My Collection

レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.71

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[80枚目]●キム・ウェストン『グレイテスト・ヒッツ・アンド・レア・クラシックス』<モータウン>(91)

 

 

 

<モータウン>の女性歌手は「ダイアナ・ロス至上主義」のあおりを受けて目立たない人が多いかと。キム・ウェストンも61年~67年の在籍中、ヒット曲はあるもののアルバムはお蔵入りの憂き目に遭っている。但し、マーヴィン・ゲイとのデュエット・アルバムは出ている(66年)。マーヴィンの相方としてしか見られていなかったのかと勘繰りたくなる。確かに①「イット・テイクス・トゥー」がR&B4位の好成績。しかし、ソロ作の②「テイク・ミー・イン・ユア・アームス」も4位である。本盤では①⑤⑪⑮がデュエットで、確かに悪くは無いのだが、ソロ作の方が魅力は味わえると思う。

 

 

では、彼女の最大の魅力は何か?私が思うに「声の伸び」ではないだろうか。声自体にも潤いと張りがあるが、グーーッと声を伸ばすとパワフルというより、温かく包み込まれる感触がある。逆に言えば<モータウン>お得意のノーザン・ビートに必要な、キレの良さはあまり感じられない。ちょっともたつく感じさえある。それに比べて歌い上げるタイプの曲はシックリくる。アップ曲がダメとまでは言わないけれど・・・。

 

 

代表曲①②に続く③も典型的モータウン・サウンド。④から徐々に落ち着いてくる。スタンダード曲のデュエット⑤。マーヴィンも得意な分野だ。甘く優しく歌い込む。切り替わってのキムの歌い出しの浮遊感が何とも魅力的。繰り返し楽しめる。本盤におけるデュエット曲は「替わりばんこ」に歌う体裁がほとんどで、タミー・テレルとのデュエットみたいに声を合わせた感じは⑮ぐらい。それでも⑤の替わりばんこは秀逸である。マーヴィンのデュエット遍歴からいくとメアリー・ウェルズ→キム・ウェストン→タミー・テレルの順番。ウィキペディアに拠ればキムとのデュエットの成功が、タミー・テレルへと繋がったとの事だ(タイプの違いはあると思うが)。

 

 

⑥は女性コーラスがやや過剰。肝心のシャウト部分に被り過ぎと思える。⑦は落ち着いた展開。女性コーラスも⑥に比べれば抑え気味。⑧もモータウンらしい一曲。彼女の魅力が十分伝わるという意味で好曲。⑨も彼女らしさがよく生かされている。⑩スモーキー・ロビンソンらしい軽快さ。⑪マーヴィン側の歌唱がどうも今ひとつかな?⑫H=D=Hらしいメリハリの効いたミッド・スロー。⑬⑭モータウンらしい愁いを帯びている。⑮前述の通り両名の声の合わさりが聴き応えに繋がっている。⑯落ち着いた雰囲気の曲だが「彼女ならでは」という部分は乏しい。⑰は⑯より盛り上がり、存分に声の伸びが味わえる。⑯⑰はキム・ウェストンがコンポーザーに名を連ねている。⑱ドラマチック度はより高まる。シャーリー・バッシーとか思い出すが、このパターンは彼女にはよく合う。⑲曲としては今ひとつメリハリに欠けるが、哀愁味が感じられる。⑳大人しめな立ち上がりから、後半高まりを見せる。

 

<モータウン>後の彼女は<MGM><ヴォルト>などを経由し90年<モーターシティ>からアルバムを出しているのが今のところラスト。20年には78年当時のデトロイトに於けるライブ盤が英<ノット・オン>からリリースされている。ダイナ・ワシントン・メドレーなども歌っており、なるほど彼女らしい。現在81歳である。

 

 

① It Takes Two

 

② Take me in your arms

 

③ HELPLESS

 

④ DO LIKE I DO

 

⑤ Teach Me Tonight

 

⑥ I'm Still Loving You

 

⑦ A Little More Love

 

⑧ It should have been me

 

⑨ Love me all the way

 

⑩ looking for the right guy

 

⑪ What Good Am I Without You

 

⑫ A Love Like Yours (Don't Come Knocking Everyday)

 

⑬ Another Train Coming

 

⑭ Feel Alright Tonight

 

⑮ Baby (Don't You Leave Me)

 

⑯ I'll Never See My Love Again

 

⑰ A Thrill A Moment

 

⑱ Just Loving You

 

⑲ Don't Compare Me With her

 

⑳ Go Ahead and Laugh

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.70

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[79枚目]●B.ハワード『ジェネシス』<シックス・ポイント/ユニヴァーサル>(10)

 

※本文を書くに当たり、高橋芳朗さんのライナーを大いに参考にしています。

 

ミキ・ハワードの息子で、祖母はキャラヴァンズのメンバー(63~67年)、ジョセフィン・ハワードという血筋。さらに、マイケル・ジャクソンの息子説もある。ライナーには、マイケルと深い交流関係にあったとだけ書いてある。確かに顔が似ていると言えば似ているが、真偽を追及する必要はないだろう。音楽的には確かにマイケルの影響を強く感じる。ポップ寄りでダンシングだ。影響は音楽面だけではない。世界の諸問題を改善したいとの発言もしている事から、慈善的なヴィジョンも受け継いでいる感じである。⑫とかはそういう想いが含まれているとの事だ。

 

 

マイケルとの共通点ばかりに焦点を当てると、彼の才能を過小評価する事にもなりかねない。本アルバムを発表する以前に、本名のブランドン・ハワード名義で、ソングライター/プロデューサーとして多くの実績を上げている事は特筆すべきだ。曲名は割愛するが、ミュージシャン名を上げると、ジェニュワイン、LSG、マーカス・ヒューストン、ブルック・ヴァレンタイン、ケヴィン・リトル、ニーヨ、ハワード・ヒューイット、日本のDOUBLEなどに関わっている。

 

 

本盤の内容だが、確かに曲構成はよく作り込まれている。しかし、私自身が現代R&Bへの興味が薄れており、愛聴するレベルには至らなかった。①のベースのうねりとかは興味を引くが、例えば⑤のユーロビート調辺りまで来るとツライ。もちろん、繰り返すがマイケル・ジャクソン好きの人は絶対気に入るだろう。

 

 

B.ハワードはこの後自己名義のアルバムは出していない模様。但し、フェイスブックやインスタグラムは更新しており、元気に活動している様子は窺える。

 

 

 

 

① Dancefloor

 

② supermodel

 

④ Electric Lights (feat Kamilah)

 

⑤ Finally

 

⑥ Once Again

 

⑨ she's got a man

 

⑪ Crush

 

⑫ Ananda

 

 

 

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.69

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[78枚目]●テイシャーン『フォー・ザ・セイク・オブ・ラブ』<カオス/コロムビア>(93)

 

 

 

忘れられがちだが、忘れるには惜しいテイシャーン。仁王立ちジャケットの89年作『オン・ザ・ホライゾン』が最も有名ではなかろうか。1stアルバムは86年<デフジャム>発の『チェイシン・ア・ドリーム』。今回ご紹介のアルバムは3作目となる。これから9年後の02年に4作目を出してはいる。その後を調べたら、現在は本名のトーマス・ジェローム・ピアースからテイシャーン・ピアース、あるいはテイシャーン7と名乗り活動しているようだ。実は、フェイスブックで彼をフォローしているが、私が日本人と名乗ったら、「音楽関係者か?日本に行ってみたい」と気さくに呼びかけてきた記憶がある。いつ頃の事だったか不明だが、その時はテイシャーンで登録していたと思う。

 

 

当時、一世を風靡していたニュージャック・スウィング的な部分もあるが、波に乗っている(もしくは呑まれている)とは言い切れず。マーヴィン・ゲイとの共通点も指摘されるように、オールド・ソウルの感覚を持つが、チラチラ感じる程度(というかうまい具合に秘めている)。むしろ、アーヴァン系の要素が強め。うねるようなグルーヴとはまた違う。と言ってもクール一辺倒ではない。どっちつかずな書き方だが「テイシャーン調」は確かにある。夢中になる人ではないけれど、サウンドの心地良さは感じる。ゆえに、たまーに聴きたくなるのだ。4曲はNYのスタジオだが、他はロンドン録音&ミックス。確かにUKソウル(或いはグラウンド・ビート)的寄りのサウンドなのかも知れない。ニュージャック・スウィング、グラウンド・ビート、ミネアポリス・ファンクは各々影響し合ってトレンドを形成したとの事だが(実は私はあまり詳しくない)、テイシャーンが最も近しいのはグラウンド・ビートではなかろうか。ソウルⅡソウルに関してはあまり聴き込んでいないけど、キャロン・ウィーラーやヨー・ヨー・ハニーは割と好きでよく聴いていた。そのサウンドを何となく思い出すのだ。

 

 

①は、スタートに相応しく乗りの良い曲。キーボードのスラー音が導き、ベースやドラムのリズム・パターンは面白いし、サウンド・クリエイターとしてのテイシャーンの力量が十分窺える。②タメの効いたリズムに、オールド感覚の強いサウンド。③風のような女性コーラスでスタートする自然な乗りの一曲。タイトル曲④はじんわりと来るバラード。⑤もバラードで、マーヴィン風ではあるが、正直個人的にはあまりときめかない。⑥でややリズムを取り戻す。アーヴァン・テイストも。⑦⑧はUK度が強め。⑦は無難なR&Bソング。⑦と⑤でシングル化されている。⑧はサッパリしたサウンドだが、ビートの刻みがメリハリ十分。低音部もカッコイイ。⑨も⑧に似ているが、メリハリがややゆるめで、良い意味でリズムの引きずり方が印象に残る。⑩は、シンシナティ出身でソウルⅡソウルのメンバーでもあった女性シンガー、ペニー・フォードとのデュエット。いかにもUKフォームな熱唱で、いわゆるゴスペルぽさとは無縁だ。⑪はラス前らしいブラスも効いた派手目の曲。⑫何気ない曲だが、シンコペーションが活きている。ラスト⑬はマーヴィンの「アイ・ウォント・ユー」を取り上げている。変にマーヴィンにおもねらずテイシャーン調が貫かれている。

 

 

① Tempted

 

② Been a long time

 

④ For The Sake Of Love

 

⑤ Single And Lonely

 

⑥ Still In Love

 

⑦ Love is forever

 

⑧ ROMANTICALLY INSPIRED

 

⑨ Control Of Me

 

⑩ Insane

 

⑪ All I Ever Do

 

⑫ Love Of My Life

 

⑬ I Want You

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.68

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[77枚目]●ココモ・アーノルド『オールド・オリジナル・ココモ・ブルース』<Pヴァイン>(10)

 

 

※本文を書くに当たり、小出斉さんのライナーを大いに参考にしています。

 

 

<Pヴァイン>が戦前ブルース作品を1,500円でリリースしたシリーズの一枚。<デッカ>作品(34~38年)に、30年に<ヴィクター>に残した初録音の2曲(ギットフィドル・ジム名義)がプラスされている。「ロバート・ジョンソンに影響を与えたブルースマン」という紹介のされ方が一般的。確かに、ギターのフレーズやファルセット遣いに類似点が見られる。そういった部分に着目するのも一興だが、まずは素直に聴き込んでみたい。

 

 

ギターを膝の上に寝かせて弾くラップ・スタイルで、ナイフ・スライドではないかと小出さんは推測されている。左利きで、左手でピッキング、右手でスライドの形。時々音程の乱れもあるが、それを上回る迫力とスピード感だ。ヴォーカルも逞しい。ただ、豪快な歌と言うより、スコーンと抜けるような爽快さを強く感じる。ゴスペル的とも言える。

 

 

本名はジェイムズ・アーノルド。1901年生まれが定説だが、ウィキペディアに拠れば1896年とする研究者もいるとの事。「ココモ」というのはインディアナ州の都市。②「オールド・オリジナル・ココモ・ブルース」のオリジナルは、ピアニストのジャボ・ウィリアムスで、スクラッパー・ブラックウェル版もある「ココモ・ブルース」。アーノルドが流行らせた為「ココモ」というニックネームを得たものと思われる。因みに、ロバート・ジョンソンが舞台をシカゴに移し、「スウィート・ホーム・シカゴ」へと発展させている。「ワン・アンド・ワン・イズ・トゥー・・・」というお馴染みの歌詞も出てくる。

 

ココモ・アーノルドの出生地はジョージア州のラヴジョイ(アルバート・キングのアルバム・タイトルに取り上げられている)。1919年、ニューヨーク州バッファローの製鉄工場で働いた後、ペンシルヴァニア州ピッツバーグ、インディアナ州ゲイリーと渡り歩き、一旦ミシシッピ州に南下したところで、トミー・ジョンソンやイシュマン・ブレイシーと交流。彼らのどこか洒脱な感覚の影響も受けているのではなかろうか。時代のトレンドもあるだろうが・・・。

 

 

29年にはシカゴへ。禁酒法下でブートレッガー(酒類の密売や密造に関わる者)と釣り師を職業としていた。30年にメンフィスへ移動、<ヴィクター>のフィールド・レコーディングのスカウトを受け、前述の通りギットフィドル・ジムの名で録音する。「ギットフィドル」とは、スライド音からフィドルが連想される為、スライド・ギター・スタイルをギットフィドルと呼んだのではないかと小出さん。サム・コリンズの広告でも使われている文言だそう。

 

 

その後、シカゴに戻りブートレッガーを続けていた時、カンサス・ジョー・マッコイが<デッカ>のメイヨ・ウィリアムスを仲介。ただ、しばらくレコーディングはしなかった。禁酒法が解除になって、商売が立ち行かなくなって初めてスタジオ入りしたというマイペースぶり。しかも、デビュー盤が両面ヒットするという笑いの止まらない(であろう)好調ぶりである。それどころか、その後も高い完成度を保っているのはさすがである。㉒がラスト・セッションで38年5月22日。その後クラブでの演奏は続けていたものの、41年には音楽界から去る。59年にリサーチャーに「再発見」されたのだが、頑なに音楽活動を拒む。60年代に活動を再開したらしいが、本格的なものではなかったよう。こういうエピソードを知ると、奔放なギター・スタイルや直情型ヴォーカルに聴き取れるように、頑固で一本気な性格だったんだろうと思われる。

 

 

①はココモ・ブルースの基本形といった感じ。ロバート・ジョンソンとの共通点も把握しやすい。③はチャーリー・スパンドの曲。手数の多いギターが痛快。④では「アイ・ビリーヴ、アイ・ビリーヴ・アイル・ダスト・マイ・ブルーム」⑥では「アイ・ビリーヴ~アイル・ゴー・バック・ホーム」といった歌詞が出てくる。④~⑧辺りは、ややテンポが遅い分、スライドや下降フレーズの魅力が伝わりやすいような。ヴォーカルももちろん素晴らしい。⑨はスペックルド・レッド「ダーティ・ダズン」が原曲。ラップのような早口ヴォーカルに、高速だがメリハリもあるギターが凄まじく、思わず笑ってしまう。⑩はスロー・テンポ。甘いビスケットは女性の象徴とすると、ローラーは説明不要だろう。⑪もスローで聴き応えあり。歌声の伸びも良い。

 

 

⑫⑬のリロイ・カー曲も、濃度高めのココモ・スタイルに。⑭は、ジェイムズ"プードル・イット"ウィギンス+ボブ・コールの作品。リトル・リチャード「キープ・ア・ノッキン」に繋がる。歌もギターも軽快だ。⑮落ち着いた展開。アンノウン・ピアニストが絡む⑰は、味変曲。⑱のギターも手数が多く乗れる。⑲はギター・フレーズの外れたような合ってるような感覚が何とも。⑳は故郷ジョージアに思いを馳せた曲。㉑は、ピーティー・ウィートストローがピアノで参加。軽快に飛ばす。ラスト録音の㉒は、ヴォーカルに一段と力強さを感じる。㉓㉔が<ヴィクター>発正真正銘の初録音。㉓は淡々としているが、㉔は、ブラインド・ブレイクのラグみたいに流暢なギター・プレイが愉しめる。

 

 

① Milk Cow Blues

 

② Old Original Kokomo Blues

 

③ Back To The Woods

 

④ Sagefield Woman Blues

 

⑤ Old Black Cat Blues (Jinx Blues)

 

⑥ Sissy Man Blues

 

⑦ Front Door Blues

 

⑧ Back Door Blues

 

⑨ The Twelves (Dirty Dozens)

 

⑩ Biscuit Roller Blues

 

⑪ Chain Gang Blues

 

⑫ How Long, How Long Blues

 

⑬ Bo Weavil Blues

 

⑭ Busy Bootin'

 

⑮ Let Your Money Talk

 

⑯ Policy Wheel Blues

 

⑰ Stop, Look and Listen

 

⑱ Big Leg Mama (John Russel Blues)

 

⑲ I'll Be Up Someday

 

⑳ Red Beans and Rice

 

㉑ Set Down Gal

 

㉒ Bad Luck Blues

 

㉓ Rainy Night Blues

 

㉔ Paddlin' Madeline Blues

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.64

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[73枚目]●ポール・ゲイトン『チェス・キング・オブ・ニュー・オーリンズ』<MCA/ユニヴァーサル>(89/14)

 

 

※本文を書くに当たり、文屋章さんのライナー(94年に一度リリースされた時の筆)及び、ビリー・ヴェラさんによるオリジナル・アルバムのライナー(邦訳・坂口紀三和さん)を大いに参考にしています。尚、ビリーさんはポールの友人でもあり、アルバムに使用したシングル盤の提供者でもある。

 

 

 

54年~59年に渡り<チェッカー><アーゴ><アンナ>に録音された作品を89年に<チェス>名義でLP、<MCA>名義でCDとしてリリース。更に14年、3曲ボーナスが追加され、日本<ユニヴァーサル>のシリーズ「チェス・ベストコレクション1000」の1枚としてリリースされている。私が持っているのはそれ。私は、黒人音楽を聴き始めの頃、ルイ・ジョーダン等ジャンプ・ブルース系の音楽によく親しんでいたので、ジャンピン・サウンドは今でも大好物である。本盤の内容もその範疇にある。素晴らしいテクニックに裏打ちされた痛快至極な曲集である。

 

 

ポール・ゲイトンは、20年、ルイジアナ州ケントウッドに生まれる。両親は教会で歌い、母親はリトル・ブラザー・モンゴメリーの妹、祖父はバイオリン弾きで、ジュークボックスを置いた酒場を経営するという環境で育つ。30年代半ばにミシシッピ州ジャクソンでプロの道に進み、47年からはニュー・オーリンズに落ち着く。ニュージャージー在<デラックス>レーベルのタレント・スカウトで契約。女性シンガー、アニー・ローリー(ダイナ・ワシントンがフェイヴァリット・シンガーに上げている)をフィーチャーした「シンス・アイ・フェル・フォー・ユー」を皮切りにヒット曲を連発する。<デラックス>は、デイヴ・バーソロミューやスマイリー・ルイスとも契約し、ニュー・オーリンズ・ジャンプ・ブルースの魅力を広めたとも言えるだろう。しかし、49年には経営危機に陥り、<キング>に買い取られる。その際設立者のブラウン兄弟は別の協力者を得て<リーガル>を設立。ポール・ゲイトンに限って手放さず<リーガル>へ連れて行った。ここでも、ラリー・ダーネルをシンガーとした「フォー・ユー・マイ・ラブ」を始め、ヒット作は続く。しかし、残念な事に51年には破綻し<オーケー>へ移籍。ここでの「カウ・カウ・ブルース」が、ポールが放った最後のヒット曲となる。一方、この時代のニュー・オーリンズR&Bの代表格として名前がまず上がるデイヴ・バーソロミューは、<インペリアル>を舞台に、ファッツ・ドミノやスマイリー・ルイスらと共にヒットを量産する。ニュー・オーリンズ・サウンド全体を纏め上げたデイヴの功績は偉大だが、決してポールもそれに劣らない。本盤を通して聴けばそのサウンドの底抜けの明るさ、安定感、疾走感、リズムの粘り、絶妙な楽器同士の絡みに感心しきりである。本盤の舞台<チェス>においては、クラレンス・ヘンリー、シュガー・ボーイ・クロフォード、ボビー・チャールズらをプロデュースし、<チェス>のニュー・オーリンズ勢を世に知らしめた功績もある。

 

 

全ての曲ではないが、演奏メンバーは、ヴォーカルとピアノがポール、テナー・サックスがリー・アレン、バリトン・サックスがアルヴィン・"レッド"・タイラー、ベースがフランク・フィールド、ギターがエドガー・ブランチャード、そしてドラムがアール・パーマーという布陣だ。録音はほとんどがニュー・オーリンズにて。どの曲でどの楽器が表に出てきても、裏で支えても聴き応えあり。何度でも楽しめる。

 

 

①弾むリズムを止めた所でギターが切り込みヴォーカルが始まる。何ともカッコイイ!②少しテンポを落とし、ピアノを中心に、サックスも雰囲気を高める。③ジャンプ・ブルースの影を感じる。④タイトルは「ナーバス・ブギー」だが全く屈託が無い。リズムの刻みが心地良いドラムは、チャールズ・"ハングリー"・ウイリアムス。⑤<リーガル>時代、ラリー・ダーネル歌でヒットした「フォー・ユー・マイ・ラブ」をセルフカバー。エキゾチックに仕上げている。ドラムのリズム感、ギターのソロ・フレージング等最高!⑥臭み極まるサックスが主体のモッタリした曲調。ユーモア(ジャイヴ感)も十分。⑦正に曲自体が「ラウンド・アンド・ラウンド」している。ぐるんぐるん。⑧フルートとウクレレを使った癒しの1曲。タイトル通り、木陰でウトウトしながら自然の風に涼んでいるような。⑨まったりリズムの中、時々上がる「奇声」やギターが印象的。⑩特にピアノが楽しさを演出。⑪⑫の<アンナ>録音はやたら粘っこい。⑪のヴォーカル?はビリー・デイヴィス。⑫は⑪の低音部を増幅したような妖しさに満ちている。⑬これもサックス主体⑭女性シンガー、マートル・ジョーンズをフィーチャー。真っ直ぐな歌い方をする人で、典型的リズム&ブルース。⑮ラストはT.V.スリム名義のオマケ。リトル・リチャードにも通じそうな軽快なロックンロール・ブルースだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

① You Better Believe It <チェッカー> (56)

 

② Mother Roux <チェッカー> (56)

 

③ Down Boy (54)

 

④ Nervous Boogie <アーゴ> (57)

 

⑤ For You My Love <チェス> (57)

 

⑥ The Sweeper <アーゴ> (57)

 

⑦ THE MUSIC GOES ROUND AND ROUND <アーゴ> (56)

 

⑧ Windy <アーゴ> (57)

 

⑨ Get It <チェッカー> (54)

 

⑩ Tickle Toe <アーゴ> (57)

 

⑪ Hot Cross Buns <アンナ> (59)

 

⑫ The Hunch <アンナ> (59)

 

⑬ Driving Home Part 2 <アーゴ>

 

⑭ Right to Love You (56)

 

⑮ T. V. Slim ..... Flatfoot Sam <チェッカー> (57)

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.63

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[72枚目]●V.A.『ザ・スピリット・オブ・フィラデルフィア 3』<エクスパンション>(11)

 

 

ひさしぶりに聴いてみて、聴き憶えのある曲が多いなぁと感じた。よくよく考えたら、このCDで憶えたんだろう。相当数聴いたんだよなとしばし感慨に耽った。好編集盤として名高い当シリーズは、02年に第1弾、06年第2弾、本編が11年、そして16年に第4弾が出ている。発表年のサイクルに着目すると今年あたり、と期待したくなるが果たしてどうでしょう。編者及びライナーは<エクスパンション>の主宰ラルフ・ティー。あえて<フィラデルフィア・インターナショナル>作品を外しているが、幅広く紹介するという意味では功を奏しているかも。

 

 

①から王道フィリーの洗礼。渋みと力感のあるテナーを鉄壁の演奏陣が盛り立てる。ノーマン・ハリス絡みの<シグマ>録音。73年<フィリーグルーヴ>からのシングルも有名なようだが、discogsでは67年のシングルから上げられている。アルバムは85年に1枚。思わず踊り出したくなる②が続く。エクスタシー、パッション&ペインは、72年~77年にかけて活動。バーバラ・ロイはリードシンガーだけでなく、グループの設立者でビジネス面でも活躍したとの事。例の名盤アルバムは74年の作品。本曲も収録されている。③はソフトなヴォーカルだが、サビの「ドーン、アスク・ミー~」は思わず口ずさみたくなる。ジェイ&ザ・テクニクスは、人種混交のポップ系グループ。大人の女性らしい落ち着きを感じる④は、シャロン・ペイジ。十分にダンサブルでもある。ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツのメンバー時代もあった。テディ・ペンダーグラスとの絡みもあり。⑤は好きなタイプの曲だ。コクのある歌い口からバリトン系シャウトでグッと盛り上がる。後年判明した事だが、実は白人のベニー・マルドネスが正体。音楽キャリアをソングライターとして出発した彼は、この曲も作っているが(トロイ名義)、ブレンダ・リーやチャビー・チェッカーの曲を作っている。マルドネス名義では78年から活動し、「イントゥー・ザ・ナイト」というヒット曲があるらしい。

 

 

⑥は再び女性でクールダウン。ほどよい甘みが心地よい。シャロン・マクマハン本人の自作。ボビー・マーティンがアレンジ。64年から活動しており、07年に初アルバム、11年には<エクスパンション>から本曲が再リリースされている。それだけで終わらず、今年もシングルをリリースしている。作曲家としての経歴も多いようだ。⑦は、リードのよく通る声が雰囲気を高める。しかし、ストリングスの使い方やポロンと鳴るピアノなんか上手いなぁ。アレンジはヴィンス・モンタナ。ネットで調べても中々正体が判らない。某レコード店のリストでは5900円ほどの値が付いていた。⑧はテンポアップして女性グループ。リードはキュート声で、迫力主体ではないのでコーラスと合わせて愉しみたい。メンバーは、アリソン・ホッブズ(のちグイン)、カレン・デンプシー、フィリス・ネルソン(この人はたくさん作品を残している)。ヴィンス・モンタナ作編曲。⑨この曲も好きなタイプ。ファルセットかハイテナーか、高めの声がよく生かされている。ボビー・イーライ絡み。アルバムは73年~80年、<ジュウェル><コロムビア><キャピトル>から4作品。77年顔大写しのアルバム『キース・バロー』(同タイトルがもう一枚ある)に本曲は収録されている。生まれはシカゴで父親は公民権運動家の牧師。ブルー・マジック「ティーチ・ミー」の作者でもある。⑩バーバラ・メイソンの甘ったるい歌声は、切ないのだが元気が湧いてくる。<ナショナル・ジェネラル>は<ブッダ>の一つ手前に所属していたレーベル(配給はブッダのようだ)で、アルバムも一枚出ている(本曲は未収録)『イフ・ユー・ニュー・ヒム・ライク・アイ・ドゥ』。

 

 

⑪名前と違いインパクトはさほどないが完成度は高い。76年作のアルバムは購入済みだが、本曲が収録されているのは77年のアルバム『ザ・パック・イズ・バック』。⑫これも王道のイントロから美麗なファルセットという安定路線。アラン・フィドラー+バニー・シグラー作品。元はエレメンツでリードはマーク・アンソニー。⑬パワフルなシンガーなので、サザン・ソウル的感触も。ヴァージニア州ノーフォークの出身で、音楽キャリアのスタートが<デッカ>で、ウィリー・ミッチェルの<ロイヤル>スタジオと知るとやや納得。⑭ロニー・ダイソンは昔からどうもピンとこない。ソツが無さすぎる。ただ、歌の上手さは文句のない所。トム・ベルとリンダ・クリードの作品でトムのプロデュース。有名な73年盤アルバム『ワン・マン・バンド』にも収録。⑮出自がドゥーワップだと、スウィートな感覚やコーラスの温かみといった部分でフィリー・ソウルに繋がるのではないだろうか。59年のスタートから現在まで活動は続いている。⑯幅広く知られている存在としては、本盤内ではシスター・スレッジが最高だろう。79年のアルバム『ウィー・アー・ファミリー』が特に有名だが、本曲のリリースはその3年前となる。これにもその他のアルバムにも収録はされていない。ボビー・イーライ+レン・フィリップス作で、ボビーのプロデュース。彼女たちは現在も活動を続けており、20年にはデビー・スレッジによるニーナ・シモンのカバー・アルバムが発表されているようだ。⑰ラストを締めるのはメイジャー・ハリス。淡々と歌っているようで実に味わい深い。ボビー・イーライ+テリー・コリンズ作でボビーのプロデュース。

 

① Tapestry - It's Not The World That's Messed Up <キャピトル> (76)

 

② Ecstasy, Passion & Pain - I Wouldn't Give You Up <ルーレット> (74)

 

③ Jay & The Techniques - Don't Ask Me To Forget <ポリドール> (75)

 

④ Sharon Paige - New To You <ABC> (77)

 

⑤ Troy - And Tomorrow Means Another Day We're Apart <コロムビア> (72)

 

⑥ Sharon McMahan Get out of my life <コロムビア> (73)

 

⑦ Ghetto Children - I Just Gotta Find Someone To Love Me <コロムビア> (73)

 

⑧ Brown Sugar - I'm Going Through Changes Now <キャピトル> (76)

 

⑨ KEITH BARROW ---PRECIOUS <コロムビア> (76)

 

⑩ Barbara Mason - When You Look At Me <ナショナル・ジェネラル> (70)

 

⑪ Impact "I Thought You Would Like To Know" <ファンタジー> (77)

 

⑫ Moving Violation - Wild Goose Chase <アトランティック> (74)

 

⑬ DEBBIE TAYLOR - I HAVE LEARNED TO DO WITHOUT YOU <ポリドール> (73)

 

⑭ Ronnie Dyson - I Think I'll Tell Her <コロムビア> (73)

 

⑮ Little Anthony & The Imperials - Help Me Find A Way(To Say I Love You) <ユナイテッド・アーティスツ> (70)

 

⑯ Sister Sledge "Thank You For Today" <コティリオン> (76)

 

⑰ Major Harris - This Is What You Mean <WMOT> (76)

 

 

 

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.62

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[71枚目]●ザ・ニュー・ラモン・ドジャー・アルバム『ラブ&ビューティ』<インヴィクタス/Pヴァイン>(74/96)

 

 

※本文を書くに当たり、鈴木啓志さんのライナーを大いに参考にしています。

 

 

<モータウン>のライター・チームとして活躍したホーランド=ドジャー=ホーランドが、69年に<ホットワックス/インヴィクタス>を設立し、数々のソウル名盤を生み出したのは、今さら強調するまでもない。本盤の主役ラモン・ドジャーに焦点を当てると、73年74年に<ABC>より2枚アルバムを発表。その次に出されたのがこの作品である。ただし、ホーランド(ブライアンの方)=ドジャー名義の作品をコンパイルした物になる。ホーランド=ドジャーは72年~73年の間に<インヴィクタス>から6枚のシングルを発表している。つまりラモンが<ABC>作品を出す前の話。因みに63年の<モータウン>時代にもホーランド=ドジャー名義で1枚シングルを出している。ブライアンとラモンは同い年と言う事もあり(エディは2歳上)、ウマが合う部分も多いのかと。「ザ・ニュー・ラモン・ドジャー・アルバム」としているのは、そういう経緯が関係あるのかも知れないが、実質ラモンのヴォーカルが中心ではあるので、ラモン・ドジャーのアルバムと解釈されるのもやむを得ない所。いずれにしても内容は素晴らしいのでさほど拘る事でもないか。

 

 

何と言っても①が絶品である。ラモンは、声自体に微妙な"泣き"が入っているので切なさが増し、繰り返し聴きたくなる。②はややテンポが上がり、ストリングス・サウンドが彩る曲。このアルバム全体に言える事だが、曲の骨格がシッカリしているのでどんな手法で来られても乗りは保たれ、心に沁みる。更にテンポアップした③。ラモンは、ここぞという時に絞り上げると言うか、身を捩るような歌声を聴かせるが、例えばマーヴィン・ゲイみたいに突き抜けはしないので、却って曲の味付けになっているかと。④ストリングスの盛り上げが過剰にならず、裏で蠢くベース・パターンとの按配が素晴らしい。⑤痛快なノーザン・ダンサー。先に曲の骨格を云々したが、演奏陣のツボを心得たテクニックも当然含まれる。⑤のインストである⑥を聴くとその良さが浮き彫りになる。そういえば、本盤のインストの多さは、ラモンのヴォーカルが主体というより、サウンド全体に耳を傾けてほしいという意図があったと考えるのは邪推だろうか。但し解説に拠れば、シングル・ヴァージョンの方が全般的に上の段を行っているらしい。⑦もノーザンで続く。ややモータウンぽい。⑧はギターとピアノが目立つ。ピアノはたぶんブライアンかと。⑨はファンキー・タッチからサラリとめくるめく。尚、シングル盤はブライアン・ホーランドがヴォーカルを取っているとの事で探したら、よりメリハリが効いてファンキーだった。オマケとして貼っておく。

 

 

① Why Can't We Be Lovers

 

② Don't stop playing our song

 

③ If You Don't Want To Be In My Life

 

④ The picture will never change

 

⑤ Don't Leave Me

 

⑥ Don't Leave Me (Instrumental)

 

⑦ New Breed Kinda Woman

 

⑨ Slipping Away

 

●HOLLAND - DOZIER featuring BRIAN HOLLAND - Slipping away

 

 

 

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.61

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[70枚目]●マディ・ウォーターズ『アット・ニューポート1960』<チェス/MCA>(60/91)

 

 

※本文を書くに当たり、メアリー・キャサリン・アルディンのライナー及びオリジナル盤のジャック・トレイシーのライナーを大いに参考にしています。

 

 

私が持っているのは91年発売の日本盤で、モノラル音源のシングル等4曲がボーナス・トラックとして収録されている。因みに、今年リリースされた76年のボストンでのライブ盤に本盤がそっくり合体されている(ボーナス・トラック分はなし)。

 

 

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世界的に有名な音楽フェスティバルは数々あれど、1954年にスタートしたニューポート・ジャズ・フェスティバルは、アメリカで開催された初めての「野外音楽フェスティバル」だと言う。マディ親分が登場したのは、タイトル通り1960年の7月で、5ヶ月後にはアルバムとなってリリースされている。ブルースのライブ盤としても初めてと言われている。しかし、このステージの後フェスティバルは2年間休止の憂き目に遭う。マディ達ブルースマンが登場したのは日曜の午後。前日のレイ・チャールズのステージで飲んで騒ぐ一部の観衆が暴動化、当局の判断で、翌日の演奏は許可されたがフェスティバル中止の断が下された。ブルース部門のMCを務めた詩人のラングストン・ヒューズは、フェスティバルの終焉を覚悟し即興の詩を作成、オーティス・スパンが作曲し、本盤に「グッバイ・ニューポート・ブルース」として収録されている。

 

 

ステージの模様はTV番組で放映されており、今回YouTubeで見つけた動画もその時のものかと思う。ただ、CDと内容はだいぶ違う。さらにライナーではCD未収録の「キャットフィッシュ・ブルース(ローリン・ストーン)」がオープニングとなっているがYouTube動画は途中に入っている。さらに動画にはベティ・ジェネットとサミー・プライス、御大ジミー・ラッシング入りの「ミーン・ミストリーター~ゴーイン・トゥ・シカゴ」が入っている。ギターとフィドルは当日の出演者ブッチ・ケイジ&ウィリー・トーマスと思われる。「アイ・ガット・マイ・ブランド・オン・ユー」「ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー」「アイ・フィール・ソー・グッド」そして全員参加と言われる「グッバイ・ニューポート・ブルース」が動画には含まれていない。

 

 

ボーナス・トラックの4曲はステージの1ヶ月前に録音。「タイガー・イン・ユア・タンク」と「ミーネスト・ウーマン」が合わせシングルである。メンバーは、ボーナス・トラックも含め、ジェイムス・コットン(ハープ)、パット・ヘア(ギター)、オーティス・スパン(ピアノ)、アンドリュー・スティーブンソン(ベース)、フランシス・クレイ(ドラム)の面々。

 

 

『ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ』のリリースがステージの2年前。ブルース・ファンには知られた存在であるのは言うまでもない。しかし、ニューポートという土地柄で「ジャズ・フェスティバル」と冠されている中、ブルースの認知度、マディ・ウォーターズの認知度がどの程度のものか推測するしかないが、動画を観れば白人観衆が目立つ中、次第次第に盛り上がっていく様は、CDからでも十分伝わってくる。マディの声は張りがあり、サウンド全体の推進力は抜群だ。これから、ブルース界のボスにのし上がっていく勢いを感じる。

 

 

ボーナス・トラックのスタジオ録音は、より楽器の絡みが感じ取れ、完成度の高さはため息が出るほどだ。ジェイムス・コットンのハープなどもライブでは空気のように漂う感があるが、こちらはより味わい深い。「アイ・ガット・マイ・ブランド・オン・ユー」は、ライブでは乗りを表に出しているが、スタジオ版はテンポ緩めでよりブルース度が高い。

 

 

こぼれ話をひとつ。ジャケット写真ではセミアコギターを抱えているマディ。しかし、ステージはテレキャスターで務めた。実は撮影の段階で、ジョン・リー・フッカーのギターを借りたとの事。そっちが絵になると思ったのかな?(ウィキペディアより)。裏ジャケはテレキャス。

 

 

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Newport Jazz Festival 1960

 

 

i got my brand on you

 

 

I Got My Brand On You Bonus Track

 

 

hoochie coochie man Newport 1960

 

 

Baby, Please Don't Go

 

 

Soon Forgotten

 

 

Soon Forgotten (Mono Studio Version)

 

 

Tiger in Your Tank

 

 

Tiger in Your Tank(Bonus Track)

 

 

I Feel So Good

 

 

Got My Mojo Workin' (Newport 1960)

 

 

Got My Mojo Working, Part 2

 

 

Goodbye Newport Blues

 

 

Meanest Woman 45 RPM

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.60

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[69枚目]●V.A.『エイント・ザット・グッド・ニュース』<スペシャルティ/Pヴァィン>(69/93)

 

※本文を書くに当たり、鈴木啓志さんのライナーを大いに参考にしています。

 

1. MY ROCK - Swan Silvertons

2. JESUS IS A FRIEND - Swan Silvertons

3. HE WON'T DENY ME - Swan Silvertons

4. BY AND BY - R.H.Harris & The Soul Stirrers

5. TOUCH THE HEM OF HIS GARMENT - Sam Cooke & The Soul Stirrers

6. MARCHING UP TO ZION - Original Five Blind Boys Of Alabama

7. THERE IS A FOUNTAIN - Original Five Blind Boys Of Alabama

8. I'VE GOT A NEW HOME - Pilgrim Travelers

9. STAY WITH ME JESUS - Chosen Gospel Singers

10. NO HIDING PLACE - Original Gospel Harmonettes

11. I WOULDN'T MIND DYING - Original Gospel Harmonettes

12. AIN'T THAT GOOD NEWS - Meditation Singers

13. TOO CLOSE TO HEAVEN - Alex Bradford

14. THANK YOU LORD FOR ONE MORE DAY - Brother Joe May

15. WHOSOEVER WILL - Bessie Griffin

16. THE BALL GAME - Sister Wynona Carr

 

ゴスペルのレーベル(だけではないが)として著名な<スペシャルティ>のコンピ盤。プロデュースはアート・ループ。<Pヴァイン>からリリースするに当たり、鈴木啓志さんセレクトの4曲が追加されている。曲順もオリジナルとは違い、男性グループ→女性グループ→男性ソロ→女性ソロと並べられている。

 

①~③はスワン・シルヴァートーンズ。元炭鉱夫のクロード・ジーターが、38年にウェストヴァージニアにて結成。46年<キング>レコードと契約。<スペシャルティ>には51年~55年の間在籍。その後は<ヴィージェイ>や<ピーコック>に録音を残している。ジーター以外のメンバーは、オリジナルはエディー・ボローアス、ジョン・マイルズ、リロイ・ワトキンス。アフター・メンバーは<スペシャルティ>期外も含むだろうが、ポール・オーウェンス、ヘンリー・ブラッサード、ソロモン・ウーマック、ロバート・クレンショウ、デューイ・ヤング、パーセル・パーキンス等がいる。大黒柱のジーターは、本盤では③で主役を張る。①は解説に、ロバート・オーウェンスと書いてあるが、ポール・オーウェンスではなかろうか。この曲のベースの弾み具合も気持ち良い。②はデューイ・ヤング。女性コーラスも入れてる?②も③も途中から終始吠えまくる展開。バリトンはジョン・マイルズがオリジナル・メンバーとして表記されていたが、ここでもそうだろうか。どうも詳しくなくて申し訳ない。

 

④⑤はソウル・スターラーズ。④がR.H.ハリス期で、⑤がサム・クック期。④は鈴木さんのセレクトなので両者の違いを意識されたのだろうか。シングル盤のリリースで考えると、50年~58年に10枚のシングルが発表されている。間が空いて72年にJ.J.ファーレイ期のアルバムとサム・クック期のリイシュー・アルバムを出している模様。そこまでいくと本盤とは関係ないが・・・。R.H.ハリスは、ジュビリー・スタイルを改革し、カルテット・スタイルの基本を作った人。アフリカ由来のファルセットの起用、「スイング・リード」と呼ばれる2人のシンガーがリードするスタイルの確立など、ゴスペルの基軸をよりエモーショナルな方向に向けた。それでも、R.H.ハリスのスターラーズは静かなる高まりと呼びたくなる落ち着きと深みを感じる。リード・チェンジの際もスリリングというより技を感じる。これがサム・クックの登場となると、テンダー・タッチとハード・タッチがブレンドされ、興奮度は増す。更に言うならば、ソウル時代のサム・クックは、ハードさを孕んだテンダー・スタイルとでも呼べば良いだろうか。ゴスペルの伝統がソウル・ミュージックに生きているという証明を成した。テキスト的には周知の事実だが、音に触れると改めて確認できる。

 

ソウル・スターラーズもそうだが、⑥⑦のファイヴ・ブラインド・ボーイズ・アラバマも息の長いグループ。大看板のクラレンス・ファウンテインは惜しくも2年前に亡くなった。53~57年に9枚のシングルを発表している。クラレンス以外のメンバーは、ハードな歌唱のサミー・K・ルイス、ジョニー・フィールズ、オリス・トーマス、ジョージ・スコットなど。⑥は、リードの取り合いという訳ではないが、目まぐるしいほどに入れ替わり、フォローに回った側も強烈なので驚異的な迫力を生んでいる。⑦は一転して緩やかなペースだが、声の力感は凄い。

 

⑧ピルグリム・トラヴェラーズは、ダイナミックな感動というより、じわじわと来るタイプ。ゴスペルのプロトタイプと言えるかも。彼らも現在まで活動が続いている。ジョー・ジョンソンやウィリー・デイヴィスが中心となって立ち上げ。本曲でリードを取るカイロ・ターナーや、後にサム・クックと<サー>レコードを設立するJ.W.アレグサンダー、キース・バーバー、ラファエル・テイラー、後にはルー・ロウルズも参加。48年~56年にわたり、19枚のシングルを発表している。

 

⑨チョーズン・ゴスペル・シンガーズ。グループ名も凄いが実力も凄い。特にこの曲で感じるのは、全員がいちどきに攻めてくるような分厚い迫力を感じるところ。ウォール・オブ・サウンドならぬウォール・オブ・ヴォイスか。53年~55年の間にシングル4枚。84年には<ヴィヴィッド>編纂のアルバム、92年にはCDもリリースされている。ヒューストンで50年に結成。メンバーは、J.B.ランドール、アーロン・ワイアット、ウィリー・ローズ、やがてランドールのみ残り、その後はE.J.ブラムフィールド、ジョージ・バトラー、フレッド・シムズ、バリトンのオスカー・クック。ルー・ロウルズの他、ごく一時的にテッド・テイラーも参加していたとの事。

 

⑩⑪オリジナル・ゴスペル・ハーモネッツ。51年~57年の間にシングル9枚。59年にアルバム1枚出ている。ドロシー・ラヴ・コーツのワイルドな歌唱がグループをリードする。これでもかこれでもかというシャウトは痛快至極。グループは40年にバーミングハムで結成。ピアニストとして評価の高いイヴリン・スタークスや、メゾソプラノのミルドレッド・マディソン・ミラーの他、オデッサ・エドワーズ、ヴェラ・コナー・コルブなど。ドロシーが参加したのは50年初頭のようで、グループは彼女が参加した事で躍進した。ドロシーはステージ上で我を忘れて歌いまくる場面がよくあり、しばしば他のメンバーが彼女をステージに引き戻したという逸話も。ジェイムズ・ブラウンがその様子をステージ・パフォーマンスに取り入れたなんて話もウィキペディアには書いてあった。

 

⑫メディテイション・シンガーズ。ローラ・リーが在籍していた事で有名。ローラの母親、アーネスティン・ランドレス、デラ・リーズ(彼女の後釜がローラ)、マリー・ウォーターズ、ヴァーリン・ロジャース、ドナ・ハモンド、パトリシア・ライルズ、ヴィクトリア・ビーズリー(ピアノ)など。ジェイムズ・クリーブランド師の名前も。92年にリイシューCD。ドロシーに負けないワイルドさを感じるがこちらの方が抑制が効いてるかな。曲調もあるだろうがコーラスもやや抑えめ。

 

⑬アレックス・ブラッドフォード。重厚な歌声だが、どこかクラブ・シンガーのような艶っぽさも感じる。53年~58年にシングル11枚。59年と71年にLP、92年と93年にCD。アラバマ州ベッセマー生まれのアレックスは、4歳が初ステージ!13歳で児童ゴスペル・グループに在籍している。学生時代の段階で「教授」の称号を得る。その影響は、ゴスペル関係者のみに止まらず、リトル・リチャードやレイ・チャールズ、さらにはボブ・マーリーにまで及ぶとウィキペディアには書いてある。

 

⑭ブラザー・ジョー・メイ。50~56年の間にシングル8枚。「中西部のサンダーボルト」と呼ばれる。ブラッドフォードに比べたら声の座りはないが、その分突き抜けるような感覚はある。熱唱型の女性シンガーを想起する局面も。<スペシャルティ>は彼に世俗的録音を提案したが、断固として拒否したと言う。ウィリー・メイ・フォード・スミスの影響を受け、トーマス・A・ドーシーとも関わり、結局J.W.アレグサンダーのスカウトで<スペシャルティ>入り。

 

⑮ベッシー・グリフィン。ニューオーリンズ生まれ。母親が早くに亡くなり、信仰深い祖母に育てられ、歌う事を勧められたという。マヘリア・ジャクソンの弟子のような感じで帯同。53年にはキャラバンズに加入するも翌年には脱退。58年にロスアンゼルスに移動し<スペシャルティ>と契約した。2枚のシングルがリストにあるが発表年が不明とされている。

 

⑯シスター・ワイノナ・カー。⑬~⑯も鈴木さんによる追加曲。リズム&ブルースの世界での活躍の方が著名なワイノナ・カーと、正統派のベッシー・グリフィンを対比する事で、ゴスペルの幅広さを提示する意図でしょうか。ベッシーの曲も大衆的な部分も感じるけど。ワイノナは、発表年不明もあるが、53年以降にシングル5曲。92年にはCDあり。オハイオ州クリーヴランド出身で、カー・シンガーズとして活動していた。45年にクリーヴランド/デトロイトをツアー中、ピルグリム・トラヴェラーズに見初められ、<スペシャルティ>との契約に至る。世俗音楽への移行は、本人がアート・ループに直談判した結果だという。「シスター」を冠したのは、シスター・ロゼッタ・サープに影響されたとか。リズム&ブルースとゴスペルを両立させた先達に倣ったのだろう。本曲も人生を野球に例えたポピュラー性と合わせ、真摯ながらキュートな歌声が愉しく印象に残る。

 

① Swan Silvertones-My Rock

 

② Swan Silvertones - Jesus Is A Friend

 

③ Swan Silvertones - He Won't Deny Me

 

④ R. H. Harris & the Soul Stirrers - By and By

 

⑤ Sam Cooke & The Soul Stirrers - Touch The Hem Of His Garment

 

⑥ The Original Five Blind Boys Of Alabama - Marching Up To Zion(Take4という事で本盤と同ヴァージョンかは不明)

 

⑧ Pilgrim Travelers - I've Got A New Home

 

⑨ Chosen Gospel Singers - Stay With Me Jesus

 

⑩ No Hiding Place Dorothy Love Coates & the Original Gospel Harmonettes

 

⑪ I Wouldn't Mind Dying Dorothy Love Coates & the Original Gospel Harmonettes

 

⑬ Too Close to Heaven - Prof. Alex Bradford

 

⑮ Bessie Griffin - Whosoever Will

 

⑯ Sister Wynona Carr - The Ball Game

 

 

 

 

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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.59

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[68枚目]●メアリー・J・ブライジ『グロウイング・ペインズ』<メイトリアーク/ゲフィン>(07)

 

※本文を書くに当たり、川口真紀さんのライナーを大いに参考にしています。

 

リミックス・アルバムを除き、ライブ盤を加えて数えると9枚目の作品となる。メアリーのインタビューを織り交ぜたライナーノーツには、本盤リリースの背景が述べられている。05年の前作『ザ・ブレイクスルー』やシングル「ビー・ウィザウト・ユー」が輝かしい記録を立て、グラミー賞はじめ各賞を受賞、それまでも十分活躍していたメアリーだが、正に"ブレイクスルー(躍進、現状突破)"な成果を収めた。その次作として"グロウイング・ペインズ(成長に伴う痛み)"とする所が、いかにもストイックな彼女らしい。音楽に対して頑固なまで真面目に取り組むのがメアリーらしさだと思う。真面目やらストイックやらといった言葉を使うと内省的に閉じこもるイメージに繋がりがちだが、基本的にオープンなのが彼女。楽しくリスナーに元気を与える姿勢が、パフォーマンスを含めメアリーには存在する。

 

オールド・ソウル・ファンの間では何と言っても『シェア・マイ・ワールド』とライブ盤『トゥアー』がよく話題に上る。後はせいぜい1stだろう。その後はロック寄りの感覚もあり、興味が薄れる人もいるかも知れないが、基本的にリズム感覚は変わらず、私なんぞはあまりロックがどうのこうのというのはさほど気にならない。と言いつつも、メアリーに限らずそもそも現代R&B諸作品から離れているのも事実である。17年の最新作も試聴したけどヘッドホンを早々と置いてしまった。たぶん、何回か聴けば気に入るとは思うが、他の買いたい物を優先してしまう昨今だ。

 

メアリーの作品で好きな部分は、優れたリズム感と徹底的に歌い切る歌唱の2点が大きい。本盤も久しぶりに聴き、メアリーならではの音世界を堪能出来た。ウィキペディアで各アルバムの全米売り上げを見てみると『ザ・ブレイクスルー』が310万枚なのに比べ、本盤は164万枚と数字は下がっているが、内容は決して落ちてはいないと思う。ボーナストラックを含め20曲、2枚組を聴いたかのような充実感はある。蛇足だが、アルバム的には『シェア・マイ・ワールド』が406万枚と最高。逆に本盤の次の『ストロンガー・ウィズ・イーチ・ティアー』からガクッと落ちている。CDの売り上げ全体が芳しくない面もあるだろうが、グロウイングよりペインズが先立つ結果となっている。彼女の姿勢自体は変わらないと思うが・・・。

 

全般的に曲間を繋ぎ、前述したリズム感覚がヴィヴィッドで最初から最後まで愉しませてくれる。タメの効いたリズムがメアリー・ワールドへ誘う①。②はタイミングよく切り込むリュダクリスのラップを交え、メアリーもラップと歌唱の中間をたゆたう。後半、音が前に出てラップが裏に回る所も好きだ。1stシングルの③は、ザ・ドリームも関わる抜群の乗りを持つ曲。サビの「ファイン、ファイン、ファイン、ファイン、ファイン、ファイン、ウー」の繰り返しが耳に残る。④⑤⑥⑦と抑えめの曲が続くが一定のグルーヴは保たれている。⑤はじわじわと盛り上がり、メアリーの歌唱が一層愉しめる。アッシャーをフィーチャーした⑦は落ち着いた展開。パーティー感のある⑧は、ファレル・ウイリアムス絡み(あの話題作発表の7年前)。リズムがよく組み合わされている。⑨とかロックサウンド寄りかも知れないが、メアリーらしさが勝っている。⑩は女性への応援歌。時々語りになるが、サウンドへの乗せ方は流石だ。ミリー・ジャクソンの域。⑪しなやかで力強い歌唱を特に感じる曲。⑫終盤につれ盛り上がる。⑬完璧な人間なんていないわよ、というこれも応援歌。延々とシャウト。⑭⑮も後半に高まる。淡々とした⑯と続き、オリジナルのラスト曲⑰はぐんとスケール・アップ。メアリー自身が自分の成長の証たる曲と自負している。⑱⑲&⑨はUKと日本盤のボーナストラック。⑳は日本のみのボートラ。⑱は、音楽センスの塊トッド・ラングレンの「ハロー・イッツ・ミー」のカバー。同じく音楽センスの塊メアリーは、サラッとながらソウルフルに仕上げている。⑲はイヴ参加。声の交差が印象的。⑳は、ニュージャック・スイングのような跳ねるリズムが微妙に加わっている。更にメアリー2人が競っているかのようなヴォーカル・アレンジ。これがラスト曲でも十分成り立つ。

 

最後にプロデューサー情報を。①④セロン・オーティス、②デジオン(Dejoin新人の抜擢)、③⑦⑩⑰⑲⑳トリッキー・スチュワート、⑤⑮ブライアン・マイケル・コックス、⑥アンドレ・ハリス&ヴァイダル・デイヴィス、⑧ネプチューンズ、⑨ブルック・リン、⑪⑫スターゲイト、⑬チャック・ハーモニー、⑭エリック・ハドソン、⑯サイエンス、⑱マーク・ロンソン、以上。トリッキー・スチュワートが特に光っている。

 

改めて聴くと、メアリーはやっぱり良いね。近作が3年前と言うのはやはり寂しい。また意欲作に挑んでほしいものだ。

 

※全然関係ないが、レコード棚を順番に辿っているこの企画、後1枚で、向かって左の端から右の端に到達する。取り出しやすいように2、3枚分空けているので端から端まで約70枚といった所。また気持ちを新たに徹底して取り組もうと思います。良かったら今後とも読んで下さい。

 

① Work That

 

② Grown Woman

 

③ Just Fine

 

④ Feel Like A Woman

 

⑤ Stay Down

 

⑥ Hurt Again

 

⑦ Shake Down

 

⑧ Til The Morning

 

⑨ Nowhere Fast

 

⑩ Roses

 

⑪ Fade Away

 

⑫ What Love Is

 

⑬ Work In Progress (Growing Pains)

 

⑭ Talk to Me

 

⑮ If You Love Me?

 

⑯ Smoke

 

⑰ Come To Me (PEACE)

 

⑱ Hello It's Me

 

⑲ Mirror

 

⑳ Sleep Walkin'

 

 

 

 

 

 

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