マッスル・ショールズ
http://muscleshoals-movie.com/index.html
各雑誌でも記事を見かけるようになった。『BSR』誌ではスタジオ・ミュージシャンの動向を詳細に説明してあり助かった。実はあまりフェイム・ギャングとスワンパーズをこれまで明確には区別していなかった。リック・ホールと<アトランティック>社の確執は、知識としては持って...いてリックがかなり悔しい思いをしていたのは解っていたが、ミュージシャン各自とは結び付いていなかった。スタジオ別のディスク・ガイドとかは目ウロコ物だった。
先日は、『レコード・コレクターズ』誌の佐野ひろしさんのコラムを読んで、また新しい視点を頂いた。鈴木啓志さんの著作と絡めての、映画の考察だ。一般的な南部ソウルの構図として「黒人シンガー+白人のバック・ミュージシャン」というものがある。スワンパーズは全員白人だが、フェイム・ギャングにはフリーマン・ブラウンという黒人ドラマーがいる。映画では<アトランティック>が構築したスワンパーズ系のミュージシャンが中心に描かれていたとの事。引き抜かれた形のスワンパーズ連中とリックとの「雪解け」を見せた方がドラマ的とはいえ、フェイム・ギャングに触れるスペースが少なかったのは「黒人+白人」の“黄金”の構図に拘っていたからではないかという疑問の提示だ。そういえば映画のトレーラーも「ここには人種差別は存在しない」みたいなナレーションも入っている。それは事実だろう。結論を前提に取捨選択された事実でなければ良いのだが・・・。そもそも、トレーラーもキースのインタビューで始まり、本編にも多くのミュージシャンがインタビューを受けているとの事だが、私的には「資料の積み重ね」で攻めてほしい気もする。インタビューも重要な資料だろうが、大物ミュージシャンより、スタジオに日常的に携わった人の発言を多く聞きたい。リック・ホールとフェイム・スタジオにテーマをギュギュッと絞ってほしいのだ。どうも佐野さんに限らず色々な人のお話を勘案するとその辺が不足気味な印象だ。
実際に私は鑑賞していないので正確に意見は述べられないが、少なくとも物事を捉えるのに多角的な姿勢が必要だという認識は新たにできた。
あー、それにしても早く観てみたいものだ。
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