センチメンタル・ファンキー・マン
●シル・ジョンソン『ダイアモンド・イン・ラフ』<ハイ>(74)
http://diskunion.net/portal/ct/detail/54C120327705
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冒頭、枯れた音のピアノが奏でられ、やや意表を突かれるが、直ぐにソウル・ミュージック満開の世界となる。但し、印象的なピアノは所々で蝶のように舞う。ヴィリー・ミッチェルのセンス披露の一端だ。
シル・ジョンソンの最大の魅力がファンキー・ソウルに有るのは、言わずもがな。本盤でも十分堪能出来る。<ハイ>はもちろんメンフィスだが、元々泥臭さより洗練されたものを感じる。シカゴ育ちのシルとコラボしたことで、グリッティーさよりも、シカゴ・ソウルらしい洒脱さを強く感じる。
とはいえ、どこかクールには成りきれない人間臭さを感じる歌手だ。ファンキー系ではないが4曲目のバラード。サビの部分の裏声が、切なく絞られ、何とも言えない味わいになっている。懸命さが伝わる。甘茶のドリーミーさとは、違う角度から鳥肌が立つ。さらに、淡々とした女性コーラスが菩薩的に包み込んでいる。
3曲目や5曲目の、現代のインディー・ソウルに繋がるような明るさも痛快。 7・8・10曲目はブルース。8が好きかな。
私は、リトル・ジョニー・テイラーやテッド・テイラーといった、高い声のソウル・シンガーは好きな方だ。シルもその系統にある。朗々と歌い上げていない所に、独特の切なさや潤いを感じるのかも知れない。
♪"Let Yourself Go"
http://www.youtube.com/watch?v=eYiJ8Xon5BA
♪"Could I Be Falling In Love"
http://www.youtube.com/watch?v=eGbxF1eq8jo
♪"Please, don't give up on me"
http://www.youtube.com/watch?v=F9Niz6hbT3Yもっと見る
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