レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.13
[20枚目]●V.A.『ロスト・ソウル・ジェムス・フロム・サウンズ・オブ・メンフィス』<ケント・ソウル/エイス>(12)
http://diskunion.net/portal/ct/detail/54C120511705
<サウンズ・オブ・メンフィス>は、60年代初頭、酒類関連の実業家ジーン・ルチェッシが興した。<ペン>や<XL>に関わるスタン・ケスラーの協力を得て軌道に乗り、68年にはスタジオを構えるまでに。サックス奏者でもあるチャールズ・チョーマーズの功績も大きい。
やがて<MGM>との関係を深めた新生<サウンズ・オブ・メンフィス>は、ダン・グリーアがA&Rとなり、サザン・ソウル界の一翼を担う存在となる。
収録曲を聴いてみよう。現在も安定した作品を出し続けているカール・シムズの「ピティ・オブ・フール」でスタート。正統派サザン・ソウルアルバムの様相かと思いきや、そうでもない。
レーベルの功労者、ダン・グリーアを挟んで、オーティス・ウェット。同名のレディングさんを想起させる、ひりつくような歌唱。終盤は「ガッツガッツ」も飛び出す。
④⑤⑥は、60年代ロックやリズム&ブルースの範疇。一定の聴き応えはある。
バーバラ&ザ・ブラウンズで王道ソウルへ戻る。この人、単独の編集盤があるが、私は、本盤のように他ミュージシャンの間に入っている時のバーバラの歌声の方が好きだ。続くキャロル・ロイドは、エタ・ジェイムスからアクを抜いた感じ。
勢いのあるジャクソネアーズやヴィジョンを受けて、ルイス・ウィリアムズが70年代に幕を引くような感じで歌い終わると、80年代の3曲。さほど悪くない。
アルバムの最後は、親父を引き継いだリンダ・ルチェッシのピアノをバックにしたジョージ・ジャクソンのデモ曲。ムードがセピアに変わる。
ディープな一枚とは言い難いが、レーベルの特徴がよく把握出来、共感を抱ける一枚だ。
Carl Sims - Pity a Fool
https://www.youtube.com/watch?v=d_Z3ve14ps8
I can't fight it no longer Carroll Lloyd
https://www.youtube.com/watch?v=q06uEWsKrnU
Rudolph Taylor - Big City Lights
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