My Collection

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.77

R794683114522029477888jpeg

 

[86枚目]●リトル・ミルトン『ウォーキン・ザ・バック・ストリーツ』<スタックス>(81/89)

 

 

<サン><メテオ><ボビン><チェッカー><グレイズ><スタックス><マラコ>などのレーベルを渡り歩き、濃厚良質なブルース、ソウル、ブルーズンソウルを提供してくれたリトル・ミルトン。本作は81年の<スタックス>作品で、私が持っているのは89年発のリイシューCDである。録音自体は72年と74年。①②は72年にシングルでリリースされているが、他は81年時点で未発表だったとの事。

 

 

①スタートから重厚感に溢れたブルースを聴かせる。というか、本盤でこれが最高に濃厚ではなかろうか。収録時間も長い。一挙に彼の世界に引き込まれる。②歌詞の内容までは解らないが、タイトルからしてユーモラスな部分がありそうな曲。リズミカルに跳ねるギターが笑みを誘う。バンクス=ハンプトン+レイモンド・ジャクソン作品。③抑制が効いたブルーズンソウル。デニス・ラサール作品。④Tボーン系ブルース。長尺ギター・ソロが聴き応え十分。⑤強烈なシャウトでスタート!バンドの一体感を特に強く感じる。⑥言わずと知れた大名曲。本アルバム最高の歌唱ではないか。⑦⑧と安定のオールド・ソウルモードが続く。⑧はグラディス・ナイト&ザ・ピップスで有名なドン・コヴェイ作品。⑨はスピードアップしたブルース。ホーンのキレの良さと蠢くベースが印象的。

 

 

パーソネルは、リトル・ミルトンがヴォーカル&ギター、ボビー・マニュエルとマイケル・トールズがギター、レスター・スネルがキーボード、ウィリアム・マーフィーとデヴィッド・ウェザースプーンがベース、ウィリー・ホールがドラムス、そして、メンフィス・ホーンズの面々となる。

 

 

一点だけ難を言うなら、後2、3曲は続けて欲しかった。

 

 

① Walking The Backstreets And Crying

 

② Before The Honeymoon

 

③ Somebody's Tears

 

④ Blue Monday

 

⑤ Married Woman

 

⑥ Eight men and four women

 

⑦ OPEN THE DOOR TO YOUR HEART

 

⑧ Letter Full Of Tears

 

⑨ Bet You I'll Win

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.76

R592890714065717415131jpeg

 

[85枚目]●ジョニー・テイラー『グッド・ラブ!』<マラコ/Pヴァイン>(96)

 

 

※本文を書くに当たり、鈴木啓志さんのライナーノーツを大いに参考にしています。USオリジナル盤のラストにはタイトル曲のリミックスが収録されていますが、私が所有している<Pヴァイン>盤には入っていません。

 

 

ジョニー・テイラーが<マラコ>入りしたのは85年。本盤は共演ライブ盤を除き7作目となる。この後2作発表した後2000年に亡くなるが、03年に1枚リリースされている。67年から<スタックス>で7作、<コロムビア/RCAヴィクター>でも7作、<ビヴァリー・グレン>で1作発表した後の<マラコ>である。これだけでも凄い経歴だが、ハイウェイQC'sやソウル・スターラーズのゴスペル期まで考慮するとその偉大さに改めて感服する。しかも「外れなし」の充実度だ。ハイウェイQC's加入が53年だそうなので、約半世紀の間、高いレベルを維持し歌い抜いたわけである。

 

 

①現代R&Bに通じる感覚もあるが、ジョニーらしさも十分感じられる。③と合わせてチャールズ・リチャード・ケイソンが絡んでいる。彼は、息子のフロイド・テイラーのアルバムもプロデュースしている。②ジョージ・ジャクソン作のストレートなブルース。鈴木さん大絶賛の④は典型的なサザン・ソウル。悪かろうはずがない。これもジョージ・ジャクソン作。④も素晴らしいが⑤も秀逸。淡々としているようで実に聴き応えがある。彼レベルの歌手でなければこなせないだろう。⑥は愛娘ターシャ・テイラーとのデュエット。デビュー盤にして名盤の『ウォンテッド・ワン・ソウル・シンガー』収録曲。ターシャは03年に初アルバムを発表しているので、本盤当時は初お目見えぐらいか?インナースリーヴに写真が出ていて娘であると記されているので、まだ広くは知られていない頃だと思う。やや迫力には欠けるが丁寧に歌っている。⑦のブルースを終えて⑧からはファンキー・ソウルが続く。⑧~⑩は躍動感あるベースも特筆もの。アップテンポに於けるキレの良さと熱い迸りを感じる歌唱も又、ジョニーの魅力である。⑩はちょっと懐かしい感覚も。⑫ソウル/ブルースからは距離があるような、レオン・ラッセルの「マスカレード」。レオンの曲には独特の憂いが潜んでいて、個人的には大好きなのだが、それもあくまでレオンの歌唱が伴った場合に強く感じるようだ。たとえ、ジョニーが歌ってもスタンダード・ポップス寄りに聴こえるのは否めない。

 

 

伴奏陣はマッスル・ショールズ関係。ギターがジミー・ジョンソンとウィル・マクファーレン、ベースがデヴィッド・フッド、ドラムがロジャー・ホウキンス、キーボードがクレイトン・アイヴィー、ブッチ・ボナーという布陣である。

 

 

① Good Love

 

② Last Two Dollars

 

※Last Two Dollars Live

 

③ Sending You a Kiss

 

④ Walk Away With Me

 

⑤ Too Many Memories

 

⑥ Ain't That Lovin' You (For More Reasons)

 

※ Ain't That Lovin' You Live

 

⑦ Too Late To Try To Do Right

 

⑧ Whole Lotta Lovin'

 

⑨ You Got Me In The Mood For Love

 

⑩ Slide On

 

⑪ Body Rock

 

⑫ This Masquerade

 

(特別に)Good Love (Jeep Mix)

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ こころの風景へ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

 

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.75

R14678331221948460jpeg

 

[84枚目]●TQ『ザ・セカンド・カミング』<エピック>(00)

 

 

ヒップホップ系の音楽は、ノリが身上である。私の場合どうしても歌物に惹かれるので、ラップオンリーより、ラップと歌の混在状態がより好きだし、テンポはゆったりめの方が乗れる。TQもその範疇にいる。

 

 

TQは本名Terrance Quaites。  1976年アラバマ州モビールで生まれ、カリフォルニア州コンプトンに引っ越した後16歳でジョージア州アトランタに居住。93年~95年R&Bグループ、カミング・オブ・エイジで活動。ソロに転じて98年「ウェストサイド」のヒットを生み、同年1stアルバムを発表。本作はタイトルで推察される通り、2ndだが、なぜかアメリカでのリリースはなく(縮小版はある)EU発。3rdはUKから出たが、その後はUSリリースのようだ。discogsでは2019年のアルバムまで確認できた。

 

 

冒頭触れたように、終始乗りの良さが目立つ。借りものにしろオリジナルにしろキャッチーなフレーズも度々。②「G.H.E.T.T.O」では、「ゲットー」を一文字ずつ発音する事でリズミカルさが生み出されている。日本語だと一文字ずつ発音しても、ぶつ切り状態になるだけで新味はない(使い方次第ではあるが)が、英語は言葉がアルファベット化する面白味がある。強調されたベース音と良い対比を成している。③リサ・スタンスフィールド「オール・アラウンド・ザ・ワールド」のフレーズをサンプリング。ヴォーカルの重ね具合もソツ無し。④はヒット・シングルらしくフレーズが耳に残る。ビズ・マーキー「ジャスト・ア・フレンド」の借りものではあるが。⑤はPVがどぎつい。本盤は全般的に落ち着いてソフトでしなやかなサウンドなのだが、この曲だけは過激に迫っている。⑦ジャ・ルールのスパイシーなラップが先導。60年代イギリスのテレビドラマ『ザ・セイント(邦題・天国野郎)』のテーマ曲を使用。⑧⑩は特にリズムにタメがあり、好きなタイプ。⑩はラップのような歌のような絶妙な按配。一時期よく聞かれたアコースティック・ギターの爪弾きも。⑪ベースがよく弾んでいる。⑮ウォーレンG参加でエディ・マネー「トゥー・チケッツ・トゥー・パラダイス」使い。終盤の⑯⑰は歌で勝負。熱唱型ではないが温かみは感じる。⑱は隠しトラックで明るくダンサブルな一曲。ゲストが集結している。ゲストと言えば、ジャ・ルールとウォーレンG以外のゲストを羅列しておこう。③ホーミー、⑧ヴァンダルZ、⑪レイジー・ボーン、⑬P-NUT、⑭GIGI'Sとなっている。

 

 

① come again interlude

 

② G.H.E.T.T.O

 

③ Internationally Yours

 

④ Daily

 

⑤ Super Bitches

 

⑥ Caught (Interlude)

 

⑦ How can i be down

 

⑧ Hold It Down

 

⑨ What The Fuck? (Interlude)

 

⑩ Best Friend

 

⑪ One Day

 

⑫ Mama (Interlude)

 

⑬ Lite Skinned Freckle Face

 

⑭ Hard Life

 

⑮ The Grind F

 

⑯ The one

 

⑰ Been a long time

 

⑱ Ooh La La La

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

 

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.74

R1158386515861957816888jpeg

 

[83枚目]●ジョージ・クリントン&ザ・Pファンク・オール・スターズ『プラッシュ・ファンク』<Pヴァイン>(92)

 

 

※本文を書くに当たり、河内幸一さんのライナーノーツ及び山辺容子さん訳のジョージ・クリントンインタビューを大いに参考にしました。

 

 

最初に整理しておくと、いわゆる「Pファンク一派」は、パーラメント、ファンカデリックを二本柱とする他、Pファンク・オール・スターズ名義で『アーヴァン・ダンス・フロア・ゲリラズ』やライブ盤も出している。本盤も「Pファンク・オール・スターズ」名義だが、ここでは幅広くメンバー名義の曲なども含めているという意味での「オール・スターズ」である。そして未発表作品集。<Pヴァイン>発で、ジョージ・クリントンの助力を得て92~93年の間5作品がリリースされている。本盤はその2作目だ。discogsによれば「ジョージ・クリントン・ファミリー・シリーズ」として計7枚US盤が出ている。因みに『プラッシュ・ファンク』という同タイトル・同内容の一枚があるが、US盤ではVol.3と銘打たれている。

 

 

①まずはファンカデリックでスタート。ヴォーカルやコーラスも含め各々のパートが放つグルーヴが組み合わさり、「グルーヴの輻輳状態」を呈している。これはもちろんファンカデリックに限らず、Pファンク全般に感じられる魅力である。これで全ての曲の解説となると言っても過言ではないかも。81年作。②ロン・ダンバーは2018年に亡くなっているが、クリントンより2歳上の39年生まれ。<モータウン>のライターとしてスタート(クリントンの弁によればかなり有名な曲のゴースト・ライターもやってたとか)。その繋がりだろうH=D=Hに協力してチェアメン・オブ・ザ・ボード「ギブ・ミー・ジャスト・ア・リトル・モア・タイム」「パッチズ」(クラレンス・カーター版も著名)、フリーダ・ペイン「バンド・オブ・ゴールド」のコンポーズに関わっている。Pファンク一派では、パーレットのプロデューサー兼ライターとしての功績が大きい。82年作。引き摺るようなリズムが効果的な中、気勢を上げるロンだ。③ドラム、ベース、ヴォーカルにクレジットされているダニー・スターリングを中心とするユニット。80年作。そもそもは、パーレットのバンド・リーダーでベーシスト。ギターのカッティングも冴えている(トニー・トーマス、ロドニー・クラッチャー)。④クリントン総帥のお気に入りシンガー、ジェシカ・クリーヴス。クセのある歌い方だがイヤミが無い。ホーニー・ホーンズ&ブレッカー・ブラザーズのホーン陣もカッコ良く、デヴィッド・スプラッドリーのジャズ的ピアノも効果的。80年作。ジェシカはEW&Fに在籍していた事も。2014年65歳の若さで亡くなっている。⑤フレッド・ウェズリー率いるホーニー・ホーンズ。メイシオ・パーカーも参加し、キレの良いサウンドを聴かせている。ブーツィーのベースも流石。79年作。⑥フロウはフローレンスという名前で元アイケッツのメンバーでもある。ほど良いハスキー・ヴォイスで力感も十分。72年の録音という事は、ブーツィーが正式加入する前にハウス・ゲスツと共に録音しているのが貴重とライナーに。

 

 

⑦軍団一の才人、ジュニー・モリソン。クリントンのインタビューによれば、少しのヒントから、テーマにピッタリはまる曲を作りあげるそうだ。ヴォーカル、演奏ともジュニーがプレイしている。78年作。オハイオ・プレイヤーズの初期メンバーでPファンクでの活躍の後は、90年ソウルⅡソウルのプロデュースも手掛けている。97年にはPファンク絡みでロックの殿堂入り。2017年に亡くなっている。⑧ライナーによればロン・ダンバーによる<インヴィクタス>感覚が感じ取れるとの事。確かにファンクというよりはソウル。良い意味での耳休め。80年作。ブライズの経歴を改めて書いておくと、ファミリーストーンのメンバーだったドーン・シルバとリン・メイブリーでスタート。リンが抜けた後はシーラ・ホーンとジーネット・マグルーダーの2名が参加。リンは79年に抜けたとの事なので本曲は3人体制のものかと。⑨ジョージ・クリントンの息子トレイ・ルイスとウェディング・ドレスのギタリスト、アンドレ・フォックスのコラボ。キレキレのファンクを聴かせる。ブライズの合いの手もノリノリ。81年作。⑩ロン・フォードは、パーレットやブーツィー『ウルトラ・ウェイヴ』のバック・ヴォーカリストがスタート。ショックというファンク・バンドの感覚ありとライナーに。カオス的というよりシャープだ。80年作。2015年67歳で他界。⑪マイケル・ハンプトンの独壇場!80年作。⑫がクリントンのインタビューとなる。

 

 

ボブ・ディランが80歳を迎えたというのが話題となっていたが、ジョージ・クリントンも同い年の80歳である。本盤のインタビューでは各メンバーの素晴らしい面を褒め称えているが、クリントン自身も言うまでもなく素晴らしいファンカーであり、プロデューサーである。ディランが彼らしさを失わずに一途に音楽道を突き進んでいるのと同じく、クリントンも「変わりゆく変わらぬ人」である。

 

 

 

 

① Funcadelic May Day(S.O.S.)

 

② RON DUNBAR- these feet are made for dancin

 

③ Sterling Silver Starship - Booty body ready for the plush Funk

 

④ I Really Envy the Sunshine - Jessica Cleaves

 

⑤ HORNY HORNS- lickety split

 

⑥ Flo - Common Law Wife

 

⑦ Junie Morrison / Super Spirit

 

⑧ Brides Of Funkenstein - Love Don't Come Easy

 

⑨ Tracey Lewis & Andre Foxxe with Flastic Brain Flam-I Can't Stand It

 

⑩ Ron Ford– Monster Dance

 

⑪ Michael Hampton–We're Just Funkers

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.73

R1542142215912811339378jpeg

 

[82枚目]●ボビー・ブランド『トゥー・ステップス・フロム・ザ・ブルース』<デューク/MCA>(61/01)

 

問答無用の大名盤。何度もリイシューされている内、私が所有するCDは、2001年に<MCA>名義でリリースされたもの。オリジナル盤に2曲のボーナストラックが付け足されている。

 

 

御大は、30年メンフィス近郊のローズマークという街に生まれる。48年にメンフィスに移住、ゴスペル・グループやビール・ストリーターズで活動。初レコーディングは、51年<モダン>にシングル1枚、続いて52年<チェス>にシングル1枚残した後<デューク>入り。73年<デューク>が<ABC>に買収されると<ABC>へ、79年<ABC>が<MCA>に買収されると<MCA>へ異動している。そして85年最終の地<マラコ>に移籍した。

 

 

一般的に<デューク>時代と<マラコ>時代が高評価で、全く異論が無いが、まず<デューク>時代のボビーをひと通り味わって頂きたい。本人の歌唱の素晴らしさはもちろん、サウンドの黒い味わいが何とも言えない。ちょっとカッコつけて「漆黒の音像」とでも呼びたくなるディープさだ。<マラコ>が劣るという訳ではないが。特に、デビュー盤である本作は必聴盤と強調しておきたい。57年~60年、シカゴとヒューストンでの録音。ウェイン・ベネットがギターの時は"ジャボ"・スタークスがドラム。クラレンス・ハラマンの時はソニー・フリーマンがドラムである。オーケストラのリーダーは⑪以外、ジョー・スコット。⑪はビル・ハーヴェイのオーケストラと記載されている。調べて判ったが、ジョー・スコットはこのアルバムに限らずデューク・サウンドの立役者として、ジョニー・エイス、ビッグ・ママ・ソーントン、ジュニア・パーカーの作品等でも存在感を示している。

 

 

①タイトル曲は静かな立ち上がり。アルバム全般に言えるが、オーケストラ・サウンドでも不必要に盛り上げず淡々としているが力強い。声質・唱法を生かしたサウンド創りが成されている。②慈雨のような音世界の中、ウェイン・ベネットのギターが軽く絡み、シャウト部分ではサックスがさりげなく寄り添う。③ややソウル的。サム・クックを連想する局面も。角度を変えるとソウル寄りのゴスペル・ソウルという感じか。ギターはクラレンス・ハラマン。④テンポが面白い。ドラムは"ジャボ"・スタークス。⑤妙に日本民謡のような感触もある。オーケストレーションのいなたさがそう思わせるのか。⑥結局「ボビーらしさ」という事になるが、包容力のある歌声から力のこもったシャウトといったボビーの魅力が一層味わえる。ギターはウェイン・ベネット。⑦落ち着いたブルースが続く。哀愁漂う名曲。

 

 

⑧クラレンス・ハラマンのギター。終盤のシャウトが全く破綻しないのが見事。⑨スタンダードの「聖ジェームス病院」。私はキャブ・キャロウェイ版を先に聴いたので、味わいの違いが新鮮だった。⑩これも憂いを帯びた一曲。ボビーでなければ凡庸に終わりそうだ。⑪モダン・ブルースにも繋がりそう。どうしてもギター主体のブルースが注目されがちなので取っつきやすいかも。クラレンス・ハラマン。⑫低音を効かせた導入部がディープさを演出する。⑬⑭が本CDのボーナス。⑬ウェイン・ベネットのギターのさりげなさにも注目。⑭ボビーにしては軽快な曲。⑥のフリップ・サイドとなる。これでアルバムを閉じるのもオツだ。

 

 

まずはデューク・サウンドを堪能してほしいと書いたが、実は、2ステップほどブルースの世界に踏み込んだ人ほど感じる部分が多いのではないだろうか。

 

 

① Two Steps From The Blues

 

② Cry Cry Cry

 

③ I'm Not Ashamed

 

④ Don't Cry No More

 

⑤ Lead Me On

 

⑥ I Pity The Fool

 

⑦ I've Just Got to Forget You

 

⑧ Little Boy Blue

 

⑨ St. James Infirmary

 

⑩ I'll Take Care Of You

 

⑪ I Don't Want No Woman

 

⑫ I've Been Wrong So Long

 

⑬ How Does A Cheatin' Woman Feel

 

⑭ Close to You

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

 

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.72

 

373

 

[81枚目]●V.A.『グッド・トゥ・ザ・ラスト・ドロップ』<ファンタスティック・ヴォヤージ/フューチャー・ノイズ>(09)

 

 

60年、ロンドンで発足した<エンバー>(ember)レコードの作品集。61年~75年の作品が収められている。自身の名を冠したジャズ・バンドのピアニストで、ジャズ・クラブの経営者でもあるジェフリー・S・クルーガーが発起人だ。英文ライナーで正確には読み取れないが、デトロイトの<GM>スタジオとも関係があるようだ。因みに、本コンピ盤をリリースしている<ファンタスティック・ヴォヤージ/フューチャー・ノイズ>もロンドンの会社である。

 

 

①ジーン・マクダニエルズの作曲で、69年<アトランティック>よりレス・マッキャン&エディ・ハリスが発表。本曲は71年のリリース。同名の米ロック・バンドもあるようだ。内容は、快調なイントロから一貫してクールだが、十分に熱い。ジャズ・エリアで取り上げられたのにも納得がいく。17年英<アウタサイト>からはB面別曲でシングル盤が出ている。両方ともディスク上のレーベルは<GM>。②聴き憶えのある楽しい曲だ。アシュフォード&シンプソン+ジョー・アームステッド作品。ジョーは64年~67年の間アシュフォード&シンプソンと曲創りをしていたそう。65年のリリースだが、同じ年に<ABC>からザ・ヤム・ヤムズというガールズ・グループが発表している。というかそちらが本家。ブラザーズ・グリムはまごう事なき一発屋のようだ。③は61年と記載してあるが、discogsによれば65年。シングル「ダンシング・ジェニー」のB面曲。④ザ・カジノスは写真で見ると白人の9人グループ。64年彼らの地元<テリー>レコードから出ており、<エンバー>盤は67年となる。サム・クック風の一曲だ。⑤元はニューオーリンズのレーベルからリリースされている。温かみ有る一曲。58年、ディーン・マーティンが発表している。62年発。⑥女性コーラスやストリングスも含め安定したサウンドの楽曲。ミルト・マシューズのヴォーカルは絞り気味の声で強弱が効いている。終盤には灼けつくシャウトをチラリ。71年発。⑦<モータウン>の重要コンポーザーのひとり、ミッキー・スティーヴンソン。本曲と同じ72年<エンバー>にアルバムを残している。<ファンタスティック・ヴォヤージ>からもキャロル・ウッズと並んでCD化されている。モータウン・サウンドとはまた違うドラマチックな構造を持った曲。歌唱は可もなく不可もなく。⑧エステル・アクストンの息子チャールズ・"パッキー"・アクストンはマーキーズにも所属していて<スタックス>黎明期に名を残している。ザ・パッキーズはパーカッショニストのジョニー・キーズと組んだインスト・グループ。なかなか軽快な一曲。録音は<ハイ>スタジオでバーケイズのメンバーも参加しているそう。66年発。

 

 

⑨本盤に4曲収録されているミルト・マシューズINCの2曲目。スモーキーなギターが絡む中、⑥よりゆったりと歌われる。71年発。⑩は⑨に似たようなサウンドのギターが彩る中、ディー・エドワーズの潤いとメリハリのある声が響く。72年発。⑪女性シンガーが続く。キャロル・ウッズは高音が目立つが耳障りではない。ベース・パターンやギターのカッティングがクールにキマる中、颯爽と歌いこなす。71年発。クラレンス・ポール作。⑫デトロイト出身の男性デュオ。目指す所はサム&デイヴか。しかし、彼らほどのパワーは無し。その分ノリの良さは抜群。70年発。⑬モータウン・サウンドぽい。70年発。⑭三姉妹のジョーンズ・ガールズが競うように且つ溶け合って歌っている。絶妙なアゲアゲソウル。70年発。⑮ミルト・マシューズINC本盤3曲目はロック・テイスト。歌い出しがクラプトンを彷彿させるが、ギターはレイドバックせず弾きまくる。71年発。⑯は⑬に次ぎ登場。ファンキーな一曲。70年発。⑰は⑫に次ぎ登場。前の曲よりはデュオならでは感がある。70年発。⑱ディー・エドワーズ2曲目は⑩と同じシングル盤となる。ミッキー・スティーヴンソン、シルヴィア・モイ、ハンク・コスビーのコンポーズ。アルバム一枚丸々聴いてみたくなる充実の歌唱だ。72年発。

 

 

⑲ミルト・マシューズINC最後の1曲はややサイケ感あり。⑮と同一シングル。表裏ギターが活躍するという次第。⑳タイトルからしてディープなテーマを孕んでいそうだが、意外と聴きやすい。<コティリオン>にリースされR&Bチャート44位に。エド・ロビンソンは後に<アトコ>からシングルを2枚出しているとの事。因みに⑬⑯のフォーク・イン・ザ・ロード2曲の作者でもある。70年発。㉑ジョーンズ・ガールズの母親が登場。元々はデトロイトのゴスペル・シンガーだ。本曲は71年のリリースで、59年、ジャッキー・デシャノンが発表している。㉒そして再び娘たち。どの方か、力を込めるとちょっと母親に似ている。⑭と同一シングル、ここにもエド・ロビンソンの名が。とりあえず安定の歌唱だ。㉓最後はレジェンド中のレジェンド、ジョニー・オーティス!但し、往年のリズム&ブルースサウンドではない。息子シュギー・オーティス絡みでは仕方ないか。だが、サウンド的には悪くない。個人的にはもう少し締まった音だとピッタリはまる。75年発。

 

 

 

① Compared to What · Mr. Flood's Party

 

② The Brothers Grimm - Looky Looky

 

③ Jewel Akens Wee Bit More Of Your Lovin'

 

④ The Casinos– That's The Way

 

⑤ The Values – Return To Me

 

⑥ Milt Matthews Inc. - Oh Lord (You gotta help me)

 

⑦ Mickey Stevenson Here I Am (Single Edit)

 

⑧ The Pac-Keys Dig In

 

⑨ Milt Matthews Inc That's What I Feel For You (Single Edit)

 

⑩ Dee Edwards– Why Can't There Be Love

 

⑪ Carol Woods - Baby Don't You Leave Me

 

⑫ Tony & Tyrone - Everyday Fun

 

⑬ Fork In The Road Can't Turn Around You

 

⑭ The Jones Girls - My Own Special Way

 

⑮ Milt Matthews Inc - Disaster area

 

⑯ Fork In The Road - Skeletons In My Closet

 

⑰ TONY & TYRONE - WHIP YOUR LOVING ON ME

 

⑱ Dee Edwards - Hurt A Little Everyday

 

⑲ Milt Matthews Inc - Can't See Myself Doing You Wrong

 

⑳ Ed Robinson- Hey Blackman - Part 1

 

㉑ Marry Frazier Jones - Put A Little Love In Your Heart

 

㉒ Jones Girls - Learn How To Love

 

㉓ Johnny Otis - Good To The Last Drop

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.71

R695240514302648254053jpeg

 

 

 

[80枚目]●キム・ウェストン『グレイテスト・ヒッツ・アンド・レア・クラシックス』<モータウン>(91)

 

 

 

<モータウン>の女性歌手は「ダイアナ・ロス至上主義」のあおりを受けて目立たない人が多いかと。キム・ウェストンも61年~67年の在籍中、ヒット曲はあるもののアルバムはお蔵入りの憂き目に遭っている。但し、マーヴィン・ゲイとのデュエット・アルバムは出ている(66年)。マーヴィンの相方としてしか見られていなかったのかと勘繰りたくなる。確かに①「イット・テイクス・トゥー」がR&B4位の好成績。しかし、ソロ作の②「テイク・ミー・イン・ユア・アームス」も4位である。本盤では①⑤⑪⑮がデュエットで、確かに悪くは無いのだが、ソロ作の方が魅力は味わえると思う。

 

 

では、彼女の最大の魅力は何か?私が思うに「声の伸び」ではないだろうか。声自体にも潤いと張りがあるが、グーーッと声を伸ばすとパワフルというより、温かく包み込まれる感触がある。逆に言えば<モータウン>お得意のノーザン・ビートに必要な、キレの良さはあまり感じられない。ちょっともたつく感じさえある。それに比べて歌い上げるタイプの曲はシックリくる。アップ曲がダメとまでは言わないけれど・・・。

 

 

代表曲①②に続く③も典型的モータウン・サウンド。④から徐々に落ち着いてくる。スタンダード曲のデュエット⑤。マーヴィンも得意な分野だ。甘く優しく歌い込む。切り替わってのキムの歌い出しの浮遊感が何とも魅力的。繰り返し楽しめる。本盤におけるデュエット曲は「替わりばんこ」に歌う体裁がほとんどで、タミー・テレルとのデュエットみたいに声を合わせた感じは⑮ぐらい。それでも⑤の替わりばんこは秀逸である。マーヴィンのデュエット遍歴からいくとメアリー・ウェルズ→キム・ウェストン→タミー・テレルの順番。ウィキペディアに拠ればキムとのデュエットの成功が、タミー・テレルへと繋がったとの事だ(タイプの違いはあると思うが)。

 

 

⑥は女性コーラスがやや過剰。肝心のシャウト部分に被り過ぎと思える。⑦は落ち着いた展開。女性コーラスも⑥に比べれば抑え気味。⑧もモータウンらしい一曲。彼女の魅力が十分伝わるという意味で好曲。⑨も彼女らしさがよく生かされている。⑩スモーキー・ロビンソンらしい軽快さ。⑪マーヴィン側の歌唱がどうも今ひとつかな?⑫H=D=Hらしいメリハリの効いたミッド・スロー。⑬⑭モータウンらしい愁いを帯びている。⑮前述の通り両名の声の合わさりが聴き応えに繋がっている。⑯落ち着いた雰囲気の曲だが「彼女ならでは」という部分は乏しい。⑰は⑯より盛り上がり、存分に声の伸びが味わえる。⑯⑰はキム・ウェストンがコンポーザーに名を連ねている。⑱ドラマチック度はより高まる。シャーリー・バッシーとか思い出すが、このパターンは彼女にはよく合う。⑲曲としては今ひとつメリハリに欠けるが、哀愁味が感じられる。⑳大人しめな立ち上がりから、後半高まりを見せる。

 

<モータウン>後の彼女は<MGM><ヴォルト>などを経由し90年<モーターシティ>からアルバムを出しているのが今のところラスト。20年には78年当時のデトロイトに於けるライブ盤が英<ノット・オン>からリリースされている。ダイナ・ワシントン・メドレーなども歌っており、なるほど彼女らしい。現在81歳である。

 

 

① It Takes Two

 

② Take me in your arms

 

③ HELPLESS

 

④ DO LIKE I DO

 

⑤ Teach Me Tonight

 

⑥ I'm Still Loving You

 

⑦ A Little More Love

 

⑧ It should have been me

 

⑨ Love me all the way

 

⑩ looking for the right guy

 

⑪ What Good Am I Without You

 

⑫ A Love Like Yours (Don't Come Knocking Everyday)

 

⑬ Another Train Coming

 

⑭ Feel Alright Tonight

 

⑮ Baby (Don't You Leave Me)

 

⑯ I'll Never See My Love Again

 

⑰ A Thrill A Moment

 

⑱ Just Loving You

 

⑲ Don't Compare Me With her

 

⑳ Go Ahead and Laugh

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ こころの風景へ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.70

Xat1245554172

 

[79枚目]●B.ハワード『ジェネシス』<シックス・ポイント/ユニヴァーサル>(10)

 

※本文を書くに当たり、高橋芳朗さんのライナーを大いに参考にしています。

 

ミキ・ハワードの息子で、祖母はキャラヴァンズのメンバー(63~67年)、ジョセフィン・ハワードという血筋。さらに、マイケル・ジャクソンの息子説もある。ライナーには、マイケルと深い交流関係にあったとだけ書いてある。確かに顔が似ていると言えば似ているが、真偽を追及する必要はないだろう。音楽的には確かにマイケルの影響を強く感じる。ポップ寄りでダンシングだ。影響は音楽面だけではない。世界の諸問題を改善したいとの発言もしている事から、慈善的なヴィジョンも受け継いでいる感じである。⑫とかはそういう想いが含まれているとの事だ。

 

 

マイケルとの共通点ばかりに焦点を当てると、彼の才能を過小評価する事にもなりかねない。本アルバムを発表する以前に、本名のブランドン・ハワード名義で、ソングライター/プロデューサーとして多くの実績を上げている事は特筆すべきだ。曲名は割愛するが、ミュージシャン名を上げると、ジェニュワイン、LSG、マーカス・ヒューストン、ブルック・ヴァレンタイン、ケヴィン・リトル、ニーヨ、ハワード・ヒューイット、日本のDOUBLEなどに関わっている。

 

 

本盤の内容だが、確かに曲構成はよく作り込まれている。しかし、私自身が現代R&Bへの興味が薄れており、愛聴するレベルには至らなかった。①のベースのうねりとかは興味を引くが、例えば⑤のユーロビート調辺りまで来るとツライ。もちろん、繰り返すがマイケル・ジャクソン好きの人は絶対気に入るだろう。

 

 

B.ハワードはこの後自己名義のアルバムは出していない模様。但し、フェイスブックやインスタグラムは更新しており、元気に活動している様子は窺える。

 

 

 

 

① Dancefloor

 

② supermodel

 

④ Electric Lights (feat Kamilah)

 

⑤ Finally

 

⑥ Once Again

 

⑨ she's got a man

 

⑪ Crush

 

⑫ Ananda

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.69

R708014814332409757085jpeg

 

 

 

[78枚目]●テイシャーン『フォー・ザ・セイク・オブ・ラブ』<カオス/コロムビア>(93)

 

 

 

忘れられがちだが、忘れるには惜しいテイシャーン。仁王立ちジャケットの89年作『オン・ザ・ホライゾン』が最も有名ではなかろうか。1stアルバムは86年<デフジャム>発の『チェイシン・ア・ドリーム』。今回ご紹介のアルバムは3作目となる。これから9年後の02年に4作目を出してはいる。その後を調べたら、現在は本名のトーマス・ジェローム・ピアースからテイシャーン・ピアース、あるいはテイシャーン7と名乗り活動しているようだ。実は、フェイスブックで彼をフォローしているが、私が日本人と名乗ったら、「音楽関係者か?日本に行ってみたい」と気さくに呼びかけてきた記憶がある。いつ頃の事だったか不明だが、その時はテイシャーンで登録していたと思う。

 

 

当時、一世を風靡していたニュージャック・スウィング的な部分もあるが、波に乗っている(もしくは呑まれている)とは言い切れず。マーヴィン・ゲイとの共通点も指摘されるように、オールド・ソウルの感覚を持つが、チラチラ感じる程度(というかうまい具合に秘めている)。むしろ、アーヴァン系の要素が強め。うねるようなグルーヴとはまた違う。と言ってもクール一辺倒ではない。どっちつかずな書き方だが「テイシャーン調」は確かにある。夢中になる人ではないけれど、サウンドの心地良さは感じる。ゆえに、たまーに聴きたくなるのだ。4曲はNYのスタジオだが、他はロンドン録音&ミックス。確かにUKソウル(或いはグラウンド・ビート)的寄りのサウンドなのかも知れない。ニュージャック・スウィング、グラウンド・ビート、ミネアポリス・ファンクは各々影響し合ってトレンドを形成したとの事だが(実は私はあまり詳しくない)、テイシャーンが最も近しいのはグラウンド・ビートではなかろうか。ソウルⅡソウルに関してはあまり聴き込んでいないけど、キャロン・ウィーラーやヨー・ヨー・ハニーは割と好きでよく聴いていた。そのサウンドを何となく思い出すのだ。

 

 

①は、スタートに相応しく乗りの良い曲。キーボードのスラー音が導き、ベースやドラムのリズム・パターンは面白いし、サウンド・クリエイターとしてのテイシャーンの力量が十分窺える。②タメの効いたリズムに、オールド感覚の強いサウンド。③風のような女性コーラスでスタートする自然な乗りの一曲。タイトル曲④はじんわりと来るバラード。⑤もバラードで、マーヴィン風ではあるが、正直個人的にはあまりときめかない。⑥でややリズムを取り戻す。アーヴァン・テイストも。⑦⑧はUK度が強め。⑦は無難なR&Bソング。⑦と⑤でシングル化されている。⑧はサッパリしたサウンドだが、ビートの刻みがメリハリ十分。低音部もカッコイイ。⑨も⑧に似ているが、メリハリがややゆるめで、良い意味でリズムの引きずり方が印象に残る。⑩は、シンシナティ出身でソウルⅡソウルのメンバーでもあった女性シンガー、ペニー・フォードとのデュエット。いかにもUKフォームな熱唱で、いわゆるゴスペルぽさとは無縁だ。⑪はラス前らしいブラスも効いた派手目の曲。⑫何気ない曲だが、シンコペーションが活きている。ラスト⑬はマーヴィンの「アイ・ウォント・ユー」を取り上げている。変にマーヴィンにおもねらずテイシャーン調が貫かれている。

 

 

① Tempted

 

② Been a long time

 

④ For The Sake Of Love

 

⑤ Single And Lonely

 

⑥ Still In Love

 

⑦ Love is forever

 

⑧ ROMANTICALLY INSPIRED

 

⑨ Control Of Me

 

⑩ Insane

 

⑪ All I Ever Do

 

⑫ Love Of My Life

 

⑬ I Want You

 

 

R708014814332409768498jpeg

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

| | コメント (0)

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.68

Zap2_g5587793w

 

 

 

[77枚目]●ココモ・アーノルド『オールド・オリジナル・ココモ・ブルース』<Pヴァイン>(10)

 

 

※本文を書くに当たり、小出斉さんのライナーを大いに参考にしています。

 

 

<Pヴァイン>が戦前ブルース作品を1,500円でリリースしたシリーズの一枚。<デッカ>作品(34~38年)に、30年に<ヴィクター>に残した初録音の2曲(ギットフィドル・ジム名義)がプラスされている。「ロバート・ジョンソンに影響を与えたブルースマン」という紹介のされ方が一般的。確かに、ギターのフレーズやファルセット遣いに類似点が見られる。そういった部分に着目するのも一興だが、まずは素直に聴き込んでみたい。

 

 

ギターを膝の上に寝かせて弾くラップ・スタイルで、ナイフ・スライドではないかと小出さんは推測されている。左利きで、左手でピッキング、右手でスライドの形。時々音程の乱れもあるが、それを上回る迫力とスピード感だ。ヴォーカルも逞しい。ただ、豪快な歌と言うより、スコーンと抜けるような爽快さを強く感じる。ゴスペル的とも言える。

 

 

本名はジェイムズ・アーノルド。1901年生まれが定説だが、ウィキペディアに拠れば1896年とする研究者もいるとの事。「ココモ」というのはインディアナ州の都市。②「オールド・オリジナル・ココモ・ブルース」のオリジナルは、ピアニストのジャボ・ウィリアムスで、スクラッパー・ブラックウェル版もある「ココモ・ブルース」。アーノルドが流行らせた為「ココモ」というニックネームを得たものと思われる。因みに、ロバート・ジョンソンが舞台をシカゴに移し、「スウィート・ホーム・シカゴ」へと発展させている。「ワン・アンド・ワン・イズ・トゥー・・・」というお馴染みの歌詞も出てくる。

 

ココモ・アーノルドの出生地はジョージア州のラヴジョイ(アルバート・キングのアルバム・タイトルに取り上げられている)。1919年、ニューヨーク州バッファローの製鉄工場で働いた後、ペンシルヴァニア州ピッツバーグ、インディアナ州ゲイリーと渡り歩き、一旦ミシシッピ州に南下したところで、トミー・ジョンソンやイシュマン・ブレイシーと交流。彼らのどこか洒脱な感覚の影響も受けているのではなかろうか。時代のトレンドもあるだろうが・・・。

 

 

29年にはシカゴへ。禁酒法下でブートレッガー(酒類の密売や密造に関わる者)と釣り師を職業としていた。30年にメンフィスへ移動、<ヴィクター>のフィールド・レコーディングのスカウトを受け、前述の通りギットフィドル・ジムの名で録音する。「ギットフィドル」とは、スライド音からフィドルが連想される為、スライド・ギター・スタイルをギットフィドルと呼んだのではないかと小出さん。サム・コリンズの広告でも使われている文言だそう。

 

 

その後、シカゴに戻りブートレッガーを続けていた時、カンサス・ジョー・マッコイが<デッカ>のメイヨ・ウィリアムスを仲介。ただ、しばらくレコーディングはしなかった。禁酒法が解除になって、商売が立ち行かなくなって初めてスタジオ入りしたというマイペースぶり。しかも、デビュー盤が両面ヒットするという笑いの止まらない(であろう)好調ぶりである。それどころか、その後も高い完成度を保っているのはさすがである。㉒がラスト・セッションで38年5月22日。その後クラブでの演奏は続けていたものの、41年には音楽界から去る。59年にリサーチャーに「再発見」されたのだが、頑なに音楽活動を拒む。60年代に活動を再開したらしいが、本格的なものではなかったよう。こういうエピソードを知ると、奔放なギター・スタイルや直情型ヴォーカルに聴き取れるように、頑固で一本気な性格だったんだろうと思われる。

 

 

①はココモ・ブルースの基本形といった感じ。ロバート・ジョンソンとの共通点も把握しやすい。③はチャーリー・スパンドの曲。手数の多いギターが痛快。④では「アイ・ビリーヴ、アイ・ビリーヴ・アイル・ダスト・マイ・ブルーム」⑥では「アイ・ビリーヴ~アイル・ゴー・バック・ホーム」といった歌詞が出てくる。④~⑧辺りは、ややテンポが遅い分、スライドや下降フレーズの魅力が伝わりやすいような。ヴォーカルももちろん素晴らしい。⑨はスペックルド・レッド「ダーティ・ダズン」が原曲。ラップのような早口ヴォーカルに、高速だがメリハリもあるギターが凄まじく、思わず笑ってしまう。⑩はスロー・テンポ。甘いビスケットは女性の象徴とすると、ローラーは説明不要だろう。⑪もスローで聴き応えあり。歌声の伸びも良い。

 

 

⑫⑬のリロイ・カー曲も、濃度高めのココモ・スタイルに。⑭は、ジェイムズ"プードル・イット"ウィギンス+ボブ・コールの作品。リトル・リチャード「キープ・ア・ノッキン」に繋がる。歌もギターも軽快だ。⑮落ち着いた展開。アンノウン・ピアニストが絡む⑰は、味変曲。⑱のギターも手数が多く乗れる。⑲はギター・フレーズの外れたような合ってるような感覚が何とも。⑳は故郷ジョージアに思いを馳せた曲。㉑は、ピーティー・ウィートストローがピアノで参加。軽快に飛ばす。ラスト録音の㉒は、ヴォーカルに一段と力強さを感じる。㉓㉔が<ヴィクター>発正真正銘の初録音。㉓は淡々としているが、㉔は、ブラインド・ブレイクのラグみたいに流暢なギター・プレイが愉しめる。

 

 

① Milk Cow Blues

 

② Old Original Kokomo Blues

 

③ Back To The Woods

 

④ Sagefield Woman Blues

 

⑤ Old Black Cat Blues (Jinx Blues)

 

⑥ Sissy Man Blues

 

⑦ Front Door Blues

 

⑧ Back Door Blues

 

⑨ The Twelves (Dirty Dozens)

 

⑩ Biscuit Roller Blues

 

⑪ Chain Gang Blues

 

⑫ How Long, How Long Blues

 

⑬ Bo Weavil Blues

 

⑭ Busy Bootin'

 

⑮ Let Your Money Talk

 

⑯ Policy Wheel Blues

 

⑰ Stop, Look and Listen

 

⑱ Big Leg Mama (John Russel Blues)

 

⑲ I'll Be Up Someday

 

⑳ Red Beans and Rice

 

㉑ Set Down Gal

 

㉒ Bad Luck Blues

 

㉓ Rainy Night Blues

 

㉔ Paddlin' Madeline Blues

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

はじまりはブラックミュージックSE - にほんブログ村

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

70's Blues 80's Soul Aaliyah Ahmet Ertegun Al Green Albert Collins Ali Oliie Woodson Amazing Grace American Folk Blues Festival American Studio Ann Nesby Ann Peebles Anthony Hamilton Aretha Franklin Ariyo Arrested Development Art Tatum Trio Arthur "Big Boy" Crudup_ Artie "Blues Boy" White At the Copa B.B.King B.Howard Baby Washington Babyface Barbara George Barbara Mason Bell Biv Devoe Big Walter Price with Albert Collins Bill Coday Bill Doggett Birmingham Soul biwa duo Blind Willie Johnson Blind Willie McTell Blues Brothers Blues Festival Blues Jubilee Blues The Butcher 590213 Bob Dylan Bobby "Blue" Bland Bobby Bland Bobby Charles Bobby Rush Bobby Valentino Bobby Womack Bonnie Raitt Books Brandy Bud Powell Buddy Guy Bukka White Byther Smith Cadillac Records Capitol Record Carl Sims Carole King CASE Catfish Blues Chaka Kahn Champion Jack Dupree Charles Brown Charley Musselwhite Charlie Wilson Chess Chrisette Michele Christian Keyes Chuck Berry Cicero Blake Cinema Clarence Carter Clash Clay Hammond Cliff White Close to You Coko Contemporaly Deep Soul Country Soul Curtis Mayfield CUSTOM Dan Penn David Ruffin Delfonics Delta Beat Denise Lasalle Dirty Dozen Brass Band Don Bryant Duet Dynamic Superiors Dynamics Ecko Records Eddie Boyd Eddie Kirkland Eddie Taylor El Debarge Elmore James Ember Records En Vogue Enchantment Eric Benet Etta James Facts Of Life FAME Fantasia Fats Domino Fender Blues Fenton Robinson Five Long Years For Your Precious Love_ Frank Stokes Frankie Gaye Freda Payne Freddy King Frisco Records Funkadelic Funky Blues G.C. Cameron Gaturs Gene Chandler Gene Rice General Johnson George Kerr Glenn Jones Gordon Chambers Gospel Gregg Allman GUESSS hajibura-ism Happy End Hard Luck Blues Harold Melvin & The Blue Notes Hibari Misora Honey Cone Hoochie Coochie Man Howard Tate Howlin' Wolf Hurricane Yukawa Ike & Tina Turner India. Arie Irma Thomas Isley Brothers J. Blackfoot J. Holiday Jackie Ross Jackie Shane Jackie Wilson Jaheim James Brown Janis Joplin Jazz jennifer Hudson Jill Scott Jim Crow Jimi Hendrix Jimmy Dawkins Jimmy Rogers Jimmy Witherspoon Jodeci Joe Joe Houston John Coltrane john lee hooker John Lee Hooker John Lennon Johnnie Taylor Johnny Ace Johnny Gill Juke Records Keisha Cole Kim Weston Kindred the Family Soul King Kitty & The Haywoods Kiyoshiro Imawano Koichi Fujii Kokomo Arnold L.C. Cooke L.J.Reynolds Lacee Lalah Hathaway Lamont Dozier Latimore Launchers Laura Izibor Laura Lee Lazy Lester Le Gent Ledisi Leela James Leon Russell Leroi Jones Letoya Life is... Lightnin' Hopkins Lil Green Lionel Richie Lisa "Left-eye" Smith Little Johnny Taylor Little Milton Little Richard Little Walter Lloyd Price Louis Jordan Luther Lyn Collins Magic Sam Malaco Manami Izumiyama Marques Houston Martha & The Vandellas Marvin Gaye Mary J. Blige Mary Wells Mavis Staples Maze Members Only Memphis Boys Memphis Minnie Memphis Slim Michael Jackson Miles Davis Millie Jackson mississippi Mitty Collier Miyuki Nakajima Modern Blues Modern Gospel Modern Soul Motown Muddy Waters Muscle Shoals Musiq Soulchild My Collection My Favorite Albums through the year Naomi Chiaki Ne-Yo New Birth Nina Simone Nodesha O'Jays Ohio Players Oldays Records Otis Otis Clay Otis Redding Otis Rush Otis Spann P-Funk Patti Labelle Paul Butterfield Blues Band Paul Gayten Percy Wiggins Persuaders Peter Barakan Philly Soul Photo Players Pre-War Blues Pretty Ricky Queen R. Kelly Raheem Devaughn Ray Charles Rick James Robert Blair & The Fantastic Violinaires Robert Johnson Robert Lee McCoy Rolling Stones Ron Henderson and Choice of Colour Rozetta Johnson Rufus Thomas Sam & Dave Sam Cooke Sam Dees Shirley and Lee Sidney Bechet Solomon Burke Son House Sonny Boy Williamson Soul Compilation Soul Deep Soul Generation Soul Power Soul Stirrers Sounds of Memphis Southern Blues Southern Soul=Blues Specialty Gospel Spencer Wiggins Spirit Of Memphis Sports Stan Mosley Staple Singers Sterling Simms Story Summer Of Soul SUN Blues Swamp Dogg syl johnson Sylvester Weaver T.K.Soul Taj Mahal Tammi Terrell Tashan Teach me Tonight Ted Taylor Teddy Bunn Teddy Pendergrass Temptations Terrell Texas Blues Tony Borders Tony Toni Tone Tonyies Tower Records Toyo Nakamura TQ Trey Songz TV Tweets Twitter V.A. Vee-Jay Records W.C.Karasu West Road Blues Band Whistling Alex Moore Whitney Houston Willie Clayton Willie Dixon Willie Mitchell Willis Jackson Year Of 2011 You Are Everything Yuukadan