R. Kelly

【試聴記】R・ケリー『アンタイトルド』

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どうやらR・ケリーは、また新しい地平に立ったようです。前作はヒップホップ、R&B~ロックっぽい曲まで、非常に多彩な展開を見せました。今回はヒップホップの基本態に戻った感じで、先ず黒いリズムを響かせる(というか轟かせる)事で、音世界を形作っていると思います。

『12プレイ』のエロ路線に戻ったと試聴コーナーに書いて有りましたが、あの頃は粘液質なエロでしたが、本盤は男らしく逞しいエロではないかと思います。勿論テンダーな感覚もありますが、それを圧するようにストリート感覚・ヒップホップ感覚に満ちていると思います。

しかも彼が凄いのは単に元に戻ったのではなく、冒頭に述べた通り新生面を見せているのです。リズムやビートについて上手く説明できません。全く新しいリズムという訳ではないでしょうが、ヴィヴィッドに耳に残ります。何故か解らないのですが、聴いていてアフリカの大地を感じました。別にポリリズミックでもないのですが、やはり黒さからの連想でしょうか。いずれにしても才人である事は間違いありません。私が最も気に入った黒人アーティストに捧げる言葉「変わりゆく変わらぬもの」を喜んで捧げます。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3672741

http://www.youtube.com/watch?v=QKqH-8TH_rs

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R・ケリーの存在証明

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R・ケリーの『ハッピー・ピープル/ユー・セイブド・ミー』。2枚組で、1枚目がダンス曲、2枚目がゴスペル曲という構成。聴きながらのレヴューです。ちょっととりとめが無くなるかも知れませんがご容赦下さい。本来ならこれを改めてまとめるのがスジでしょうが、あえて考え進んでいる過程をお見せします。考える方としては楽してますけど・・・。1枚目と2枚目を分けてブログします。

【DISC 1】ハッピー・ピープル

①ウェザー・マン・・・ラジオのジングルとDJ的語りで、時代を戻します。ほとんどステ
ィーヴィー・ワンダー風の曲調でスタートします。2曲目に自然とつながります。

②レッド・カーペット(ポーズ、フラッシュ)・・・マーヴィン・ゲイ風の「フゥー」という掛け声もかかり、①同様ダンサブルな曲。試聴コーナーにDISC 1は「ダンサブル・サイド」とも書いてあったので、ほとんどこの感じかな?性急な所の無いゆとりのリズムは我々オールドスクーラー向きです。

③ラヴ・シグナルズ・・・曲は切れ間なく続きます。ベースの微かなチョッパーと、ドラムの奇をてらわないリズムが心地よい。ここまでヴォーカルも良い感じ。歌が少し上手くなったか(失礼な)?もっとも、声を張り上げる部分がここまでは無し。ふと、思ったけどこの人プリンスと組んだらどうかな?・・・プリンスがちょっと黒くなるだけの話か。ジングルのような「L・O・V・E」で次の曲へ。

④ラヴ・ストリート・・・やっぱり、あんまり歌は上手くないか。ちょっと声がひしゃげたような感じになる、そのひしゃげ具合が気にかかります。それはともかく、ダンサブルは曲は続きます。バック・コーラスも昔風のフレーズを披露。

⑤レディーズ・ナイト(トリート・ハー・ライク・ヘヴン)・・・ギターのフレーズが微妙なアクセントになっています。しかし、ずっとここまでノン・ストップでダンス曲続いています。

⑥イフ・・・のりのりだったDJが静かに語り始めます。やや落ち着いた感じ。まさか続けて歌ってないだろうけど、一部ヴォーカルが苦しそうになる感じもある。またしても、ふと思いましたが、スティーヴィー・ワンダーをゲストに読んだら面白かったかも・・・あまりにおなじような感じで駄目か。曲の盛り上がり部分で声を重ねて、終わるとまたDJ風になります。「無事着地した」印象。

⑦ザ・グレイテスト・ショウ・オン・アース・・・ラヴ・バラードです。あー、マーヴィンに歌わせたい。いやいや、もう言いますまい。ちょっとクサいけど良い曲です。再び「L・O・V・E」のジングル。

⑧イッツ・ユア・バースデイ・・・これもやや落ち着いた感じ。「トゥ・トゥ・トゥ、トゥ・トゥ・トゥ・トゥ」とややディスコ風合いの手。

⑨ステッピン・イントゥー・ヘヴン・・・雰囲気をちょっと変えるタイトなダンス曲。やっぱりベースとドラムが軸です。このアルバムをここまで聴いてきて、R・ケリー的メロディーより、古臭い基本的リズム隊が印象に残ります。盛り上がった所で再びDJ登場。

⑩イフ・アイ・クッド・メイク・ザ・ワールド・ダンス・・・これとかはメロディアスですね。しかし、リズムは変わりません。元々ベイビー・フェイスとかと比べると、リズムは強調している人では有ったか・・・。しかし、ただ踊るための曲というわけでなく、全体に漂う温かい雰囲気は最初からずーっと続いてます。この辺はスティーヴィーの影響か?

⑪ハッピー・ピープル・・・マーヴィン度大。「マーシー・マーシー」とか歌いそうな出だしだった。いやホント、何度も言いますが、リズムを基礎にしたメロディー創りという、R・ケリーらしさをまた表明したアルバムといえるでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=ZbKFoUhBRPs

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【DISC 2】ユー・セイブド・ミー

①3ウェイ・フォーン・コール・・・今回楽しみだったケリー・プライスとの共演。出だしから来ました。DISC 1とはガラッと趣が変わり、解説に有った様に、ゴスペル風です。R・ケリーのこれまでの作品でも「ゴスペル」は重要な位置を占めています。もうひとつの重要な要素「官能」と「ゴスペル」は表裏一体です。気持ちを高ぶらせて、自分は孤独では無い事を知らしめ、愛を感じ心を豊かにするものです。スケベとかHのレベルではないものです。
ケリーの他にキム・バレルとモーリス・メイホーンも参加(不勉強で知りません)。

②ユー・セイヴド・ミー・・・タイトル曲が静かに歌われます。今回のアルバムに関しては、曲を整理して1枚にするという考えも有りますが、あえて彼はかつてのLPの感覚でA面とB面を創りたかったのではないでしょうか?聴く側にも雰囲気を変えさせ、R・ケリーの音楽に有るものをくっきりと浮かび上がらせ、より彼の存在が解りやすい作品にしたかったのかも、という気もします。
http://www.youtube.com/watch?v=CoT_7_nRgLY&feature=channel

③プレイヤー(Prayer)・チェンジズ・・・いかにもR・ケリー風バラード。DISC 1のようにリズムを強調するのも良いけど、こういうしっとり路線も泣けます。ゴスペル的コーラスがすかさず入れて、至上の時へ連れて行きやすい曲調です。R・ケリーの歌も一生懸命さが伝わります。

④ハウ・ディド・ユー・マネイジ・・・良い曲です。これはDISC 2の方が完成度が高いような感じです。1枚目での「ダンス曲集」というポリシーは理解しますけど・・・。そうかあ、そう考えるとこれはやっぱり2枚組で雰囲気を変えたのは成功かも知れません。

⑤アイ・サレンダー・・・バラードは続きます。ゴスペル・サイドというより、ゴスペルに影響を受けたバラード・サイドというのが正確な説明になるのかな。

⑥ホウェン・アイ・シンク・アバウト・ユー・・・R・ケリーの世界満喫ですね。結構歌も上手く聴こえます。こういう、バックが落ち着いた感じの方が彼に合ってるんだと思います。声を張り上げる部分も「聴ける」。

⑦ダイアリー・オブ・ミー・・・しっとり系。スティーヴィーぽさが出てます。やー、良い曲だわ。じわっと鳥肌立ってきます。この辺りの曲は甲乙付けがたく良い曲続いてます。

⑧スピリット・・・これはそうでもない。ちょっと盛り上げ方が急すぎる。タイトルからして気張りすぎたか・・・そんな単純な事はないでしょうけど。

⑨リープ(Leap)・オブ・フェイス(Faith)・・・また落ち着きました。いやあ、考えが二転三転して申し訳ないけど、やっぱり曲を絞って1枚にした方が良かったかも・・・本来ならそうすべき所だけど、どうしても分けたかったんでしょうね。どちらにしろ支持します。大団円的ゴスペル。クワイヤーと絡んだ時のヴォーカルワーク、なかなか自在な感じで良いです。

⑩ピース・・・さあ、最後の曲。平和を歌って終わりか。深い音のパーカッションをお供に歌い出します。後ろのコーラスも低く始まり、どこかアフリカ的、というか「民族的」といった方が近いか。終焉にふさわしい落ち着き方です。最後の最後は予想通り、アフリカのジャイブ・コーラスをちょっと匂わせ、すっと終わりました。しつこくなくお見事!

後、今回のはジャケットも昔のソウル風で、インナースリーブには、マーヴィンの『アイ・ウォント・ユー』のようなイラストも描かれています。彼に限らず、先人へのリスペクトを忘れず、しかも音で表現できる人は、今後も生き残り、素晴らしい作品を残してくれるはずです。

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