物のブルースを教えてやるぜ」と宣う。これは豪語ではない。決意表明ではなかろうか。マディ・ウォーターズは“伝説”じゃない。名前だけの男じゃない事を証明する為に登場したのさと、コアなブルースファンに訴え、自らをも奮い立たせる言葉だったのだ。

後半に登場するバディ・ガイ、ジュニア・ウェルズ、レフティ・デイズら猛者達も、皆一様に嬉しそうだ。テンションは高いが上ずったりせず(当たり前だ、誰だと思ってる!)、真っ黒いブルースを聴かせる。彼らの実力もさる事ながら、この夜のマディの素晴らしさにほだされた部分もあったのではなかろうか。

バンドのメンバーとストーンズのメンバーは、それに比べると表情がやや硬い。しかし、内容は聴き応えある。キースはどうしてもリフからの展開の妙味が私的には好きなのだが、ここでは曲の流れに合わせ、ぶつ切り気味だが流麗なフレーズも奏でる。頭でっかちではなく自在な感覚を持った人だから、見事にこなしている(当たり前だ、誰だと思ってる!)。ロン・ウッドのスライドも抑制が効いて味がある。つくづくロンのストーンズ加入は大正解。これを運命と言わずして。

ミックはマディに合わせにいってる部分が多く、あれこれ探りを入れてるのが面白い。マディ同様、太い声だがミックの方がベチャッとしているので、ミック表のマディ裏とかカッコイイ。

大体において、ミックはプロ根性を出そうとしているが、キースやロンは一生懸命かつ楽しく演奏している感じだ。バディ・ガイの速弾きを見つめるキースの眼は、ギター少年のそれだ。

最後に音創りに関わっているボブ・クリアマウンテンについて。例えばハープとかピアノとか、目立たない部分で味を出しているフレーズや音粒がよく「拾えている」。具体的な技術は解らないが、色んな音がクッキリ聴こえて、しかも自然だ。

さあ、何度でも教えてもらおうじゃないか。最も人間臭く、最もハイにさせてくれる音楽を。

♪Muddy Waters & The Rolling Stones "Baby Please Don't Go" - Live At Checkerboard Lounge

http://www.youtube.com/watch?v=z3Or7huOK7o

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