今年を酉年にしてしまおう!

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70年発売のアルバムに、8曲をプラスした一枚。
付け加えた分はファンキーかつ正統ブルースがほとんど。勿論それらは抜群の出来である。しかし、曲のバリエーションという事であれば、オリジナルの側がツッコミ所満載だ。ジェイムス・ブラウン並みの、グリッティーでクールなファンク(①)。壊れたキャブ・キャロウェイを、ドープなサウンドが包み込む、奇妙だが聴き応えのある曲(③)。ドミノスがオリジナルだそうだが恥ずかしながら記憶なし。
ボビー・ウォーマックで有名な曲は、女性コーラスを上手く使い、アーリー・ソウル仕立て(④)。「ハウンド・ドッグ」のアンサー・ソング(カウンター・ソング?)(⑤)は曲調をトレースしているものの、別の曲として完成度が高い。ビッグママ・ソーントンの原曲に連続して聴くと似合いそう。そういう意味では「リンク・ソング」という表現が適切か。トラディショナル・ソングは2つのヴァージョンで(⑥⑦)。⑥はゴスペル仕立て、というか説教師と会衆のようなコール&レスポンス・・・。
明るく楽しい曲調とエンターテイナー振りから、「世界で最も年長のティーンエイジャー」と称されるが、それは彼の一部を言い当てているが全てではない。黒人音楽に対する深い理解と体現、伝統的なものと先進的なものをスムーズに組み合わせるアイディアマン。全ては「人を楽しませよう」という音楽家の原点から発している。
演奏陣も素晴らしい。ギターのカッティングの間、気持ち好く転がるベース、ドラムのフィルインの格好良さ、ホーンズの輝きとキレ・・・これで乗らない方がオカシイ!
<スタックス>の前身<サテライト>時代、傾きかけた会社を復興させたのがルーファス&カーラの親娘らしい。経営者のジム・スチュアートもそれをキッカケにソウル&ブルースに開眼したらしい。レーベルの音創りには多くの優れたミュージシャンが関わっているが、ルーファス・トーマスの持つダイナミズム、ディープ・ブルース感、ジャイヴ感は、ソウル・チルドレン、リトル・ミルトン、ステイプル・シンガーズ、と<スタックス>のスター達を思い浮かべると、共通した流れを感じる。彼がこのレーベルの礎石、いや70年代黒人音楽の礎石であるのは間違いない。
♪"Do the Funky Chicken"
http://www.youtube.com/watch?v=DwlGNNqGf_g
♪"Sixty Minute Man"
http://www.youtube.com/watch?v=zSZ49HPZUgg
♪"Bear Cat"
http://www.youtube.com/watch?v=riClDLrQ8JY
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